こんにちは、インディです。
オリジナルジーンズプロジェクトの皇帝の中でも大切な要素である「デニム生地選び」。
今回、多数の生地サンプルの中から、慎重に一つ、選び出しました。
が、ぶっちゃけると、今回の私のチョイスにまだ自信がありません。
正解かどうかは、ジーンズの形にして、履いてみて、初めて答え合わせできるでしょう。
私が今回選んだのは、
13.5ozのジンバブエコットンのデニムです。
なぜ私がそれを選んだのか、本日は共有します。
目次
13.5oz、ジンバブエコットンのデニム
決定した理由その1)ジンバブエコットン

デニム生地はコットン(綿花)で作られます。
コットンは世界中で生産されている作物ですが、このコットンの配分で、履き心地やインディゴの色落ちも変わってくるから奥が深い世界です。
通常セルビッジのジーンズは、過去のリーバイスの色落ちの再現を目指す中でUSAコットンを使うことが多いですが、
ジンバブエコットンに関してはフルカウントが導入後、桃太郎ジーンズなど、使うブランドも少なからず出てきました。
ジンバブエコットンは通常の綿花に比べて綿花の繊維が長く、糸にした時に肌触りが良い&光沢感がある糸ができます。
また、通気性が良いのもの特徴の一つです。
「快適に毎日履けるジーンズ」が私の理想で、
また私物のジンバブエコットンを使ったジーンズがすこぶる調子が良いこともあり、この生地を選ぶ判断の一つとしました。
決定した理由その2)ジーンズの重さ・厚さ=13.5oz
oz=オンスはデニム生地の重さ・厚さの単位です。
昨今は15oz以上のヘビーオンスデニムが業界のブームになっていますが、
そもそもジーンズは労働着として活躍していた100年前でも12oz程度の厚さでした。
私自身、暑い東南アジアにいることが多く、狭い飛行機に長時間乗ることも多いため、「不快な着用感」のジーンズは、、、NGです。
なので、日常快適に着用できる、13~15ozの間で生地を探していました。
その中でも「13.5oz」は、私が希望していた数値ぴったりです。
ブランドで例を挙げると、ウエアハウスの現行の1001が13.5oz、
フルカウントの定番ラインが13.7ozです。
決定した理由その3)ムラ糸

デニム生地の糸の太さが不均衡=ムラがあれば、それだけ色落ちの差が激しくなります。
糸のムラ具合を見るためには、手で触る以外に、裏側を見るとわかりやすいです。
上の写真の、横に走る白い糸を見ると、太さが均一ではなく、太い糸と細い糸の差があることが分かります。
この不均一さが、ジーンズにおいて綺麗な色落ちを生み出します。
理由として、太い糸の表面が細い糸に比べて外部に接触しやすく、結果、糸の表面が削られ、色が落ち、それが美しい「縦落ち」を生むためです。
生産されるセルビッジのデニム生地の中には、上の写真の生地以上に、敢えて糸の差を大きく出したものも沢山ありますが、わざとらしい色落ちに見えることもしばしば。
要は好みの問題ですが、私自身はやりすぎない、自然なムラ糸による色落ちが好みです。
※通常の1万円以下の大量生産のジーンズの場合は生地の生産効率を高めているため、糸は均一で、結果、綺麗な縦落ちは難しいです。
決定した理由その4)染めの深さ

ムラ糸の調整で、ある程度の色落ちの傾向をコントロールすることができますが、染め方、特にその染めを糸に対してどの程度染めていくかで、色落ちのしやすさをコントロールすることができます。
例えば、短期間で色落ちを楽しむデニムを作る場合、糸の表面だけ浅くインディゴで染めます。
そのジーンズを、着用すればすぐに表面のインディゴが擦れて削れ、糸の芯の白い部分が露出するようにしておけばいいのです。
ブランドの中には1年間ほどではっきりした色落ちを見せるように作られているものがありますが、それはそういう色落ちをしやすい生地を使っているためです。
これは好みの問題です。
浅い染めで比較的早く色落ちをする生地は、
例えばお仕事の関係でジーンズを日常的に履けない方が気軽にジーンズの色落ちを楽しみたい、というニーズを満たしています。
私自身は、年月かけてしっかり履き込んで、結果として良い色落ちを見せるジーンズが理想です。
深い染め、つまり糸のなるべく芯に近い方まで染められている生地を好みますので、今回のものを選ぶ判断の一つとしました。
上の写真を見ると、かなり芯まで染まってますよね。
決定した理由その5)色落ち見本による「青味」の確認

一言でインディゴブルーといっても、いろいろな種類があります。
素直な青色に変化していくのか、または「赤みを帯びた」青色なのか、もしくは「緑がかった」青色なのか。
これも好みになります。
確認方法としては、ウォッシュサンプルを見ていく他ありません。
私の好みは「素直な青」。
ということで、今回選んだ生地のウォッシュサンプルは好みのど真ん中。
また、縦落ちの具合も、ムラ糸のところで述べた想定通り、やりすぎない綺麗な縦落ちです。
写真から、太い糸が白く縦に入っているのが見えますよね。
とはいえ、このウォッシュサンプルは加工で作られたモノですから、あくまで参考程度ですね。
決定した理由その6)有名な生地屋さんの作品
この生地を選ぶ前、生地サンプルの中にもう一つ候補がありました。
しかし、その生地は小さな工房で製作しており、今は生産を中止、いつ再生産するか分からないと連絡を受けたのです。
もし、そういう不安定な生産状況にある生地を選んだ場合、
サンプルまで作ったのに、いざ本番で生産できる生地が手に入らない!
追加で作りたい!と思っても、再生産ができない! という結果もあり得ます。
これでは実際に縫製にご協力をしてくれる工場の方含め、多くの人にご迷惑をおかけする可能性があります。
ノウハウがない個人がオリジナルジーンズを進める場合、予算にも限りがあるでしょうし、私のプロセスのようにサンプル作って、モノを確かめて、、、というのが王道だと思いますから、
即決でまとめて生地を購入できないようでしたら、生産が安定しない生地は選ばない方が無難ではあると思います。
今回の生地は日本の大手の一つの生地屋さんのオリジナルです。
まだ生地を変更する可能性があるのでそのメーカーさんのお名前は今は出しませんが、最終決定した際にはお伝えできる範囲の情報をシェアします。
サンプルジーンズを製作する
生地を決め、またボタンなどの副資材もほぼ出揃いました。
次の工程で、ようやくサンプルのジーンズ製作に移ります。
しかし、デニム生地はこれで最終決定とはしていません。
やはり、一度形にしてみて、履いてみて、初めて気づくこと・修正したいと思うことも出てくると思います。
今回はジーンズが1本縫えるほどの生地をサンプルとして購入させていただき、それを元にサンプルを作成をアパレルナンバの難波社長に依頼させていただきました。
その履き込んでみた結果、細部のディティールの再考含め、
生地を決定していきます。
注意)デニム生地の縮率
サンプル製作にも必要となるジーンズのパターンは、生地の縮率を加味して製作されています。
そして、デニム生地により洗濯後の縮率もかなり変わるため、デニム生地を変更する場合、縮率も変わる=パターンのやり直しの可能性もあることは念頭に置いておく必要があるでしょう。
検討時に悩んだデニム生地
今回は非常に悩みました。
もともと、UNION GARMENTさんには、13~15ozの生地で相談してましたが、それに合う生地サンプルが沢山出てきましたので。
その中でも、最終候補としたのが10枚ほどありました。
次回、番外編として、それらの悩んだものをご紹介します。
本日もご一読、ありがとうございました。
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