こんにちは、インディ(@aiirodenim)です。
リーバイスから現行モデルの一部で生地・縫製ともにアメリカで生産をする【made in USA】コレクションが発表されました。
2017年末に惜しまれつつも閉鎖されたコーンミルズ社のホワイトオーク工場の残りのデニム生地を使った、リーバイス公式の最終モデル「かも?」と巷で噂されているこのコレクション。
現在、公式サイトで予約開始中。
将来的な価値は未知数、ファンならずとも必見・・・ですが、少々ラインナップがクセものです。
目次
リーバイス Made in the USA コレクション【501、505、511】
【made in USA】 コレクションとは?
アメリカのノースカロライナ州にある、リーバイスと共に歴史を歩んできたコーンミルズ社のホワイトオーク工場で作られたデニム生地を使い、テキサス州のリーバイス・エルパソ工場にて縫製されたシリーズ。
現行モデルのほとんどの生産を東南アジアを中心とした海外工場で行っているリーバイスにおいて、「全てアメリカ国内生産」という原点回帰をさせた貴重な取り組み。
これまでLVC(Levi’s Vintage Clothing)のラインで使われてきたこの【made in USA】が、今回現行モデルの501・505・511に採用されました。
なお、これまでも現行モデルの中でホワイトオーク工場のデニム生地を使ったものはあります。しかし今回が特別な点は、それらを「アメリカ国内で縫製した」という点です。
コーンミルズとホワイトオークとは?
デニム好きなら必ず耳にする通称「コーンデニム」とは、コーンミルズ社が製造したデニム生地のこと。
そして「ホワイトオーク」とはそのコーンミルズ社の中でも、リーバイスと歴史を共に歩んできたことで有名なホワイトオーク工場で作られたデニム生地のことを指して言い、「WHITE OAK」としてブランド化され最近でも使われてきました。
コーンミルズ社は、要は「デニム生地の機屋さん」なのでリーバイス以外にもデニム生地を提供しており、メジャーではありませんがLeeやラングラーに使われてたりもします。
上記でご説明の通り、「コーンデニム」「ホワイトオーク」はコーンミルズ社ならびにホワイトオーク工場で作られたデニム生地全般を表す商品名ですから、決して「全てが質の高いセルビッチデニムという訳では無い」という点に注意が必要です。
セルビッチの生地もあれば、そうでない生地もある。
良い品質の生地もあれば悪い品質の生地だってある。
盲目的に「ホワイトオークだから良いもの」というのは違いますよ、ということです。
とはいえ歴史あるホワイトオーク工場でおられたデニムというのは、品質云々以上に「ロマンがある」と言えるでしょう。
残念ながら昨年でホワイトオーク工場は閉鎖されたため、現存するホワイトオーク工場によるデニム生地およびそれを使ったデニム商品は価値が上がると目されます。
【関連記事→】コーンミルズ社のホワイトオーク工場 閉鎖について(コーンデニム・WHITE OAK)
それでは、今回発表された現行品番のmade in USAコレクションを見ていきましょう。
全部で7品番発表されましたが、結構ややこしいバリエーション展開。
最後には私の一押しの一本をお伝えさせて頂きます。
Levi’s 501 [INDIGO RINS] MADE IN USA(コーンデニム)
まずは定番の【501】、14ozのワンウォッシュモデル。
注意が必要なのですが、こちらは「耳なしデニム」=つまりセルヴィッチではありません。
コーンデニムを使っていると聞くと誰もが「セルヴィッチ」と考えてしまうくらい今日までブランディング出来ていたはずなのに、、、ここへきて耳なしとは・・・。
バックスタイルはこんな感じ。
「現行の501」ベースなので、シルエットは現代的で綺麗です。ポケットの位置も若干高めか。
501のスタンプが入った革パッチを搭載。
ご覧の通り、耳が無いためロック処理されています。
耳が無いからといって、悪い生地という訳では無いの重々承知ですが、どうしても501+コーンデニム=セルヴィッチというイメージが先行してしまうので違和感がある。
Levi’s 501 [MEDIUM AUTH] MADE IN USA(コーンデニム)
こちらも【501】ですが、古着加工が施されたモデルです。
こちらも耳なしの生地を使用。
「WHITE OAK」タグは付いています。
正直この加工モデルを買うくらいなら、別に海外生産の現行モデルを選んで良いのではと思う。
Levi’s 501 [DARK AUTHEN] MADE IN USA (コーンデニム・セルヴィッチ)
ややこしいのですが、このmade in USAコレクションの【501】の中に、1品番だけ「耳付き生地」が紛れ込んでいます。
それがこちら。 “若干の古着加工”が施されたモデルで [DARK AUTHEN] というカラー。
耳付き。価格も他と比べると高い。
しかし、なぜに加工モデル?? ここはワンウォッシュで良かったろうに。
ややこしい・・・。
そして先ほどの古着加工の[MEDIUM AUTH] はなぜセルヴィッチでは無いのか、ますます疑問が残るのです。
Levi’s 511 [TRUEST BLUE] MADE IN USA(コーンデニム・セルヴィッチ)
こちらは現代のニーズに合わせた細身のシルエットタイプである【511】。
この511から3品番がmade in USAコレクションに加わってますが、その内2品番がセルビッチという、これまたややこしい展開に。
この511 “TRUEST BLUE”は、これまでのmade in USAコレクションの中で唯一の「ノンウォッシュ・セルヴィッチデニム」を使用。
今回のコレクションの中では間違いなくコレがド本命。
「最後であろう、コーンデニムの価値」こそがこのコレクションの真価ですから、そのデニム生地の良さが残せるアイテム=ノンウォッシュであるべき、と私は思うので。
511TMマークの付いた、革パッチ。
511はジッパーフライ。
ホワイトオークのタグが、ノンウォッシュのデニム生地によく映える。
そして、セルヴィッチ。
これでしょ、やっぱり。
コーンデニムとリーバイス両社の繁栄の歴史を背負った仕様ですからね。
Levi’s 511 [DARK AUTHENTIC] MADE IN USA(コーンデニム・セルヴィッチ)
511にも、ウォッシュモデルがありますよ。
しかし注意が必要なのは、【511】で同じ色味のウォッシュモデルが「INDIGO RINSE」というカラーでラインナップされているのですが、見た目がほぼ一緒で、そっちはセルヴィッチでは無いモデル・・・
もはや私もこれ書きながら混乱中。
ややこしすぎる。
どうしてこうなった??
Levi’s 505 [INDIGO RINSE] MADE IN USA(コーンデニム)
今でもリーバイスの定番モデルの一つ【505】も、今回のmade in USAコレクションに1カラーのみ加わっています。
それがこの[INDIGO RINSE]。要はワンウォッシュモデルです。
こちらもロック処理されたデニム生地。耳は無し。
もともと505はヴィンテージもほとんどが「耳なしモデル」なので、これはアリ。
これは良いモデルだ。
海外では501のコーンデニム・セルビッチがある?
詳細が掴めきれていませんが、海外のサイトでは現行501のMade in USAモデル、しかもコーンデニムのセルヴィッチを使ったモデルを見つけることができます。
このあたりの展開と、今回日本で販売が開始されるmade in USAモデルとの違いや関係性は不明。
ひょっとしたら日本だけ時期をずらしてて、何かしらの記念やイベントのタイミングでリリースされる可能性もゼロでは無いかも知れませんが…。
尚、現在でも並行輸入で見つけられると思いますが、3万円越えの値段が付けられているのであまりオススメはしません。
へんちくりんなバリエーション展開の真意を考察
なぜ511にのみ、ホワイトオークのノンウォッシュのセルヴィッチデニムを採用したのかは謎ですが、おそらくこのデニムはサンフォライズ(防縮加工済み)であろうと予想。
逆にいえば、サンフォライズや、耳なしのデニム生地しかホワイトオークの在庫が無いということか。
そう考えると、今回の501にはノンウォッシュのセルヴィッチを採用しなかった理由、ウォッシュ加工モデルにのみセルヴィッチを採用した理由、ジップフライの511にのみノンウォッシュを採用した説明が付きますから。
コーンデニム、ホワイトオークを採用する公式のラスト品番という巷の噂は、意外に信ぴょう性のある話かもしれません。(確証はまだありませんけど)
まとめ
「現行品版のmade in USAコレクション」の取り組みは、リーバイス自体の価値を改めて高める取り組みなのでぜひ継続してやって欲しいと強く思います。
ジーパンはやはりアメリカのモノ。リーバイスのものですから。
今回のコレクションの中で注目なのは、ラストと囁かれるコーンデニム、それも「ノンウォッシュのセルヴィッチ」を使った511 [TRUEST BLUE] 、これ一択かと思います。
しかし、私はもう一つ、別のモデルをお勧めしたい。
この511のシルエットは細身で今の綺麗めスタイルにはちょうど良いでしょうが、時代を超えて支持される力はない。
少なくとも、私が50代のオヤジになってからも似合うモデルでは断じて無い。
「閉鎖されたコーンミルズのデニムを使っている」みたいな所に希少価値を感じるコレクターの方はこれを購入するのが良いでしょうし、トレンドに敏感な方にも大変お勧めできるモデルではありますが、
私的に、長く付き合える、実用性の高いアイテムで、同じような細身で綺麗め、テーパードシルエットで、made in USAのコーンデニムを選ぶなら、
あと追加で1万5千円出して『LVCの501ZXX 1954model』を今のうちに回収しておく方が優先順位高いのではと思う次第です。
このモデルはLVCの中でもジップフライということで異彩を放つ501。
今買うことが出来る、将来のヴィンテージ候補です。
LVCは未来のヴィンテージ候補だよ、ってことを書いたこちらの記事もご参考までに↓
【関連記事→】LEVI’S VINTAGE CLOTHING (リーバイス LVC)“1947” 501をレビュー
本日もご一読、ありがとうございました。
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