こんにちは、インディです。
今日は、オリジナルジーンズのバックポケットの縫製の考察についてです。
みなさん、お気に入りのジーンズのバックポケットを見て。。。
そのポケット上部はどんなアタリがついていますか?

目次
バックポケットの縫製仕様について考える
中盛り仕様と三つ折り・四つ折り
ファストファッションなどの安価なジーンズは別として、
このブログを読んで頂いている多くのデニムファンのジーンズには、
いずれも「かっこいいアタリ」が付いていると思います。
このポケットの上部の縫製には、シンプルに3つ折り、4つ折りにしてそのままダダーっとミシンを走らせるパターンと、
縫い方を工夫して、ベルトループと同じような中盛り仕様にしているものがあります。
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このステッチの間が盛り上がっているのが、「中盛り仕様」です。
例えば下の3つのジーンズ。
同じ人物(私)が、ほぼ同じ期間履きこんだので、デニム生地の経年変化の程度は似ています。

しかし、バックポケット上部の縫製仕様がそれぞれ微妙に違うため、この部分のアタリの出方が三者三様です。
極端に中盛り仕様に縫製されていた一番右(フラットヘッド)はご覧の通り。
ステッチの間の生地に、激しくダメージが出てきています。
バックポケットの中盛り仕様のアタリは、ベルトループと同じ様に
盛り上げた部分が筋で色落ちしていく傾向があります。
ベルトループとは違い、日常生活の上で摩擦がおきやすい箇所ということもあるためか、ダメージの発生が早くなる傾向があります。
これを「カッコいいアタリ」と捉えるか、「やりすぎたダメージ」と捉えるか。。。
これは良し・悪しではなく、各自の好みなので難しいところであり、
オリジナルジーンズにどちらを採用しようか…現在の私の悩みのタネです。
逆に、通常のポケット口の縫製方法だと、斑点・マダラなアタリになる傾向があります。
それもかっこいいですよね。
中盛り仕様のメリット・デメリット
中盛りにすることで、上の写真の様にデニム生地にダメージは及びますが、
その分、縫製している「綿糸・ステッチ」に直接ダメージが行かないので、結果丈夫で長持ちするという側面があり、
実際にフラットヘッドさんがこの仕様を採用している意図は、そこにあると認識しています。
しかし、中盛りの部分だけダメージが大きくなる傾向があり、
経年変化の後ろ姿のバランスを見たときに、
人によっては違和感を感じる部分と言えなくもありません。
「良し悪し」ではなく、どういう意図を持って作るか。
世にある多くのジーンズは、こんな感じですよね。

これは三つ折り(または四つ折り)での縫製です。
これはこれで、色落ちが十分カッコいいのです。
アタリが出ればなんでも良い、という訳ではありません。
企画者が、経年変化させた後、どう見せたいか次第なのです。
私の尊敬するブランドさんは、
以前はこのパートは中盛り仕様にしてたけど、ダメージが出やすくで、もう新商品ではその仕様はやらないことにしたそうです。
このダメージ・アタリを「悪し」と考えた例ですね。
このポケットの仕様、いろいろ考えながらも私自身なかなか答えが出なくて・・・
結論、本日はとりとめもなく、お話しすることにしました(笑)
尚、AiiRO DENIMのファーストサンプルでは中盛り「無し」でした。

そもそも、ファーストサンプルを作った時点では、このディテールは全く考察できてなかった、というのが正直なところ。
フロントポケットの中盛り仕様も考察ポイント
同じような考察ポイントとして、いくつかのジーンズで、フロントポケットの手入れ口の縫製でも中盛り仕様の有無が確認できてます。

バックポケットの中盛り仕様をしているブランドさんでもフロントポケットまで中盛りにしているブランドさんは、それほど無いという印象です。
フロントポケットとバックポケット、そもそも縫製の工程が全然違うので、
生産都合を考えると、バックポケットは中盛り仕様で、フロントはそうしてないこと自体、不自然ではありません。

生産都合や過去のヴィンテージのアーカイブの再現などを勘案しないのであれば・・・
見た目のバランス・統一感を考え、
フロントポケットとバックポケット、両方とも中盛りにするか、どちらもやらないか、が良いと私はイメージしてます
もう少し熟考してみます。
本日もご一読、ありがとうございました。
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