こんにちは、インディです。
私がこのサイトで目指しているのは、
メーカーではなくとも、デニムファン個人でも自由な発想でオリジナルジーンズを企画し
世界に発信していく「サードウェーブ ジーンズ」のカルチャーを広めることです。
企画し、世に出すまでの手順、方法は大体分かってきましたが、
素晴らしい経年変化を見せるジーンズを作るためには、
じっくり時間をかけて生地やサンプルのテストをする必要があります。
しかし、メーカーでは無い個人では、(日頃はスーツなど)本業の兼ね合いで着用テストや、生地の経年変化の研究する時間が圧倒的に足りない・・・。
個人という立場で、どうすれば効率よく経年変化のテストが出来るだろうか。
そう思い、以前、こんな記事を書きました。
そんな中、約2ヶ月におよぶデニム生地の経年変化テストの結果を見て、三種類のデニム生地をピックアップしました。
このデニム生地の中から、
AiiRO DENIM WORKSのオリジナルジーンズに採用する「最高の1枚」を選ぶため、
テストを行うツールとして開発したのが今日お話しする『デニム色落ちテスト小物ケース』です。
目次
【デニム色落ちテスト小物ケース】
外観
A面。
B面。
〜コンセプト〜
ジーンズの色落ち・経年変化をチェックするための要素をギュッと小さく凝縮、
どのような方でも「日常的に持ち歩いて経年変化させることができる」物を作ろう。
A面「デニム生地のアタリチェック」
この小物ケースでは、表・裏、それぞれで、担う役割が違います。
仮に「A面」と名付けたのがこちら側。
バックポケットのミニチュア版。本当に中にものを入れることが出来ます。
飾りステッチは仮で入れました。小さいですが、ミシンの運針数は本番と同じです。
レーヨン製の赤タブ(ピスネーム)。
2枚同じものをつけていますが、
この出し幅が上と下で微妙に違います。
上が6mm、下が7mm。
下の方が上よりも1mm余分に出しているの、わかりますか?
これにより、見た目だけでなく、レーヨンのピスネームの経年変化=丸まり加減のチェックを行います。
この中途半端な位置に入っている縫い目は、セルヴィッチデニム生地の耳のアタリのチェックツールです。
内側はこんな感じになっています。
耳の縫い代は8mm指定しました。
世間一般に多い「耳」よりは、若干ナローなスタイルにしました。
今回のテストで、デニム生地の色落ちは当然ですが、
もう一つ重要視しているのが縫製糸とデニム生地の相性です。
この写真のポケットの、右半分と左半分で、縫製のピッチ(運針数)が違うのが、わかりますか?
左が12針、 右だと9針。
どちらのピッチの方が良いアタリが出るか、見た目はどちらがかっこいいか。
このテスト結果を踏まえて本番に実装します。
縫製の糸の色、番手、そしてピッチによって、ジーンズの見た雰囲気がガラッと変わるんです。
例えば…
このツールの、右半分だけみるポケットの姿と、
左半分だけみるポケットの姿。
だいぶ、印象が変わりますよね。
B面「綿糸の経年変化テスト」
裏返したこの「B面」では、主に綿糸の経年変化の確認と、
綿糸のデニム生地との相性、そこから導かれるベストな番手とピッチを選ぶための役割を盛り込みました。
革パッチの経年変化のテスト。
このステッチが格子状に入っているところは、今回、非常に重要なパートです。
これで綿糸の経年変化のテストと同時に、
番手(太さ)とピッチ(運針数)とデニム生地との相性のテストを行います。
格子状にしているのは、デニム生地の織り目に沿って縦・横、それぞれでステッチの沈み込み方を確認するため。
例えば、手前のオレンジ色の綿糸は6番手、一つ奥が20番手、その奥が30番手。
これが後々、どのように変化していくでしょうか。
そして、どれが一番、デニム生地との相性がいいかな?
同じピッチ(運針数)でも、番手(太さ)が変われば、でここまで印象が変わる。
デニム生地と綿糸には、相性があります。
右と左、デニム生地が違いますが、ステッチは同じものなのですが、、、
ステッチの色は、右側の方が微妙に鮮やかに見えませんか?
また、デニム生地はそれぞれ洗濯後の縮率が違うため、同じく収縮する綿糸との組み合わせ次第で、あたりの良し悪しも決まってきます。
故に、たくさんテストしないと、わからないってポイントです。
同じポーチ、縫製仕様を、3種類のデニム生地でテスト
最終選考に残した3生地で、この「デニム色落ちテスト小物ケース」を制作しました。
これを3つ同時に使用し、経年変化を細かく見ていきます。
あとでごっちゃにならないように、全て違うジップにしてもらいました。
パンツのポケットにぴったり入るように設計しています。
使い方
この【デニム色落ちテスト小物ケース】は日々持ち歩き、
デニム生地の色落ちの最終チェックだけでなく、
あたりの出方、赤タブ、革パッチの経年変化、
そして、綿糸の経年変化及び最適な番手とピッチの選定、これらを行なってチェックしていきます。
私は実際に、紙幣入れ、小銭入れとして使っていくので、
この経年変化の様子は継続的にお伝えしますね。
また、近日、この小物ケースの仕様書は誰でも無料で使えるようにしますので、
いつかジーンズを作ってみたい、、、と思われる方は、その前に、この仕様書をダウンロードし、ジーンズ作りの準備の一つとしてご活用ください。
本日もご一読、ありがとうございました。
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