色落ちの良い最高のジーンズの完成を目指して。
デニム生地、縫製、ボタンや織りネームなどの各種パーツ。
この2年間の経年変化に関わる研究の成果をベースに、独自のディテールを搭載させたAiiRO DENIM WORKSのオリジナルジーンズが完成しました。
これまでのブログを読んで頂き、「サードウェーブなジーンズ、面白そうだ。」と、ご賛同いただける方には是非、手にして頂きたい自信作です。
長い時間をかけて穿きこみ、その経年変化の魅力を楽しんで頂きたいと思います。
モデル名【Cherokee(チェロキー)】 型番:CRK-018
AiiRO DENIM WORKS企画のこのジーンズのモデル名は、 “Cherokee(チェロキー)”。
そして型番:CRK-018の「CRK」は、そのCherokeeの略です。
Cherokee(チェロキー)とは、ネイティブアメリカンの一つの部族の名前です。
このモデル名をつけた由来、そしてサードウェーブジーンズに込めた想いは、こちらをご覧ください。
全体図(ノンウォッシュ)
ストレートを基本に、裾にかけてややテーパードさせたシルエット。
これまで履いてきた数々のジーンズの中で私が最も好きなジーンズのシルエットをベースに、
そこから股上やヒップの微調整を行ない完成させました。
写真は最終サンプルですが、実際の商品化の際にはここから更に微調整を重ねる予定です。
大きめのバックポケットは若干外側寄りに取り付けています。
インパクトのあるポケットの形状が、横からも見えるデザインになっています。
フロントは股上が若干浅め、バックは股上が深めで、緩すぎず、窮屈すぎない腰回りにしています。
最終製品版は、フロントを1cmほど深く、バックを1cmほど浅く、微調整する予定です。
使用デニム生地:14oz セルビッチデニム
数十種のデニム生地の中から選考を繰り返し、実際に使い込む経年変化のテストを経て選び出した
色落ちが素晴らしくザラ感の強いセルビッチデニムを採用。
ザラの部分が点落ちし、そこから美しい縦落ちにつながる、そんなヴィンテージと遜色ない経年変化が楽しめます。
【糸】:米綿主体のブレンド綿。
【糸の撚り方】:強めに撚った糸を使用。生地にコシがあり、表面のザラつきが強い。
【生地の織り方】:縦糸(経糸)にゆとりを持たせ、弱テンションで織っている。それにより生地表面の凹凸が強調され色落ち感が良い。
【染め方】:青みが強く濃いインディゴ色をロープ染め。芯は染めずに残し。
【番手】:縦糸(経糸)に太めの6番手x横糸(緯糸)にそれより細めの7番手を使い織られたデニム生地を使用。
【織機】:旧式力織機(シャトル織機)
【色落ちのスピード】:普通
バックポケットのディテール
利便性とデザイン性を兼ねて手入れ口に「スマイルカット」を施したバックポケットがデザイン上の特徴。
レーヨン素材をベースに、ブランド名をポリエステル糸で刺繍したオリジナルの赤タブ(ピスネーム)を使用。
洗濯することでレーヨンが縮み、丸まっていく。
またレーヨン素材が退色することで、色落ちしたジーンズにマッチした経年変化をしていくことでしょう。
全ての縫製には、岡山・児島にある綿糸メーカー“烏城物産”が長年の研究により開発された、スーピマコットン100%で作られた情緒ある色落ちする綿糸=カタン糸を使用。
その中でもヴィンテージの綿糸を忠実に再現したオレンジとバナナイエローの2色の綿糸から、更に3種類の太さを選び出し、計6種類の綿糸を各パーツに使ってジーンズのディテールをアップしています。
バックポケットやフロントポケット、コインポケットなど、ダブルステッチと呼ばれる2本の糸が並走するステッチ部分にはバナナイエローとオレンジを同時に走らせ、
綿糸の色落ちの違い、それによる色落ちの立体感=グラデーションが楽しめるように配色しています。
ポケットの形状に合わせた飾りステッチは、同じく烏城物産の作る綿糸=カタン糸のバナナイエローの太番手を使用。
履き込むことでステッチの色の経年変化に加え、切れて外れてい行くでしょう。太い糸のため、切れた後のステッチ跡が太めに残ると思われます。
バックポケットの裏全体をスレーキで補強しています。
これは補強の意味だけでなく、スマイルカット縫製の弱点である折伏せ縫い部分のデニム生地のほつれを防止するための仕様です。
牛革製の肉厚革パッチ
「ギャランティーチケット」と1800年代の騎兵隊・インディアンをモチーフにした、オリジナルデザインの革パッチ。
2mmの厚みの防縮加工済み「牛革パッチ」を使用。
また、通常のジーンズのパッチは【ヨコ8cm×タテ6cm】に対し、この革パッチは【ヨコ11cm×タテ6cm】という特注サイズ。
ヘビーな厚みに加え、遠目から見ても存在感のある革パッチとなりました。
鹿革に似た表面を持つ革に、朱赤の箔押しを施しています。
細かいデザインを再現性高く、深く革に刻み込むために、パッチの製造メーカーさんと一緒に箔押しの刻印の制作にこだわりました。
長く履き込んで頂き、革が美しく経年変化して行く過程でも、長くこのデザインが残りますように・・・。
ベルトループの中高仕様は、ヴィンテージタイプお決まりの仕様。
経年変化はみなさんご存知の通りです。
シルバー925素材を使ったオリジナルのボタンフライ
インディアン(ネイティブアメリカン)の「コンチョ」をイメージし、オリジナルの型で鋳造し制作するシルバー925素材のボタンを、計4つ使用。
履きこみ、使い込むことで、独特の経年変化を見せます。
シルバーのボタンは鉄ボタンと違い、使えば使うほど磨かれ、鈍く輝きます。
しかし、使用しない時期が続くと酸化し黒ずみます。(磨けば再び輝きを取り戻します)
トップのボタンは、AiiRO DENIM WORKSの太陽ロゴに、ブランド名を細かく彫刻しています。
中心部は真鍮製のリベットを使い、太陽のイメージを強調するようアレンジしています。
同じく、シルバー925で作られたネオバボタン。
太陽ロゴ+中心の真鍮パーツで構成されています。
コンビネーション・リベット
今回のモデル・Cherokee(チェロキー)で使われるリベットは全てが「剥き出しリベット」です。
凸側はカッパー(銅)素材を使い、受け側は鉄を使用。
シルバー925のオリジナルボタンの配色(シルバー+真鍮)と合わせたコンビネーションリベットを採用しました。
凸部分のカッパー(銅)は頭叩きで留めています。鉄と銅のそれぞれの経年変化が楽しめるかな・・・?
レーヨン製の織りネーム
腰部分に縫い付けた、レーヨン製の織りネーム。
経年変化させるため、あえてダメージの出やすい腰の内側に取り付けました。
レーヨンの退色や糸のほつれなど、経年変化をお楽しみ下さい。
ベースはキナリ(クリーム色)、ブランド名は濃紺、ロゴは山吹色。
レーヨン糸の退色後の姿を想像しながら、配色・デザインにもとことんこだわりました。
コインポケット
バックポケットと同じく、スマイルカットを採用したコインポケット。
このカットにより、これまで小さく使い辛かったコインポケットの利便性が大きく向上しています。
2色の綿糸の並走縫製はここでも採用しているので、その経年変化をお楽しみください。
コインポケットの生地裏全体をスレーキで補強しています。
スマイルカットの特性上、この部分にセルヴィッチ耳は出ていません。
サイドに走るステッチは補強のためと同時に、デザイン性も持たせるため、
一般的なTシャツを着ていてもチラッと見えるくらい長めに、バナナイエローの太い番手の綿糸で縫製しています。
スレーキデザイン
ジーンズのスレーキには、サードウェーブジーンズにかける想いを不滅インキでスタンプしました。
デザインのイラストはネイティブアメリカンの女性が、当時ジーンズを縫製していたら??という架空の設定で描きました。
着用&洗濯を繰り返すことで、このスタンプがかすれていく経年変化もお楽しみ下さい。
ワンウォッシュ後
ファーストウォッシュをすると、弱テンションで織りあげたデニム生地の目がギュッと詰まり、
生地のザラ感がさらに強調されてきます。
ドライ感のある、カラッ・ザラっとした履き心地です。 また、色も深い青味のインディゴに変化します。
着用&色落ち画像
このCherokee(チェロキー)CRK-018の着用&色落ち画像は
Instagramとこのブログにて随時アップしていきます。
お楽しみに!
今後のスケジュール(予定)
〜2017年9月30日 先行予約締め切り(ノベルティが無くなった際には先行分は早期終了)
2017年10月31日 最終オーダー締め切り
2017年12月上旬〜 随時納品
販売価格など、現在最終調整中です。
ノベルティだけでなく、ジーンズの生産数にも限りがありますので、
事前の告知なくオーダーの早期終了の可能性があることは、予めご了承ください。
スケジュールも含めて決まり次第随時、ブログにてお知らせいたします。
尚、現時点では、上記スケジュール以外での再生産は予定していません。
最後に。
個人という立場で、業界のしがらみや固定概念に縛られない自由な発想で企画するサードウェーブジーンズの楽しみを知ってもらいたい、
このブログを参考にして、同じようにジーンズを企画する人が沢山出てきて、
新しい発想で作り上げるジーンズでジャパンデニムを盛り上げてもらいたい。
その思いで始めたこの企画。
今回、私自身が楽しみながら、またクオリティも一切の妥協をせず、
沢山の技術者、職人さん、工場さんのご協力を頂き、
いちデニムファンの目から見ても素晴らしいものが出来ました。
XX typeなど、、、既に世にあるものを作っても意味がないので、
メーカーさんがやらないような特殊なディテールもこのCherokeeでは多数採用していますが、
そんなのも「面白いね」という気持ちで経年変化を楽しんで頂けると幸いです。
アパレル不況と言われる昨今ですが、
このジーンズは別!
私自身、メーカーとは思ってませんし、アパレルとも思っていません。
モノ作りの過程も、履き込む過程も、その結果手に入れる最高の色落ちも、
全てエンターテインメントとして楽しんでください。
Cherokeeの着用サンプル & 購入特典
Cherokeeの着用サンプルはこちらをご参考に。
また、Cherokeeの販売を記念して、限定数ですが購入特典も作成しました。
この個人が自由な発想を用いて作るサードウェーブジーンズがきっかけで
「ジーパンってやっぱり面白い」という人が増え、
「日本のモノ作りのクオリティすごい」という人が増え、
結果、日本のデニムづくりの現場に少しでも貢献できれば幸いです。
Indy(インディ)
最近はインスタもマメに更新中なので、宜しければフォローください↓
本日もご一読、ありがとうございました。