こんにちは、インディ(@aiirodenim)です。
今回の10oz denim shirtは、その名の通り10ozのデニム生地を採用しています。
縦落ち感の強い、面白い生地です。
ただ通常、この手のデニムシャツ(ウエスタンシャツ)に使われるのは8oz前後のデニム生地です。
10ozということで、通常のデニムシャツよりもヘビーになります。
生地を組成する糸が太いため、8ozデニムよりもハッキリした経年変化が期待できますが、
生地が重く、硬くなることは、着心地を損ねることにも繋がります。
着心地が悪くて、着用機会を減らしてしまっては、どれだけ良い生地を使っていても経年変化した姿を見ることができません。
今回のコンセプトの1つとして、
(10ozという通常のデニムシャツよりヘビーだけど)着心地の良さ
これを掲げて、細部のディテールの検討を行いました。
本日はその“着心地の工夫”に関して、シルエット以外のディテールの部分でお話ししてみようと思います。
10oz denim shirtの着心地の工夫について
肩ヨークの切り替え
今回の10oz denim shirt では、経年変化の良さは妥協せず、日常的に使える1着にするため、着心地の良さの追求は最も大きな考察ポイントの一つでした。
簡単に通常のデニムシャツ(=ウエスタンシャツ)の構造の大きな特徴を説明させていただくと、
前&後身頃の上部=肩ヨークの切り替え部分、そこが生地の2枚重ねになっているところにあります。
例えば、この部分です(↑私物の既成デニムシャツ)。
装飾の役割もありますが、二重にすることで、カウボーイたちの牧場労働を行う過程で必要な「補強」の役割を担っています。
ですが、私自身、様々なデニムシャツを着回す中で、どれも見た目以上に着心地が悪く、なぜかとても肩が凝るのに悩まされていました。
その原因の一つはこの部分にありまして。
二重にデニムが重なってることで、単純に分厚くて重いということ。
そして強度はあるけど伸縮がなく、突っ張った感じになり、体の可動域を制限してしまうこと。
8ozの生地を使っていても、肩の部分は二重なので、16ozの重さになっている訳です。
16ozといえば、ジーンズでもヘビーな部類です。
そのヘビーな生地がシャツの肩についているようなモノなので、着ていてラクではありません。
そこで、10oz denim shirtでは、この構造をやめることにしました。
これにより、いよいよウエスタンシャツの本質とは駆け離れて行きます(爆)
このシャツ、一体何なんでしょう…
こちらが、今回の10oz denimの前身頃の肩部分。
そして、
こちらが後身頃の肩部分。
ぱっと見は、違いは分かりにくいかも知れませんが、
前身頃・後身頃、それぞれの肩パーツ生地を、巻縫いでつなぐ形にしました。
生地を重ねず、切り替えを表現しているため、いわゆるウエスタンシャツタイプと比べると肩の部分に軽さと伸縮性が出ます。
すでに先日のLGCのイベントでこの商品を手にとって頂いた方も多いと思いますが、10ozのデニムシャツとは思えない着心地の理由は、この肩の仕様の工夫が大きいかと思います。
しかし、巻縫いの特性上、曲線が描けないので、デニムシャツにありがちな装飾的な曲線のステッチは無理でした。
ですので、前も後も、この切り替え=ステッチは直線での表現になっています。
伸縮性を加味したデニム使いとプリーツ
もう一つ、後ろ身頃の肩部分は、デニム生地を横向きに使っています。
これは珍しい仕様という訳ではありませんが、横にした意味合いとしては、デニム生地は縦方向の伸縮率が大きいため、肩の可動域を少しでも広くするためです。
また、こうすることで、肩の部分のデニムは縦落ちではなく横方向の色落ちをするので、経年変化の面白さが出てくるメリットがあります。
あとは、後ろ身頃にはプリーツを入れています。
通常のデニムシャツ(ウエスタンシャツ)はプリーツが無いので、とにかく背中が窮屈に感じていたので。
これで、背中の可動域の幅を持たせた訳です。
ラクです。
着ていて、本当に楽です。
次回に続けさせて頂きます。
本日もご一読、ありがとうございました。
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