こんにちは、インディ(@aiirodenim)です。
2018年の秋冬から、リーバイスは47年ぶりにブランドのアイデンティティの一つである赤タブ(ピスネーム)の表記を、スモールeからビッグEに変更をしました。
すでに店頭で並んでいる多くのリーバイスがビッグEに切り替わっています(LVCを除く)。
さようなら、スモールe。
そんな中、リーバイスがここ数年でアメリカ国内生産を一部復活させ、それらのモデルを【MADE IN THE USA】としてブランディングしてきたのは既報の通り。
あれ…これ見ると、以前は【MADE IN USA】としてブランディングしてたのに、いつの間にか【MADE IN THE USA】になってる…なんか、裏がありそう…。
ま、いいや。
そして、以前は「コーンミルズ社」が織り上げた米国産のデニム生地を使い、同生地を米国内で縫製する=MADE IN THE USAとしてラインアップしてきましたが、
2017年末にコーンミルズのWHITE OAK工場がなくなってしまったことで、今は米国産以外の生地が使われたモデルに切り替わっております。
ということで本日は、この2018年に各ディテールが大きくモデルチェンジをすることになった501® MADE IN THE USA(2018)を解説していきます。
目次
501® MADE IN THE USA ビッグE(2018FW~)
概要
シルエット:レギュラーフィット
ディテール:ボタンフライ・革パッチ
縫製:米国
定番の501® の中でも、米国生産モデルです。いわゆる「現行MADE IN THE USA 501」という言い方になるでしょうか。
これまでのMADE IN THE USAでは米国産のCONE MILESのWHITE OAK(ホワイトオーク)工場で作られたデニム生地が使われていましたが、この2018年後期モデルからは『Imported Materials(輸入された素材)』とだけ表記されるようになりました。
つまり、アメリカ以外の国で作られたデニム生地ということです。
現時点ではどこの生地かは不明です。
それでは、縫製を中心にディテールを見て行きましょう。
尚、このモデルは冒頭に説明の通り「MADE IN THE USA」のシリーズです。つまり、作りに米国らしさがあるか?がディテールのポイントになってきます。それがなければ、名前だけの「MADE IN THE USA」になってしまいますから。
シルエット
ジーンズのオリジンである501は、100年以上の歴史の中でシルエットを時代に合わせて常に進化させてきました。
その歴史の中で辿り着いた現行の501。流石のシルエットです。美しい。
レプリカに見慣れていると、この赤タブ+アーキュエイトステッチが新鮮に見えますね。
Levi’s Premiumと銘打たれたデニム生地
で、今作『Imported Materials』と書かれていたデニム生地を見てみましょう。色はどちらかというと濃くて黒に近いインディゴの染めがされていますが、生地の手触りは比較的均一な方だと思います。
ただ、手触りが均一だからと言って色落ちが悪い訳ではありませんから、実際に穿き込みをしなければ良し悪しの判断は難しいところ。
これまでのWHITE OAKタグは無くなりましたが、変わって革パッチのちょうど裏側にこの『LEVI”S PREMIUM』タグがつくようになりました。
このタグのデザインは好き。
このタグはこのデニム生地を使うモデルにつけられるのか、それ以外も全てにつけられるのかは不明。
こちらが裏側。
耳は赤耳。
繰り返しますが、見た目や手触り、綿の種類や産地などでデニム生地の良し悪しを100%判断することは出来ません。様々な要素が複合的に組み合わさって、色落ちの良し悪しに出てきますから。
私見ですが、手触りや染めに関してはカイハラが作るデニム生地に近いなぁ、という印象を持ちました。
※2018年12月23日 追記 / 2019年1月11日 表記更新
以前、この生地に関してヘイルメリーマガジン2018年11月号の中のカイハラの特集記事の内容をソースにカイハラ社製だろうと推測の記述をしましたが、読者さんから「Levi’s Japanの消費者サービス窓口では同商品のデニムはインド製という回答あり」という情報を頂きました。貴重なご情報、ありがとうございます(^^)
ヘイルメリーの記事内容と整合性が取れなくなりますが、501でもモデルごとに違うのかもしれません。インド製=アルヴィンド社製だとは思いますが会社名等は非公表だそうで、あくまでも参考情報として考えておきましょう。
前身頃のディテール
それでは、前面を見て行きましょう。
ボタンフライのボタンは現行と変わらず。
フロントはV字縫製。
コインポケット部分。
裏はミミ使い。
銅リベットは打ち抜き仕様。
リベット裏の刻印は【L.S & CO S.F】。
フロントは以上。
後身頃のディテール
続いて、見所の多い、後ろ側。
まず、革パッチ。
これはこの2018年後期から昔のバージョンに戻りました。詳しくは明日の記事で書きますが、直前の501は残念なくらいカッコ悪いデザインになっていましたからね。
これはOK。
革の素材感も悪くありません。きっとエイジングが楽しめることでしょう。
そして、この2018年後期から変更になった赤タブ(ピスネーム)。いわゆる「ビッグE」表記になっています。
裏も同じく。
スレーキ部分のスタンプデザインが変わりました。
現行の501のスレーキの素材って、随分と涼しげなものになってるんですね。ヴィンテージに見られる目の詰まった綿布ではなく、風通しが良さげなさらっとした素材。
バックポケット。
縦長で、各部の縫製が直線的になっています。
アーキュエイトの形に大きな違いは見当たりません。
ポケットは閂留め(バータック)仕様。
ポケット上部裏はシングルステッチ。
ベルトループ。
厚みの無い、薄いタイプのベルトループになっています。
腰部分にアメリカ国旗の織りネームが取り付けられています。米国製の証ということでしょう。
インシームはロックミシンで。えらく糸使ってるなぁ…。
尚、本作(501® MADE IN THE USA ビッグEのリジットモデル)の価格は16,000円(税別。)
【まとめ】米国で作った、普通のリーバイス。
さて、ここまで写真を見て、皆さんはどう思いましたか?
私の感想を言わせてもらうと…。
リーバイスがブランディングする、米国製の良さとは一体何なのか? と考えさせられる仕様でした。
ぶっちゃけ言っちゃうと、中国製・ベトナム製のジーンズの縫製と変わりません。
中国製の中に紛れてたら、この縫製を見て『MADE IN THE USA』と言える人はどれだけジーンズが好きなマニアでも皆無だと思います。
縫い方は直線的で画一的。
糸のアレンジも普通だし、どちらかと言うと生産効率を考えて、少ない糸バリエーションで作られています。
うそん…
期待出来るとしたら、あとはこのデニム生地の良さ=色落ちになりますけど、冒頭に説明の通りこのデニムは米国製ではありませんからね…。
そう、これはつまり、アメリカで作った普通のジーンズなのです。そう理解しましょう。
でもね…がっかりしてはいけません。
リーバイスさん、やれば出来るんです。
スモールeのmade in the USA…素晴らしい出来でした。
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無くなって、残念です。
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本日もご一読、ありがとうございました。
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