こんにちは、インディ(@aiirodenim)です。
ヴィンテージクロージングを徹底的に研究し再現する、日本のアメカジブランド、WAREHOUSE(ウエアハウス)。
素材だけでなく、パターンや縫製のミリ単位に至るまで拘り、作り込まれたプロダクトの数々は、そのヴィンテージの再現という分野で言えば間違いなく世界トップと言える存在でしょう。
そのウエアハウスは昨年2020年に25周年を迎えました。
私自身もウエアハウスの創業間もない1996年に、大阪/南船場の小さなセレクトショップ「Tim Tim」で、1本のジーンズ、モデル名「1001XX」を購入。
以来、いちファンとしてこのブログでもウォッチし続けてきたので、25周年と聞くと感慨深いものがあります。
そのアニバーサリーを記念し、ジーンズ/ジャケットの限定品もリリースされました。
その内の1本が、この[Lot 1001XX-25 (25th anniversary 1950 model)]。
すでにこの限定品はどこも完売となっていますが、
この限定品に付録として、ライトニング(エイ出版)が編集した、ウエアハウス25年の歩みをプロダクトの写真でまとめたムック本「HISTORIC WEAR / WAREHOUSE」がついてくるという、今までに無い太っ腹な企画がありました。
ムック本はその限定品を買わないと手に入れられないものではなく、書店でムックだけで購入できる良心設計。
そこで今回、私は限定品は購入出来ませんでしたが、そのムック本だけは手に入れましたので、本日はこちらをレビューしたいと思います。
結論から言えば、非常に読み応えのある最高の一冊でした。
レプリカと呼んでいた日本のものづくりが、世界を魅了するリアルヴィンテージになる日も近いと確信するほどに。
目次
ライトニングムック「HISTORIC WEAR」(エイ出版)
概要
本日レビューするのがこちら。
『HISTORIC WEAR by WAREHOUSE&CO』(エイ出版)です。
価格は1,500円+税。
レビュー
HISTORIC WEARという名称や、表紙のパッと見では、ライトニングが定期的に発行するヴィンテージデニムのムック本のような雰囲気ですが、中身は全編、ウエアハウスです。
これまでも、この手の「1つのブランドに特化したムック本」がなかった訳ではありません。
私の記憶の中だけでも、EVISUやリアルマッコイズ、フラットヘッドなどリリースされていました。
しかしそれらのブランドのムック本はブランドの資料的な側面よりも、新しい商品を売るための「カタログ」として中身が構成されていました。
それらブランドのファンからすれば非常に良い著書になりますが、ブランドに興味がなければ全く面白みの無い書籍。
それが「普通の」ブランドのムック本なのです。
ちなみに…
アメカジ関連のムック本はこれまで各社からリリースされてきましたが、中でも私はこの4冊が、完成度が高く好き。
しかし、今回の『HISTORIC WEAR by WAREHOUSE&CO』のページをペラペラとめくると、これらのムック本に掲載されているヴィンテージの世界と景色が一緒なことに気がつきます。
なぜなら、25年の歴史のブランドの歴史の中でリリースしてきたアーカイブをいわゆる「カタログ的な写真」ではなく、1着1着長い期間をかけて実際に着こんで「エイジングされた作品」だけを掲載しているのですから。
それゆえに、この『HISTORIC WEAR by WAREHOUSE&CO』は画期的なのです。
25年間リリースしてきた様々なアイテム=スウェットやTシャツ、アウターや小物に至るまで、幅広いジャンルに渡ってエイジング後の姿を、リリースしてきた時系列に沿って掲載しています。
しかし、やはり圧巻なのはウエアハウスの代名詞とも言えるデニムですね。
素晴らしいエイジングを見せているジーンズがたくさん見えるのはヨダレものでし、特に1990年代はバックポケットに赤タブ+アーキュエイトステッチが入っていた時代ですので、パッと見はリーバイスのヴィンテージ本に見えるのは実に痛快。
ジーンズ以外のアイテムの掲載量もハンパありません。
レプリカ系ブランドのジーンズの色落ちを集めたムック本はこれまでもありましたが、例えばスウェットに関してここまでエイジングの姿を集めたのはこれまで無かったのでは無いでしょうか。
どれもが美しいエイジングなので、感覚としてはヴィンテージ本を見ているのと変わりません。
最新のコレクションなどの新商品は全く掲載していない、潔さ。
そして、ライトニング編集部に大量に保管してあるであろう、過去の商品写真を使いまわさない、潔さ。
「ウエアハウスがヴィンテージを再現しているならば、エイジングされた姿こそがウエアハウスが目指す完成形である」
ということなのでしょう。
これらの掲載作品の数々を眺めていると、ウエアハウスが創業当時から目指してチャレンジしてきたことに対する「答え合わせ」を、我々にも見せつけられている、そんな感覚を持ちました。
また、よりマニアックなヴィンテージのレプリカを行う「ヘラーズカフェ」(現在は終了)のアイテムも掲載。
こうやってウエアハウスの歴史をなぞって見ていくことで、ウエアハウスのものづくりやコンセプトが創業時から一切ぶれていないことを改めて実感することが出来ます。
とにかく、読み応え抜群。
ウエアハウスのファンだけでなく、アメカジやヴィンテージ衣料に興味がある人全てが楽しめる内容になっています。
というか、こんなムック本を出せる日本のデニムブランドはウエアハウス以外無いでしょう。
まとめ:ウエアハウスは未来のヴィンテージだ。
ウエアハウスは創業時から、最もヴィンテージを再現しているブランドとして評価されてきました。
ウエアハウスそのものがいつか、リーバイスのようにヴィンテージとして語られる日が来るかもしれない。
そんなファンの夢に向けて、最後のピースがこのムック本のリリースで埋まったような気がします。
ライトニングのムック本は海外のファンの多くが目を通しますし、今回はそんなウエアハウスのエイジング作品が時系列的にムック本に掲載されたことで、ウエアハウスの古着が積極的に売買され始める可能性もゼロでは無いでしょう。
そして今回のムック本の大胆なコンセプトの企画/編集を行ったライトニングチームには最大級の賛辞をお送りしたいところです。
本著のための資料集めや撮影には気の遠くなるような時間が必要だったことは大いに想像が出来ます。
大変かと思いますが、ぜひウエアハウスのアニバーサリーにあわせて5年周期ごとにこのムック本を更新していただきたいですね。
きっと次の25年=創業50周年が見える頃には、ウエアハウスは一つのヴィンテージとして世界でファンを魅了していることでしょう。
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本日もご一読、ありがとうございました。
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