こんにちは、インディ(@aiirodenim)です。
国内のデニム生地のメーカーの中で、世間一般で一番有名なのはユニクロにもデニムを提供した「カイハラ」でしょう。
カイハラの特徴は、デニム生地を織るだけでなく、生地に関わる全ての工程=糸の紡績(綿花から糸を紡ぐ)・染め・織りを自社だけで完結できる、「デニムの一貫生産体制」を持っていることが特徴で、これが出来るのは国内でカイハラだけであり、世界でも稀な存在です。
Lee Japanもカイハラのデニムを使った101を展開していましたね。
そんなカイハラは今「茶綿」を使ったデニム生地の開発に力を入れており、その茶綿デニムの可能性を伝えるべく、カイハラブランドの「オリジナルジーンズ」をこの度リリースするそうです。
デニム生地界の横綱、カイハラが企画するジーンズ・・・気になります!
目次
KAIHARA(カイハラ)「茶綿デニム」ジーンズ B011801
ジーンズのディテールの前に、そもそも「茶綿」とは何でしょう??
茶綿とは?
デニム生地は綿(糸)から作られており、綿は綿花から取れるコットンボールから作られます。
コットンボールは通常は白ですが、中には薄茶色の色をつけるコットンボールがあり、それを「茶綿」と呼ぶのです。
今ほど技術の発達していない昔、畑では白の綿花に茶色の綿花が混じることがあり、それが理由でヴィンテージジーンズは茶色っぽい、という説があります(事実か否かの裏付けは無いそうですが、歴史考証としておそらく正しいかと)。
つまり「茶綿」を使用したデニム生地は、色落ちすると全体的に薄茶色っぽくなり、よりヴィンテージ風の色落ちに近くなります。
尚、フルカウントではこの茶綿のことをワイルドコットンと呼び、これまでも非定番ラインで商品化していました。
カイハラ 茶綿デニムジーンズ 詳細
そんな茶綿を使ったカイハラオリジナルジーンズが、この「茶綿デニム」ジーンズ Lot: B011801です。
「茶綿を使った」という以外、外観のルックスはいたってシンプル。
モチーフはどう見てもLeeのRiders、101Zがモチーフでしょう。
シルエットはやや細身のモデルになります。
はい、Leeの101Zですな。
革パッチは円形の面白い形状。
丸に「ス」の文字で「マルス」と呼び、これはカイハラ社が創業時の屋号だそうです。
真ん中に生産年次・ロットナンバーが刻印されています。
この「茶綿デニム」ですがセルビッチではなく、耳部分はロック処理されたもの。
ヴィンテージ風の色落ちを唄う「茶綿デニム」ですが、セルビッチが無いデニムということは、いわゆるシャトル織機(旧力織機)ではなく、レピア織機などの革新織機という量産型の生産工程で作られたデニム生地ということになります。
カイハラは茶綿デニムがセルビッチ無し生地でも良い色落ちをすることをこのデニムで証明し、その後幅広いブランドに採用される前提で、量産できる商品として開発をしているのでしょう。
色落ち例
やはり気になるのはこのデニム生地を使ったジーンズの色落ち。
茶綿、つまり染める糸がそもそも若干茶色がかっているため、インディゴが落ちてくると、元の糸の色=茶色が表に出てくる形になります。
よってジーンズの色落ちも味のある、古臭い茶色がかった経年変化を見せていきます。
例の写真を見る限り、なかなか良さそうですよ!
縫製はSAAB
ちなみに、縫製を担当しているのは神奈川のSAABさんだそうで。
まとめ
購入及び詳細は藤巻百貨店のオンラインサイトから。
価格は24,840円(税込)
セルビッチ無しのデニムで、革パッチ以外はオリジナルの副資材も無いこのスペックを考えると、正直言いましてかなり強気な値段設定だと思います。
その分、この茶綿のデニム生地値(生地の仕入れコスト)がもともと高いのか、
それとも「茶綿」の付加価値を高める為に施策的に値段を上げて見せているのか・・・それは不明。
販売は2018年2月からで限定400本、現在は予約を受付中のようです。
デニム生地最大手のカイハラが、自身の社名でオリジナルジーンズを作るほど猛烈プッシュしているこの茶綿デニム。
このプロジェクトを皮切りに、色々なファッションブランドがこのカイハラの茶綿デニムを使い始めるようになると思われますよ。
本日もご一読、ありがとうございました。
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