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製造:CONNERS SEWING FACTORY
監修:JUKE BOX / MR.KAKUI
COOPERATED:8 DAYS CITY RECORD
DIRECTED BY AIIRO DENIM WORKS
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固定概念に捉われず、デニムの新しい価値・新しい体験を提案することを目的に、CONNERS SEWING FACTORYとJUKE BOX、そしてAiiRO DENIM WORKSの3者が集まった【8 DAYS CITY PROJECT】。
そういえば、写真だけ公開していましたが、ディテールに関してまだ説明をして無かった【8DC-46SP】の限定ジーンズ。
わ、忘れていたわけではありません(汗)
今回のモデルは、大戦直後に作られたイレギュラーの多い時代の1946年の501XXの中でも「大戦中モデルと1947モデルの良いとこ取り」の奇跡のイレギュラー個体となったヴィンテージコレクター・角井氏の秘蔵コレクションをオリジナルにしています。

このモデルのオーナーである角井氏のご協力と監修の元…

CONNERS SEWING FACTORYの世界最高峰のヴィンテージミシン設備と、小中氏のヴィンテージ縫製技術で表現して頂くのが、【8DC-46SP】になります。

【8DC-46SP】のサンプルを手にした感想…
私も数多くのジーンズを興味本位で縫製まで細かく見てきましたが、ただ外見だけスペックを真似たアイテムとは次元が違う完成度となっています。
最近、小中氏のインスタグラムで曰く、「音楽家が音が音符に観えて聴こえるそうですが、僕も縫い目がミシンや糸、セッティングの明確な答えにしか観えなくなってきました。」とか…。
完全にゾーン状態にある小中氏であり、1946年当時に自身の魂をタイムトリップさせ、ステッチ=アートと言う位置付けで表現されているので、こだわりポイントを100%解説するのは難しいのですが…
今日から2回に分けて、外見的に目立つディテール部分を解説していたいと思いますので、どうぞ最後までお付き合いくださいませ。
目次
8DC-46SP ディテール解説(フロントサイド)
シルエット

シルエットは完成された501XXのストレート。説明不要でしょう。
腰回り概要

腰回りの様子。大戦前にはあった股リベットは大戦時の政府による物資統制により排除されましたが、大戦後もリーバイスはその仕様を復活させず、そのまま1947年モデルへと移行して行きます。この8DC-46SPも、パッと見は1947年モデルと変わりなく見えます。
フロントボタン類

トップボタンはCSF(CONNERS SEWING FACTORY)がONE PIECE OF ROCKで使用しているものを採用。
1945年までは大戦時の政府による物資統制の影響により、既製品のボタン=ドーナツボタンが使われていましたが、この1946年にはその物資統制が解けてリーバイスの501XXにもオリジナルボタンに戻った時代。
ただ、同年代でもまだドーナツボタンが使われている個体も発見されていますので、そのあたりの仕様の揺らぎがあるのがこの時代の面白いところですね。

小ボタンもオリジナルボタンを使用。Vステッチは角井コレクションのオリジナル46モデルを表現し、鋭角に取られています。

トップボタンの裏は鉄製亜鉛メッキを使用。

小ボタンの裏は無垢の鉄製2本爪。

フロントフライの裏側のデニムは切りっぱなし仕様となっています。
クインチ縫製

さて、再び正面に戻ります。
左右の腰横のサイドステッチ(通称:クインチ)が、左右で違うことが確認できるかと思います。これも、角井コレクションのオリジナル46モデルの表現です。
まず、長さが左右で違います。それだけでなく…

向かって左側は、太番手による「シングルステッチ」。

内側はこんな感じで、縫製糸が出っ放し。
そして…

向かって右側は、細番手による、「チェーンステッチ」。

内側は、こんな感じ。
角井コレクションのオリジナル46モデルを解析し、表現した、大変マニアックな仕様です。
数々のヴィンテージを解析してきた小中氏によると、このような左右のステッチの種類が違うもの1937〜大戦〜1946年〜1947年モデルのヴィンテージでも、稀に見られるとのことでした。
左右バラバラな作り方ってアメリカらしい雑な仕事だなぁ…と思いがちですが、それはどうやら違うかも。不思議なことに、その「稀に見られる左右のステッチの違い」の全てが上記のように、向かって左がシングル、右はチェーンということで、その当時一定のルールの元で縫われていたものだと考えられています。
現時点での小中氏の解釈は、右綾デニムのねじれ対策という説。そんなウンチクが語れる、マニアックな仕様。
混在リベット

戦後の物資統制が解除されたことで復活した刻印入りの銅リベットは、CSF(CONNERS SEWING FACTORY)刻印入り。

大戦後に復活した仕様である、コインポケットのリベット。しかしよく見ると…刻印のアリ・ナシが混在しているのが、分かりますか?
角井コレクションのオリジナル46モデルの個体では、コインポケットの一部に無刻印のリベットが使われていました。完全なイレギュラーです。

戦後、まだ生産体制が整っていない中で、リベットのようなパーツも大戦時の在庫が混ざっていた?使い切るまで採用し続けた?ものと思われます。そんな動乱期の証であるリベット混在のイレギュラーをここで表現しています。
フロント&コインポケット


コインポケットは耳付き。尚、ヴィンテージの中には耳なしのコインポケットも有りますよ。

フロントポケットのスレーキは、オリーブカラーのヘリンボーンを採用しています。このルックスはやばいですね。。。
大戦モデルでたまに見られるこのスレーキのヘリンボーンですが、ヘリンボーンというアーミー御用達の素材が使われることで大戦らしさが爆発する「レア&かなりかっこいい」仕様でした。

大戦後の1946年になり、物資統制が解かれて本来は元の綿布のスレーキが使われる時代なのですが、角井コレクションのオリジナル46モデルにもまだヘリンボーンが採用されていました。レアなイレギュラー。狙ってもそう簡単に出会える一品ではありません。その仕様を表現されています。

CONNERS SEWING FACTORYのユニオンチケットが付属。

そして、今回のプロジェクトの証を不滅インクでスタンプしました。このスタンプの下部に、オーダー毎の通し番号が入る予定です。

ポケット内部は切りっぱなしになっています。マニアックすぎる(爆)

大戦時は歪に縫製されてることの多いコインポケット ですが、この1946では非常に綺麗に縫製されています。このあたりはジーンズの完成形と言われる1947年モデルへ向かう過渡期にあることが分かる仕様です。
明日はディテール解説、Part2。バックサイドと生地などのディテールへと続きます。
ここまで多くのコダワリを詰め込んでいるのに、販売できる数が激少とか…正気の沙汰ではないと思います…。
尚、本商品の予約開始は2018/6/16からとさせていただきます。予約方法は6/16のブログにて。
最近はインスタもマメに更新中なので、宜しければフォローください↓
本日もご一読、ありがとうございました。
初めまして、コメント失礼します。
こちらのプロジェクト、数にかぎりのある大変貴重なものですし
より多くの人に渡ることの方がコンセプトに合うのは重々承知なのですが
やっぱり予約はお一人様1点限りなのでしょうか?
自分で育てるものと
いずれ子供に譲るものの
2本予約などはできるのでしょうか?
>通りすがりの さん
メッセージ、ありがとうございます。
ご質問の件ですが、1人1点とはまだ決めておりませんが、明日以降の予約状況を把握した上で、お一人様1点ずつ、とさせていただく可能性は高いと思います。
まずは明日、とりあえず希望をお受けする形を取らせて頂き、後日調整とさせて頂きますのでご了承ください。
私も通りすがりの さんと同じく、複数本数、欲しいところだったりします(笑)実際、手に入れても、穿き込みするべきか、保管するべきか、悩みどころですよね・・・。
ご回答ありがとうございます。
可能性は0じゃないと信じて今晩中に妻を口説き落として購入許可をもらわねば!