こんにちは、インディ(@aiirodenim)です。
さて。
リジッドの生デニムのジーンズを購入した時って、ドキドキワクワクしますよね!
これからヘビーローテーションで履き込んで、良い色落ちを作るぞ!
という、「はやる気持ち」を抑えて、まずやるべきことがあります。
そう。 糊落としと洗濯(ファーストウォッシュ)です。
目次
生デニム・ジーンズの糊とは?
全てのジーンズは糊をつけて製造されている。
ジーンズはその製造過程において、裁断や縫製を安定させるため、生地に糊がつけられています。
そもそもで言えば、デニム生地になる前の糸の段階=インディゴ染めした経糸に糊が付けられます。
織機で織りやすくするための加工です。
その糸が織機で織られ、デニム生地になったタイミングでも糊付けされます。
この生地を使いジーンズになったあと、世にある多くのジーンズはウォッシュがかけられ、糊を落とされた状態で店頭に置かれます。
一方、セルヴィッジデニムを使ったジャパンブランドに代表されるレプリカ系ジーンズというのは、20世紀前半の製法に則り、この糊がついたままの状態で店頭に並んでいることが多いのです。
生デニム、ノンウォッシュデニム、リジッドデニム、未洗いデニム等と呼ばれています。
これらは着用する前に、糊を落とす必要があります。
この「糊」を落とす方法について、本日お話しします。
糊を落とさず履くとどうなるか?
未洗いのデニムを購入後、糊を落とさず、そのまま履く方がいます。
糊がついたままで着用するということは、硬い生地のままで着用することになるので、ジーンズの着用時のシワが折り紙のようにハッキリと鋭角に出やすくなります。
つまりメリハリのある色落ちをさせることができます。
しかし、もし長い期間履き込みをして、ヴィンテージのように良い色落ちを目指すのであれば、これはオススメしません。
糊を落とさないことが問題ではなく、「デニムの生地を縮ませきらずに履きこみを開始する」ことが後々の問題になります。
デニム生地は初めに縮ませた方が良い
色落ちにこだわったセルヴィッジ付きのデニム生地の多くは綿糸で織られているため、洗濯・乾燥により縮みが出ます。
縮率が5%以上縮むデニム生地もあります。
生デニムの状態のままで履き、自分の体型に合ったヒゲやハチノスのアタリがついても、
それを一度洗濯して乾かすと1〜2インチほどサイズが変わるのです。
そうするとサイジング、フィット感が全く変わるため、
ヒゲやハチノスのアタリの位置がずれることになります。
洗濯前に着いたヒゲやハチノスとちょっと位置がずれた、ボヤけた、なんとも不恰好な色落ちになります。
このことから、はじめにしっかり糊を落とし、洗濯して乾かした上で履き始めた方が、
結果的に自分の体型にあった素晴らしい色落ちを見せてくれることでしょう。
一切洗濯しない、というのであれば別ですが、現実的ではありませんよね。
生デニムのジーンズの糊落とし・洗濯方法
それでは、早速、生デニムのジーンズの糊落とし、
そして洗濯の作業を行ってみましょう。
本日使うジーンズ:Levi’s LVC 501XX 1947
12.25ozのコーンデニムを使用した、MADE IN USAモデルです。
以前レビューもしましたので、気になる方はこちらもどうぞ↓
タグやフラッシャーなどを取り、裏返す
購入時に色々付属していてるものを外し、裏返しにします。
ヘビーオンスデニムの場合、糊がついたままのデニムは大変固く、裏返すのも一苦労かもしれませんね。
ボタンを閉める(ジッパーを上げて止める)
洗濯時に形が崩れないように、ボタン・ジッパー類は閉めましょう。
生デニムだとボタンフライを止めるのが大変。。。
タライや桶にぬるま湯を準備する
※写真は、娘が赤ん坊だった頃に使ってたお風呂・・・今はジーンズのお風呂(笑)
さて、ジーンズが入る程度の大きさのタライなどを用意し、十分なお湯を張りましょう。
私の現在のオススメはこちら↓↓
さて、「糊」といっても色々な素材があります。
家庭で使う洗濯糊の場合はPVA(ポリビニルアルコール)と呼ばれる化学糊になり、これは水溶性なので、洗う水の温度は大して気にする必要ありません。
一方、メーカーのこだわりで昔のようにコーンスターチ・デンプンなどの天然糊を使っている場合は、冷水では溶けにくいので、温水を使うべき。
「糊の素材なんて、どっちか良くわからない」ですから、
とりあえずお風呂の温度の40℃から、50℃の間程度が良いでしょう。
私の場合、お風呂のお湯に、別で沸騰させたお湯をちょっと足すようなイメージで調整してます。
ぬるま湯に浸し、空気を抜く
張ったお湯にジーンズを訳ですが、この時にポンッと入れただけだと、ジーンズが浮いてきます。
ポケットや足の部分、デニム生地の間に空気が入っているためで、その部分はお湯が触れて織らず、結果糊落としが不完全になります。
スポンジに水を染み込ませるイメージで、ジーンズを何度かタライに押し付け、ジーンズ全体にお湯を浸み込ませましょう。
空気がブクブク・シュワシュワ出てくるはずです。
ジーンズ全体にお湯が浸ると、水泡が止まり、浮いてこなくなります。
念のため、重しをして、ジーンズ全体がお湯に浸かるようにしておきましょう。
これで工程の半分は終了。 このまま1〜2時間待ちましょう。
1〜2時間放置し、糊を落とす
だいたい1〜2時間で、ジーンズに付着していた糊が浮いてきます。
タライの水が黄色くなっているの、わかりますか?
これが、ジーンズについていた糊です。
うわー、黄色い!
もっと染めの濃いジーンズだったら、インディゴもこの時点で落ち、お湯が黒に近い色になっているはずです。
・・・ということもあり、できる限り、タライや桶のようなものを使用するようにしてください。
お風呂にお湯を張ってこれを行うと、浴槽にインディゴが移り、これを洗うのが本当に頑固で大変なので。。。
ファーストウォッシュ=洗濯機で洗濯(洗剤なし)
まだ残っている糊を落とす目的と、ジーンズをしっかり「縮ませる」ため、洗濯機で洗います。
ジーンズは裏返しのまま、通常と同じ洗濯モード(すすぎ数回+脱水)で進めてください。
ただし、洗剤は入れないこと。
そもそもまだ履いてないジーンズなので汚れていませんし、
洗剤を入れなくてもすすぎと脱水で糊はしっかり落ちます。
色移りするので、他の洗濯物は同時に入れないように。
脱水まで終わりました。
洗濯槽に、インディゴが移ってますね。
レプリカ系メーカーのデニムだったら、あえてインディゴ染めを濃くしている場合が多いため、もっとハッキリと洗濯槽に色が強くつくことが多いでしょう。
Levi’sは染めが薄いのか、または大手メーカーということもあり、染色の堅ろう度(色落ちや色移りに対する耐性)の基準が厳しいのか。
または、実際に70年前のジーンズはこういうモノだったのか?
乾燥させるための準備をする
ファーストウォッシュ後の乾燥により、生地をしっかり縮ませることができます。
私はハンガーにS字フックをつけて、左右のベルトループに吊るして形を整えて乾かします。
洗い終わった状態=裏返しのままの方がポケット部分が乾きやすいですよ。
また、足や胴部分を空洞にし、空気の通り道を作ればその分、早く乾きます。
乾燥機を使って乾かす方法もありますが、温度調整がなかなか難しく、熱すぎると革パッチがダメージを受けて縮むリスクがあります。(経験アリ)
また、乾燥機はドラムの中でぐるぐる回されて熱風を当てるため、天然乾燥よりふんわり柔らかい風合い・生地になります。
生地がふんわりするため、ハッキリしたヒゲなどのアタリが比較的つきにくくなります。
ファーストウォッシュ後の3ヶ月間の履きこみがヒゲや膝裏のハチノスの色落ちのための重要な期間なので、
こだわるのであれば、ファーストウォッシュは乾燥機で乾かすよりも、「形を整えて天然乾燥」を私はお勧めします。
履きこみが進み、ヒゲやシワ、ハチノスなどが固まった後は、乾燥機を使っても良いでしょう。
セルヴィッジ耳を手で整える
洗濯後、セルヴィッジの耳が丸まって変形している場合があります。
そのまま乾燥させると、それで形がついてしまい、履き込んで現れるサイドの耳のアタリが綺麗に出ない可能性があります。
乾燥させる前にセルヴィッジ耳は手でしっかり形を整えておきましょう。
尚、乾燥後もアイロンで修正することはできます。 けど一手間、面倒ですからね。
はい、できました。
干して乾くまで待て。新たに相棒となるジーンズ、爆誕まで後少し。
日陰の風通しの良い場所に、形を整えて干しましょう。
↑・・・とか言われることが多いですけど、
早く乾かしたい場合は日なたでも正直構わないと思います(^^)
ジーンズ糊落としの儀式、お疲れ様でした。
乾燥後、履きこみ開始
乾燥すると、しっかり縮みが出て、目が詰まった、ガサつき、重みのあるデニムに変化したのを実感できるかと思います。
これが古き良き織機で織られた、セルヴィッジデニムの魅力です。
写真の LVC 501XX 1947も、色が濃くなり、生地が向かって左向きにねじれてるの、わかりますか?
右足(向かって左)の縫い目が、前の方に来てますよね?
ちなみに、こちらが洗濯前の、糊がついた状態の写真。
こうやって洗濯し乾燥することで、生地の縮みとねじれを出させるのです。
これで準備は完成!
念のため、しっかり水分が抜けて乾燥しているか確認してください。
湿った状態で履きこみを開始すると、他のもの(シャツや下着)にインディゴが激しく色移りしたり、変なアタリがついたりします(経験アリ)。
もし裾上げがまだなら、このタイミングで裾上げをしにショップに持ち込むことになります。
新しいジーンズが履けるまで、後少し!
糊落としと初めての洗濯方法は以上です。
セカンドウォッシュはいつが良いか?
ファーストウォッシュを行い、裾上げをして、いざ履きこみを進めたあと・・・
セカンドウォッシュはいつが良いか? には、様々な議論があります。
これは、目指す色落ちによります。
もしヒゲや膝裏のハチノスなどの、履きジワの濃淡が激しい、パキッとしたアタリを出したいなら、
セカンドウォッシュは出来るだけ我慢するのが良く、
具体的には履きこみ開始から3ヶ月〜半年間、履く回数にして50~100回は我慢した方が
実際に良いアタリは出ます。
初めの段階で自分の履きジワをそのジーンズに定着させるために必要な期間だと思ってください。
そこまでバキバキの色落ちは不要だ、という場合でもセカンドウォッシュまで1ヶ月は少なくとも履き込んだ方が良いでしょう。
デニム生地の特性上、履いていると徐々にジーンズの生地は伸びてきます。
しかし、洗濯するとまた縮んで元に戻ります。ついたシワがリセットされる形になりますから。
幼少期の育て方が重要である…まるで子供のようです。
洗濯の際に使う洗剤は、こちらの記事をご参考下さい。
良い色落ちのジーンズのための履きこみ注意点
良い色落ちを目指した結果、汚れたまま、匂うまま我慢して履いて、
色落ちの良いジーンズを手に入れたが、友達とカノジョを失った、では本末転倒なので
そのあたりのバランスはご自身で見極めてくださいね(^^)。
以上、ご参考になりましたら幸いです。
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本日もご一読、ありがとうございました。
[…] 後日あらためて調べてみたら、ちゃんと糊落としの作法が解説されていました。 https://www.aiirodenim.com/jeans-first-wash-2298/ […]