こんにちは、インディ(@aiirodenim)です。
本日も引き続き、ONE PIECE OF ROCKに関してお話ししたいと思います。
滋賀が世界のデニムの聖地になる理由。ヴィンテージ縫製の世界の頂点『ONE PIECE OF ROCK』【その1】
目次
100年続く伝説を作り上げる『ONE PIECE OF ROCK』 その2
デニムブランドの『ONE PIECE OF ROCK(ワンピースオブロック)』とその縫製を行う『CONNERS SEWING FACTORY(コナーズソーイングファクトリー)』、そしてその縫製を担うニードルワークアーティストの小中氏の取り組みは、日本のデニム業界だけではなく世界の製造業の中でも特異な存在としてサンプリングされる日が来るかもしれません。
これまで全くスポットライトの当たらない裏方の職人=縫い子さんが、アーティストとして製品に付加価値がつけられることを証明したのです。
全ての製造業に携わるワーカーさんにとって、希望となる事例では無いでしょうか。
今日はその小中氏とこれからの取り組みに関してスポットライトを当ててみましょう。
小中氏の作るジーンズは、ヴィンテージを表現したアート作品
小中氏はもともと経験豊富な縫製技術を持ち合わせながらも、絵の専門に進んでいたこともあり美術的なセンスも卓越しています。
印象深いのは、彼にとって縫製のステッチはキャンバスに描くペンの線と同じであると話されたこと。
なるほど〜、と思いました。
彼にとって縫製とは、布を糸で縫い付けるため“だけ”の作業だけでは無くて、
ミシンを筆にして、
デニムをキャンバスにして、
ヴィンテージを表現した一枚のアートを作り出すためにミシンに向かっているという事なのでしょう。
そう考えると月に150本も一人で作りながらも、一切まとめて裁断や縫製をしない理由がはっきり理解できます。
絵描きさんが、キャンバスを横に並べてまとめて同じ絵を書かないのと一緒ですよね。
だから、私たちも彼が作った作品を他と同じ「ジーンズ」と一緒に考えない方が良いでしょう。
彼の作るジーンズの価格は42,000円ですから、ジーンズの値段としては高いよね?と感じてしまうと、本当の価値を見失います。
そうではなくて、製造過程も含めてヴィンテージジーンズを表現したアート作品なのです。
穿いて経年変化が楽しめるアート作品と考えると・・・42,000円の価格、どう感じますか?
と言うか、この製作作業を毎月150本も繰り返すのですから、そのエネルギー・バイタリティは只者ではありません。
1本2本は出来る人はいるでしょうけどねぇ。
もし同じ設備、同じ技術を持っていても、ここまでは真似できないでしょう。
まだ成長の余地を見せるアーティスト
小中氏と話をしていて非常に違和感と驚きがあったことが一つ。
職人さんやアーティストの多くは「頑固」というイメージが私にはあって、俺のやり方はこうだから、とか、新しいことに対しては「出来ない」と言うとか。
しかし小中氏は「自分が知らないことや、自分の縫製と違う仕様のヴィンテージがあったらどんどん教えて欲しい」と言います。
素直に自分のスキルが上がるチャンスだから、と笑って話していましたが、末恐ろしくなりました。
この人、まだ成長する気なんだ、と(笑)。
そんなピュアな向上心が原動力となってこれだけの設備を作ったのは言うまでもありませんし、この先の展開が更に楽しみで仕方がありません。
とにかくジーンズを縫うことが大好きで天職と話す小中氏は、一日中ヴィンテージミシンに向かって何かを縫っています。
そんなのですから、追いつこうとしても誰も追いつけない・・・。
未開のステージに進むための小中氏の次の「夢」
ここまで次元の違う物作りの境地に辿り着きながらも、まだ向上心を持ち続けるのが彼のすごいところなのでして、、、
今の所、ライバルは誰一人後ろを付いて来て無いのに、まだアクセルを踏み込むそうです。
1940年代の縫製設備をここまで実現させたその次は何か。
なんと「デニム生地の織機」を工房に導入したいのだとか!?
しかも、当時のアメリカのデニム織機を探し出すんだ、とか!?!?
・・・
縫製工場に織機があるところなんて、聞いた事がありません。
しかもアメリカのヴィンテージの織機って、全く見たことないので想像できません。
(国内で良く使われているのはトヨタのG3シャットル織機ですけど、アメリカで使われてた織機ってそもそもどんなの???)
小中氏ご本人はいつ出来るか分からないと言いますが、これまでも「絶対無理」を押しのけて数々実現して来た小中氏。
もう、誰もその夢の実現を疑うことはありません。
きっと数年後には轟音を立てる織機が鎮座し、デニムが編まれていく工房の情景をここ八日市で見る事が出来ると思います。
そしてCONNERS SEWING FACTORYの伝説に拍車がかかることでしょう。
世界のデニム業界の中で「最もクレイジーなジャパニーズ」に認定される事間違いなし。
製造業界の未来まで変えていく新しい取り組み
このヴィンテージ縫製工場=『CONNERS SEWING FACTORY』は窓の外から自由に中を見る事が出来ますが、そこで縫製に勤しむ小中氏の姿は常にジーンズ、デニムジャケットを着用。
その理由について、小中氏は縫製工場の概念を変えたいんだ、と言います。
「縫製やもの作りをする人ってカッコいい」というのを見せることで、若人や子供達が縫製業に憧れを持って欲しい、と。
そして、将来この地域=八日市でジーンズの縫製が盛り上がって欲しいそうです。
十年後、「小中氏に憧れてこの業界に入った」という新しいヒーローが出てくるかもしれません。
それがまた、小中氏とそのブランド=ONE PIECE OF ROCKを伝説化させることになるのかもしれません。
後継者がいなくて悩む他の製造業でもお手本になる取り組みでは無いでしょうか。
余談ですが、今回、工房にお邪魔した帰り際に一人の女性が工房を訪れまして。
その方は地元の小学校の先生で、CONNERS SEWING FACTORYは毎年小学生たちの見学を受けて入れていて、毎回大評判なんだとかでお礼を言いに来たのだそう。
なんだかほんわかエピソードを見せつけられて、またくそカッコいい。
既に入手が困難な小中氏の作品
ここまで煽っておいて何ですが、小中氏の作り出す作品の数々はすでに簡単には購入できません。
基本的にはこの滋賀・八日市の『CONNERS SEWING FACTORY』またはその販売店である『FORTY NINERS』に来て実物を見てオーダーをするのですが、その日に持って帰れる訳ではありません。
すでに他のオーダーが積み重なっているので、手元に届くまで長くて半年くらい待たなければいけないそうです。
小中氏が製作した作品にはこのように日付とサインとロット番号がサインされます。
彼の作品の価値が分かる人間にとって、このサインが何よりのお宝。
ジーンズは一生物と言いますが、私がこれまで手にしたどのジーンズとも違う「満足感」と「達成感」。
作っているところを見たから、尚更なのかな・・・言葉にするのが難しいです。
まとめ
ここまで異次元の展開をしておきながら、更に高みを目指す孤高のブランド=ONE PIECE OF ROCKとそのニードルワークアーティストの小中さん。
次は何をしでかすのか、ワクワクしませんか?
私は一人のデニムファンとして、オンタイムで彼が突き進む道を見られる事を幸せに思いますよ。
製造業って、考え方次第でここまで可能性に満ち溢れ、こんなに面白い仕事だったんですね。
滋賀県八日市が世界のデニムファンの聖地となると確信している理由。
彼の作り出すジーンズが、世界のデニムファンの間で伝説化すると予想する理由。
彼の作り出すジーンズが、世界の頂点だと思っている理由。
この2回の記事でCONNERS SEWING FACTORY とONE PIECE OF ROCK、そして小中氏の魅力を的確に伝えたかったのですが、どうにも上手く文章に出来ません。
だから、、、ぜひ皆さん、この「聖地」に足を運んで下さい。
ジーンズ好きには言葉に出来ない感動が詰まっています。
滋賀県八日市は、正直言って行きにくい場所。
関西に住んでいる方でも「ちょっと・・・」と思う場所ですし、関東の人からすれば尚更。
だからこそ、世界のデニムファンの「聖地」と呼ぶにふさわしい。
イスラム教徒は一生涯に一度は聖地メッカを目指しますが、同じような感覚で「滋賀県、行った?」が私達デニムファンの合言葉になる日が来るかも。
CONNERS SEWING FACTORYよ、世界のデニムファンの聖地となれ。
詳細
【FORTY NINERS(ONE PIECE OF ROCKの販売店)】 = http://fortyniners.ocnk.net/
【ONE PIECE OF ROCK】 のHP = https://www.onepieceofrock.com/ja/
【CONNERS SEWING FACTORYのMAP】
最近はインスタもマメに更新中なので、宜しければフォローください↓
本日もご一読、ありがとうございました。
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