こんにちは、インディです。
今日は、ジーンズの縫製の、さらに奥深いお話です。
是非、ご自身のジーンズを手に、読んでみてください。
以前も記事にした、経年変化をデザインする、というお話。
ジーンズのステッチの奥深い話
このJOURNEY FACTORYの重本さんとの出会い以降、
教えていただいた「経年変化をデザイン」するための「ステッチ」の魅力にどっぷりハマってしまっております・・・。
これまで糸の素材・番手やピッチ(運針数)に関してお話を共有させて頂きましたが、
本日はもうちょっとマニアックなお話をさせていただきます。。
縦のステッチと、横のステッチで変わる雰囲気
同じミシン、同じ縫製糸、同じピッチ(運針数)、同じデニム生地でも
「縦にステッチを走らせるか」
「横にステッチを走らせるか」
これで、表情が変わります。
ジーンズのデニム生地は、表面にインディゴ染めされた縦糸が走っていますよね。
(逆に、裏には染められていない白い横糸。)
ジーンズを正面から見て、その縦糸に沿って縦方向にミシンを走らせるのと、
横方向にミシンを走らせるのとでは、
そのステッチの、デニム表面への浮き出し加減、沈みこみ加減、それに伴い
その縫製箇所が持つ「雰囲気」も変わってくるのです。
ちょっと説明が難しいのですが、
その縦ステッチと横ステッチの違いが最も分かりやすい箇所は、フロントポケット口。
なぜなら、このフロントポケット口の縫製は、
同じ縫製糸を使い、同じピッチ(運針数)で、
縦から横にRを描きながらミシンが走っているので、
縦に入れたステッチと、横に入れたステッチの雰囲気の違いがわかる箇所になっています。
縦と横のステッチの見た目の違い
横に入れたステッチは、どちらかというと縫い目が目立ちにくく、糸が表面に浮いたような見え方になる傾向があります。
それに対し、縦に入れたステッチは、縫い目が生地に食い込んで、沈み込んで見えます。
是非、お手元のジーンズで確かめてみてください。
縦に入れたステッチでも、ピッチ(運針数)を大きくするとステッチが上に浮いた感じに。
横に入れるステッチでも、糸の番手を太くすると縫い目は沈みこむ傾向があります。
細い番手でも、ピッチ(運針数)を小さくすると、浮いた感じが目立たなくなります。
仮に黄色の縫製糸を使う場合、ステッチの浮いた感じが目立つと、
安っぽく見えるように感じます。
特に横にステッチを走らせる箇所は、
縫製糸の色、番手、ピッチの細かい配慮が必要だと思っています。
糸、番手、ピッチ、縫い目の方向、
それらが組み合わさって醸し出す雰囲気と色落ちの傾向。
そこまで計算し、考えていきますので。
ヴィンテージのレプリカに縛られず、自由な発想でジーンズを考えていくと、
やれること・こだわれることが多く、本当に楽しいです。
以下、関連記事です。よろしければ是非。
本日もご一読、ありがとうございました。
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