=========
製造:CONNERS SEWING FACTORY
監修:JUKE BOX / MR.KAKUI
COOPERATED:8 DAYS CITY RECORD
DIRECTED BY AIIRO DENIM WORKS
=========
固定概念に捉われず、デニムの新しい価値・新しい体験を提案することを目的に、CONNERS SEWING FACTORYとJUKE BOX、そしてAiiRO DENIM WORKSの3者が集まった【8 DAYS CITY PROJECT】。
本日はディテール解説のPart2。バックサイドと生地などのディテールです。
尚、ディテール解説のPart1は以下からご参照下さい。
目次
8DC-46SP ディテール解説(バックサイド)
シルエット
説明不要の完成されたストレートシルエット。細かいディテールを見ていきましょう。
デニム生地
使用デニムは、ONE PIECE OF ROCKのS409XXX M-WW2でも使われている、ヴィンテージから糸解析して大戦モデルのために開発したCONNERS SEWING FACTORYのオリジナルの13.5ozを使用しています。
大戦モデルの特徴である黒味が強い濃紺デニム生地で、穿き込むことで濃淡差のある美しい色落ちが期待できます。この写真からも自然なムラ糸が見て取れると思います。
耳は薄桃色。縮率は約7〜8%と、がっつり縮む生地になります。
バックポケット&ピスネーム
バックスタイルの外見の特徴として、まずこのポケットの取り付け位置が若干、高めになっています。1947年になるとこの位置が下がりますから、まだ大戦時の仕様を引き継いでいる箇所です。そして左右のポケットの角度が不揃い。角井コレクションのオリジナル46モデルを表現しています。
尚、小中氏は全ての縫製工程においてアイロンを使わない「手曲げ縫製」の技術を駆使し、ヴィンテージの物作りを表現します。このポケット部分の縫製でも、内側への折り込みは全てアイロン無しで仕上げていくため、自然な歪みとウネリが発生。これがヴィンテージと同じアタリを生み出していきます。
その縫製の様子もぜひ、全ての個体の映像に収録していきたいと思いますので。
レーヨン製のピスネームはONE PIECE OF ROCKのものを採用。
片面タブ、つまり裏は無地のモノになります。取り付け位置は気持ち、下目。大戦時〜1947年の過渡期の仕様の揺らぎですね。
ポケットのキワの縫製は抜かずの折り返し。また隠しリベットをギリギリで避ける縫製表現が使われています。
革パッチ
ONE PIECE OF ROCKで使われている鹿革パッチを仕様。今回のロット名【8DC-46SP】を不滅インキでスタンプします。
縫製
ヒップの巻き縫いによるダブルステッチの箇所はオレンジとイエローの色違いの綿糸。全体の縫製にはイエローの綿糸が使われている中、ここだけオレンジを採用。
今回、オーダーを頂いたものは1本ずつ小中氏に縫製いただくのですが、それってつまり、1本を縫うごとにこの巻き縫いのミシンの糸の設定を変えると言うことですよね。これ書きながら気づいてしまいました。小中さん、、、すみません、、、。
尚、この縫製糸は全て、CONNERS SEWING FACTORYがアメリカで染めまで行っているオリジナルの綿糸になります。
このヨーク部分の巻き縫い箇所、縫い上げたばかりの状態でもすでに凹凸が見られます。ヴィンテージミシンを適切な設定で小中氏が扱うことで、自然にこのような表現が見られます。
作品の全ての箇所で言えることですが、振動が大きく取り扱いの難しい「暴れる」ヴィンテージのミシンを小中氏が操り、アイロンを一切使わず縫製することで、各所に自然な歪みが出てきます。
小中氏が常に、当時の物作りの「再現」では無く、「表現」と言う言葉を使われる意味がここにあります。表面上だけではなく、背景とプロセスも含めて生み出される結果のアートであると言うことです。
尚、一言でヴィンテージミシンと言っても様々な種類がありますが、小中氏の所有する多くのミシンは普通の縫い子さんが簡単に扱える代物では無く、メンテナンスも大変。故に量産工場ではとても採用が出来ないミシンばかりでした。
隠しリベット
隠しリベットは鉄製+銅メッキのドーム型。使用による経年変化により、メッキが剥がれてきます。その頃にはリーバイスのヴィンテージと全く見分けが付かなくなるのでは無いでしょうか?
隠しリベットの上部にあるカンヌキ留めは、大戦期を経てこの1946年製造モデルで復活した仕様の一つ。
ベルトループ
そして、極め付けはこのベルトループ。大戦期に稀に見られる極太のもの、幅18mmです。
大戦期のヴィンテージでも実際には15mm幅の個体の方が多いと思います。しかし、この角井コレクションのオリジナル46モデルを見ると・・・
下手すれば18mm以上ある、極太。1946年のスペックとしては非常にレアであり、非常に…カッコいい。
この角井コレクションの46モデルが、いかに大戦モデルと1947モデルの「イイトコどり」のイレギュラー個体であるかと言う点が分かるスペックです。
まとめ
ヴィンテージコレクターの角井氏所有の1946年の501XXイレギュラー個体を、
ニードルワークアーティスト:小中氏が解析し当時の物作りの仕様を解釈し、
現代に表現するのがこの【8DC-46SP】となります。
キバコヤさん制作の保存版Wooden Boxと、
小中氏によるオーダー品ごとの縫製作業のライブ映像が付属。
デニムの新しい楽しみ方であり、物作りの新しい価値のご提案になります。
いよいよ、明日6/16から予約開始。価格は48,000円(+税)。
尚、上記で説明した仕様ですが、細かいステッチワークなどは、ヴィンテージミシンを使用する生産工程の性質上、写真と全く同じにはなりません。それらも当時と同じような「個体差」としてご理解頂き、お楽しみ下さい。
今回は非常に限られた生産数ですので、手に入れられ無くても…恨みっこ無しでお願いします。
それでは、また明日。
最近はインスタもマメに更新中なので、宜しければフォローください↓
本日もご一読、ありがとうございました。
コメントを残す