こんにちは、インディ(@aiirodenim)です。
暦の上では、5月6日から「初夏」となります。
そう、夏、到来。
その夏のワードローブとして気になる、アロハシャツ(ハワイアンシャツ)。
アメカジ好きにとっては定番のワードローブではありますが、もともと1930年代以降の「ハワイのお土産」として広がったシャツなので、柄が他のシャツと比べて特徴的かつ刺激的。
つまり、ヴィンテージの復刻モデルというのは、当時の「お土産の復刻」な訳です。ファッションアイテムではなく、お土産。
そういう背景があるので、アロハのヴィンテージレプリカって通常のファッションに取り入れるのは、私は難しく感じています。
シャツ単体で見ると、かっこいんです。そりゃそうです、シャツ単体が「お土産」として作られたものだからです。ところが、実際に着ると「ちょっと違う」感が出てしまうことが私自身、少なくありませんでした。
せっかく買った高いレプリカだし、周りからは微妙な評価でも、自分自身で無理やり「これ、良いものだ、かっこいい」と言い聞かせて着てることって、皆さんもありませんか?
SUN SURFやマッコイズなど、レプリカ系のアロハを一通り所有した上で、そんな苦い経験を繰り返してきた私。
…そんな私の中で今、「過去のヴィンテージのレプリカ」よりも、着やすくってかっこいいんじゃない? と盛り上がってきているのが、将来のヴィンテージ候補となり得る本場ハワイの「現行ブランド」。調べていくと実に多種多様なブランド・名作・傑作があります。
本日はその中の一つ。
本場ハワイのブランド『Avanti(アヴァンティ)』の一着をレビューしてみたいと思います。
目次
アロハブランド『Avanti(アヴァンティ)』とは?
ハワイ現地のアロハシャツブランド。海外のセレブにも愛用者が多く、あのブルーノ・マーズも愛用しています。
アロハシャツの黄金期の1930~50年代のヴィンテージの再現の評価も高く、また特徴的なシルクを使ったアロハシャツラインもブランドの地位を確固たるものにしています。
世界のファッショニスタが注目する理由は、過去のアロハに囚われ過ぎず、シルエットやデザインのセンスが現行アロハブランドの中でも素敵だからでしょう。
過去のデザインの復刻もありますが、ハワイ島の風を感じさせる独特のアートを描く前衛的なデザイナーを起用した新しいデザインもあり。
今、勢いのあるハワイアンブランドの一つです。
日本でオフィシャルで買えるところは存じ上げませんが、楽天などで検索すると輸入販売しているところをいくつか見かけることができます。
Avanti(アヴァンティ)アロハシャツ『BOTANICAL ISLE』
本日レビューするのは、新作の一つ「BOTANICAL ISLE」。
柄の美しさと色味に一目惚れしてしまいました。
私たちの想像するアロハと違う珍しいポイントが、このシャツはボタンダウン&コットン100%という点です。この組み合わせはAvantiの得意とするパターンの一つ。
アロハといえばドレープの美しく出るレーヨン素材が一般的ですが、実際のところ洗濯などの取り扱いが難しい点が大きなデメリット。
ガンガン着込んでなんぼや!という私のような人にとって、洗濯が容易なこのコットン100%である点が非常に大きなポイントとなります。
ハワイの風を感じる、レトロな”AVANTI”のタグが可愛らしい。
私がこの一着を選んだもっとも大きな理由が、この襟元。ボタンダウンになっているのです。
一部文献では【アロハシャツとは「開襟」でココナッツボタンを使用したもの】、と定義するものがあるそうです。しかし、そもそもアロハシャツがこの世に広まって100年も経っていませんし、更にいえば伝統服ではなく「ハワイのお土産」から派生していった洋服という背景を考えても、日本人が外から無理やり定義付けするのはナンセンスだと個人的には思います。
ボタンダウンにすることで、ジャケットなどのミディアムアウター等のインナーとしても着用できるようになります。結果、コーディネートの幅が広がるアイテムに変身します。
ボタンは練りボタンが採用されています。
図柄を合わせたポケットの縫製。過去のディテールのフォローというよりも、全体の柄を美しく見せるためのディテールでしょうね。
美しいプリントですが、これは…
リバースプリントになっています。鮮やかにプリントされた生地の裏側を使って仕立てられた一着。
着用してみると、シルエットが現代的であることが分かります。既存のアロハシャツのカットとは随分と違います。
若干細身にアレンジされ、着丈も短めにカットされてますが、決して着心地を損ねていないのはさすが。
背面のシルエットのバランスも良い。海外のファッションピーポーが支持する理由が分かります。
ボタンダウンになることで、随分と印象が変わるものですね。
写真ではまだ生地がパリッとしてますが、コットン製なので着込んでクタッとなったくらいで丁度良い雰囲気になることでしょう。
尚、現地での価格は69USD。日本円で7,000円台。
このコスパ、やばいでしょう。
「ボタンダウンなんてアロハじゃ無い!」っていうのは、野暮なイチャモンです。なぜならこれは、本場ハワイのブランドが今、作っているものなのですから。
ボタンダウンのアロハ(ハワイアン)シャツの可能性
このAvantiは、今回紹介したモデルのようにボタンダウンのアロハを積極的に商品化しています。インナーとして使えるため、一着持っていればコーディネートのバリエーションが一気に増えると感じました。モノトーンのジャケットのインナーとしても面白そう。
アロハシャツの美しいテキスタイルは、ボタンダウンになってこそ真の魅力が引き出される、そんな気すらしています。
いわゆる開襟の、力の抜けた感じもいいんですけどね。
アロハの固定概念を壊す、Avantiのシルクモデル
Avantiには、こちらで紹介したコットンモデルや定番のレーヨン製も多く販売していますが、中でもAvantiが他のブランドと大きく違う得意分野として「シルク」で作られたラインがあります。
軽い着心地と美しい発色のシルクを使ったアロハは、Avantiの看板商品の一つにもなっている人気ラインです。
Avantiはこのシルクモデルを堂々と「made in China」としてリリースしています。
これだけ聞くと、日本人的には「え?」ってなると思いますが、シルクは中国では「チャイナドレス」でもお馴染みの歴史ある素材。古来よりシルクを使った衣服、その生地への染色が盛んに行われていた中国では、非常にクオリティの高い生地を作り出すことができます。
シルクへの染色がmade in Chinaである、ということは決してネガティブな言葉ではなく、むしろ本場で質の良い染色を行うことを意味します。
日本人としてはmade in USAこそが正義である、という風潮がありますが、本場ハワイにおいてそんな固定概念を壊し、新しいものを作るという職人気質なブランドがあるというのは、面白い事実です。
【まとめ】現行ブランドはもっと面白くなる。
今日の記事で知って頂きたいのは、日本には海外のアロハシャツ情報があまり入って来ない(雑誌が取り上げない)という事実です。
積極的に調べて見れば、過去のアロハをリスペクトしつつも、ニュージェネレーションな発想を持ちつつ真摯に物作りを行うアロハブランドが海外に色々あることに気付きます。特に、今日のAvantiのようにハワイ現地の現行ブランドの物作りには「説得力」があります。
しかも、そんな現行ブランドのアロハシャツは、お値段もそれほど高く無い。
私は以前、SUN SURFのヴィンテージアロハシャツ展を見に行きました。(その時の記事↓)
そこで、とにかく驚いたのは、SUN SURFが作り出すレプリカが、如何に本物のヴィンテージを研究し尽くして再現されたものであったのか、ということ。
生地の再現性も当然ですが、タグや縫製に到るまで、並べられると本当に見分けがつかないレベルでした。古き良き過去のアイテムの再現という意味では素晴らしいという言葉以外ありません。
しかし、アロハシャツは昔のものが全てではありません。
ハワイの地に根ざしたブランドが、ハワイの風を感じながらクリエイティブで新しいコレクションを次々と生み出しています。
それももちろん「アロハシャツ」であり、これらの中から将来のヴィンテージ候補となるものが現れることも当然あるでしょう。
機会があればぜひ、Avantiをはじめとした、現行のアロハのことをちょっと調べてみては如何でしょうか?
最近はインスタもマメに更新中なので、宜しければフォローください↓
本日もご一読、ありがとうございました。
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