こんにちは、インディです。
いわゆるmade in Japanのレプリカ系ジーンズ(=プレミアムジーンズと呼ばれたりしますが)では色々と『お約束』の仕様、というのがあったりします。
そのうちの一つが、ベルトループ。
真ん中の部分が盛り上がって立体的になっている「中高仕様」と呼ばれる縫製です。
一言で「中高仕様」と言っても、実に多種多様なやり方があります。
皆さんがお持ちのジーンズを何着か見比べて見てください。
厚み、硬さ、見た目、微妙に違いませんか?
理由は、使っているデニム生地の違いもありますが、縫製の仕方の違いによるところが大きいのです。
縫製の仕方と言いますけど・・・そもそも、一体どうやって「真ん中が盛り上がって」いるのかご存知ですか?
そこで今回は、オリジナルジーンズのCherokee(チェロキー)で採用しているベルトループの縫製を例にとってご説明しましょう。
ベルトループの中高仕様の縫製方法
これがそのベルトループ。
イエローの綿糸に挟まれた中央部分が盛り上がり、立体的になっています。
この縫製に使う糸、運針数などはミシン側の調整で可能ですが、
この「ベルトループの幅」と中高の「盛り上がり方」は縫製工場のノウハウやクセ、それに所有している設備(ベルトループを縫う時に使うラッパと呼ばれる、ミシンに取り付ける器具)の種類で、出来る・出来ないというのが多少出てきます。
では、ベルトループの断面を見てみましょう。
チョッキン!
断面はこんな感じ。
これはあくまでCherokee(チェロキー)のものですが、どうでしょう。分かりますか?
分かりやすいように、生地の断面に赤線引いて見ました。
左右の両端部分は生地が2枚重ねですが、、、
真ん中部分は6枚重ねになっているのが、分かりますよね。
この6枚重ねの中心部分が、いわゆる「中高」の部分になるのです。
プレミアムジーンズで数々採用されているベルトループの「中高」仕様ですが、この重ねが4枚のところがあったり、5枚のところがあったり、それぞれ違います。
当然、見栄えや手触り(硬さ)、風合いが変わってきます。
どれがいい、というわけではありません。
企画者側が、どのように意図して作っていくか、というだけで。
低単価なジーンズの場合、ベルトループの厚みがなくペラペラですが、それはただ生地を2枚折にして縫製しているだけだからです。
裏面はこんな感じ。
ベルトループ用の専用ミシンを使うことで、ベルトループの生地の両端をかがり縫いして合わせているんですね。
縫い目のなんと、美しいことでしょうか。
なお、Cherokeeでは上糸、下糸で綿糸の色を変えていて、ご覧の通り上糸はイエロー、下糸はオレンジの綿糸を使っています。
Cherokeeのベルトループの色落ち。表情豊かな雰囲気になっています。
たかがベルトループですが、構造を理解してみると、ジーンズを眺めるのが更に楽しくなると思いますよ。
本日もご一読、ありがとうございました。
コメントを残す