こんにちは、インディです。
目次
最高品質の帆布=「倉敷帆布」
帆布の一貫生産を行う、丸進工業
倉敷は、日本国内生産の7割のシェアを持つ『帆布』の生産地です。
そして、その倉敷の帆布のほとんどを、
本日紹介する「丸進工業」が地域一体となって生産しています。
つまり、日本最大の帆布工場=丸進工業です。
その丸進工業の帆布は、現在『倉敷帆布』として、
そのクオリティが高く評価されています。
そして、私もその品質に魅了された一人です。
とはいえ、外国産の安い帆布(キャンバス)が私たちの身の回りに溢れており、
国内産の帆布=「本物の帆布」を手にしたことがある人の方が少ないことでしょう。
(外国産のキャンバスは、実は帆布ではなく、綿布というカテゴリー。)
丸進工業の帆布=倉敷帆布は、
全てが職人の管理の元、旧式織機でゆっくり、そして力強く織られた耳付きのセルヴィッチ生地であり、
コシの強さ、手触り、風合い、何よりも耐久性が全く別物です。
帆布で有名なバッグで「**帆布」などのブランドを良く見聞きすると思いますが、
この丸進工業の帆布を仕入れて使っていることが多々あります。
帆布製造業を取り巻く環境
外国からの安価な輸入品により、たくさんの機屋さんが廃業していく中、
メイド イン ジャパンクオリティを守る、数少ないブランドが倉敷帆布で、
その製造を一手に引き受けているのが丸進工業です。
しかも、昔ながらの製法を実直に継続し、
効率よりも「質」を高めることに重きをおく、世界でも杞憂稀な「帆布職人」なのです。
そのこだわり方は尋常ではなく、
糸を撚るところから全ての工程を自社工場で完結させられる設備を取り揃え、
徹底したクオリティ管理を行っています。
帆布の定義
外国産の安価なキャンバスとの違いは、セルヴィッチの有無だけではありません。
国内での帆布の定義は、一定の太さ以上綿糸を「2本以上」撚ったものを縦糸か横糸に使って、織られた生地のことを言います。
(→このため、外国産の安いキャンバスは帆布ではなく、綿布というカテゴリーになります)
この糸の撚りの本数が多くなる=生地を織る糸が太くなると、
帆布も厚く、重く、丈夫になります。
よく生地の説明で「8号帆布」などの記載がありますが、
この号数が小さい数字であればあるほど、厚く・重い生地です。
今回、オリジナルジーンズと関係する、とあるプロジェクトの打ち合わせのため
この丸進工業の、オフィス兼工場を見学させていただきましたので、その様子をお伝えします。
倉敷帆布を作る工場を見学する
丸進工業の工場は、児島と倉敷の中間あたりの地域にあります。
この一帯は丸進工業とその関係会社が多く存在し、組合を形成して、
地域全体が「帆布」の地域になっています。
このダンボールの中には、綿糸が入っています。
丸進工業はこの綿糸から、帆布用の糸を紡ぎ、そこから全ての工程を自社で行なっています。
今回、工場をご案内頂いた、蒲生さん。帆布の生産に長く携われてきた職人さんです。
今回、工場で行われている工程や機械の隅々までご丁寧にご説明いただきました。
こちらは糸を撚っているところ。
撚った糸を「チーズ」と呼ばれる、糸巻き状態にしていきます。
この部屋では、糸を合わせて、様々な太さの帆布用の糸を作っています。
糸を作るところから生地を織れる工場は、日本全国の中でもかなり希少な存在です。
この工程で、帆布のベースとなる、こだわりのキナリの糸ができます。
糸の段階でもざっくりとした風合いが感じられます。
昔ながらの作り方をしているため、常に機械のメンテナンスが必要。
生地を織るためのロールに、先ほどの糸を巻きつけていきます。
ここは、糸を織機にかけて、織る作業の準備をする工程。
糸、一本一本を織機に穴に通す、気の遠くなるような作業。。。
写真はオーダーメイドのストライプ柄の帆布で、色ごとに糸の本数、場所の指定があるため、さらに時間がかかるもの。
ここは旧式織機のある大部屋。
なんと、セルヴィッチ付き生地が織れる旧織機が、実に60台も並ぶ、圧巻の部屋。
相当な台数が同時に稼働しており、音がすごい。。。
シャトルが行き来し、轟音をたてながらも、ゆっくり帆布が織られていきます。
その表面の荒々しさ、ざら感、その不均一さがもたらす「美しさ」。
五感に響く、工芸品のような生地が織りあがっていきます。
ジーンズも同じですが、すでにこれらの旧織機は生産がされていないため、
故障した際に、交換パーツを手配することができません。
よって、廃業した工場や故障して廃棄された機械から様々なパーツを分解し、保管してあるとのこと。
未来永劫、続く製法ではありません。
だからこそ、価値があるとも言えます。
先ほど、糸をセットしたストライプ柄帆布も見事な生地に織りあがっています。
ただ、このような色生地を織る時には、色のついた糸くずが空中に舞い、
隣の織り機に付着して生産に影響を与えてしまうことがあるそうで、その点でも気を使うそうです。
織りあがった生地は「一反」というサイズでカットされ、出荷を待ちます。
取引先に出荷されることもあれば、自社の帆布製品として縫製に回されるものもあります。
帆布の良い香りが工場に充満しています。
「倉敷帆布」のショップ
「倉敷帆布」というブランドは、丸進工業のグループ会社が運営しています。
工場の目の前に、倉敷帆布のお店がありました。
帆布を使った新しい製品を模索しており、壁紙に帆布を使う提案が素敵でした。
『倉敷帆布』はオンラインショップもあります。
本物の帆布を使ったプロダクトを生活に中に取り入れたい方、
ぜひチェックしてみてください。
帆布はデニムのスレーキに合うのか?
以前、オリジナルジーンズのポケットの内側に使われる生地=スレーキに
この帆布を使おうか、と考えていた時がありました。
それくらいザラ&暖かみのある、手触りがすばらしい一品なので。
しかし、この「本物の帆布」は縮率が高く、
また、ゴワゴワ感も強いので、
頻繁に洗濯をするジーンズのポケットとして使うには不向きでした。
しかし、一人でも多くの方に、
この倉敷で織られる最高の帆布に触れる機会を提供したい・・・。
そこで、とあるものに使うことにしました。
このオリジナルジーンズプロジェクトを通じて、
たくさんの方のご協力を得ることができ、
色々なものが、面白い方向に進んでいます。
この倉敷帆布が、オリジナルジーンズプロジェクトで、どのように使われることになるのか???
・・・これは、、、最後の最後まで「内緒」にさせていただきます(^^)
本日もご一読、ありがとうございました。
ぜひTwitterもフォローくださいね。