こんにちは、インディです。
私はこれまで、いちデニムファンとして数々のジーンズを見て、履いて来ましたし、
今ではジーンズの企画者としてジーンズの細部に渡り細かく研究して来ましたが・・・
価格以上の品質に驚き、思わず手にしてしまった一本を本日はご紹介。
多くのジャパンデニムブランドを取り扱う横浜のアメカジショップ「Denimio」のオリジナルジーンズ「W&W」です。
数々のアメカジアイテムに日々囲まれ、目の肥えたアメカジショップが企画したジーンズは・・・「超高コスパモデル」。
素晴らしいスペックを備えながらも無駄を徹底的に排し・・・なんと13,800円。
目次
W&W 15OZ タイトストレート(WAW-TS02 )
概要
・15オンス 岡山産セルビッジデニム(スーピマコットン・防縮加工済み)
・タイトストレート(made in Japan)
・月桂樹ボタン
・ジップフライ
・鹿革オリジナルパッチ
テーパードの効いた、シルエットが美しい一本。
股上が比較的ゆったり取られているので「タイトストレート」と付けられた名前ほどタイトさは感じません。
何よりバックポケットの形状のバランスが良い。 ・・・どこかのブランドさんのパターンをトレースしている??
このW&Wはアメカジショップが企画した所謂「ストアブランド」に位置付けられますが、ヒノヤさんのオリジナル「バーガスプラス」もそうですけど、お客さんの反応をダイレクトに見ているショップ故、売れ筋というか、求められているスペックがメーカー以上にわかるというのもあるでしょう。
どんなスタイルにも万能に合わせられる、出番が多い一本になっています。
レプ系ブランドに全く劣らない作り
このモデルの良さは、シルエットの美しさもそうですが、何よりも縫製や生地などのトータルの品質の高さです。2万円以上する数々のジャパンデニムブランドと比べても、全く遜色ありません。
後述しますが、「全体の品質」に影響しないピスネームやバックポケットのステッチなどの「飾り」を一切排したシンプルモデルです。
2つだけ、オリジナルの副資材(パーツ)が採用されています。
一つ目は薄く捌かれた鹿革パッチ。油分を含むことで茶色く変色 & 柔らかいシワが出る経年変化をすると思われます。
もう一つは、革パッチ裏部分に縫い付けた「W&W」の織りネーム。
逆に、この2つ以外のパーツは、すべて「既製品」と言う潔さ。
これで大きくコストを下げているのでしょう。
潔くシンプルに徹したディテール
世にあるストアブランドの多くは自分たちのオリジナリティを出そうと欲が出るのがほとんどですが、DenimioのW&Wはその色気を抑えて・・・
通常、ブランドさんが飾りとして使われるパーツの多くに「既製品」を使っています。
これで大きくコストをカットし、販売価格を下げているのだと思います。
トップボタンは見慣れた「月桂樹」。素材はおそらくアルミの既製品パーツ。
ユニバーサルジッパー。これも現行のもの。(尚、ユニバーサルは現在日本のYKK傘下)
刻印なしのプレーンな打ち抜き銅リベット。
リベットのコマの裏面にはユニバーサルの刻印。
特筆するに値するザラ感の強い濃紺デニム
結局のところ、ジーンズはデニム生地の良し悪しで「経年変化のかっこよさ」が決まるわけですが、その点で言うとこのW&Wのデニム生地は多くのブランドさんのデニムと遜色ありません。
15ozのこのデニムは強いザラつきがあり、コシが強く、また経年変化が楽しみな程非常に濃い染めがされています。
聞いたところ、ダブルダイ(インディゴの2回染め)とのこと。ジーンズファンの皆さんでも好みの方が多いタイプの生地でしょう。
生地裏を見るとそのザラつきがよく分かるかと思います。糸の太さの強弱も見て取れます。
セルビッチはピンク耳。
日本国内で生産されるセルビッチデニムって、生産効率が悪いため、価格は決して安くなりません。
ここまでローテンションでおられた生地なら、尚更・・・。
プレミアムジーンズの基本はすべて抑えた縫製仕様
レプ系メーカーのプレミアムジーンズで採用されているヴィンテージ縫製って、非効率で手間が多くかかります。
手間がかかると言うことは、その分、縫製工場の手間賃が高くなりますから、生地同様に安くすることが難しいのですが、この1本は細かい細部まで、すべてやりきっています。
家でじっくりと、アラ探ししてみましたが、妥協ありませんでした。
腰サイドの縫製(通称:クインチ)も、綿糸の太さ&運針数はしっかり指定されています。
股下の縫製。
バックポケットは一筆縫製、2色使い。
適材適所で糸を変え、運針数(ピッチ)を変えている。
長く履ける & 経年変化させた後の姿を想像し、しっかり丁寧に作られています。
これがどう言うことかと言うと、
革パッチやリベット、ピスネームやポケットの飾りステッチにオリジナル感を出してないだけで、商品は「2~3万円台のプレミアムジーンズと同じ」ということです。
総評
リベット、ボタン、副資材を別で作れば、今すぐにでもブランドとして通用するクオリティを落とし込んだモデル。
Denimioさんが敢えてそうしなかったのは、高品質&低単価にこだわったからでしょう、きっと。
私のように多数のジャパンブランドを所有してても「とりあえずテーパードが効いたシンプルなジーンズが欲しい」って人にもズバッとハマるモデルでした。
これからジーンズにハマりたい方へ、初めてのセルビッチデニムとしてもおすすめ出来ます。
1万円台で買えるセルビッチジーンズって、これまでも世にありますが、
ただセルビッチをつけただけの質の悪いデニム生地を使っているケースや、縫製を省略してコストカットしている、目の肥えた人たちからすれば「魅力ない」ジーンズがほとんどでした。
この価格で販売できることに驚きを隠せません。
Denimioさんとしてはあまり利益が出る商品ではないでしょうし、このクオリティで、この価格で出されると、ジャパンデニムのブランドさんたちもちょっと困る??
結局のところ、一番トクするのは、
この商品をこの価格で手にすることが出来る、我々だと思います。
<Denimio 15oz タイトストレートのページ↓>
https://www.denimio.com/waw-ts02-15oz-tight-straight.html#
シンプルで派手さはないけど、一生履けるジーンズ。
万人にオススメしたい、超コスパモデルでした。
私も履きこみしていきます。
本日もご一読、ありがとうございました。
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