こんにちは、インディです。
オリジナルジーンズの製作にあたり、
シルバー素材のトップボタンを作れないか、試行錯誤しております。
私自身、シルバーの彫金の経験は趣味程度にありますが、服飾メーカーさんのようなノウハウなしで副資材(パーツ)をイチから作るなど出来るのか?
ひとつの大きなチャレンジです!
これまでの経緯を、順を追ってお話ししていきます。
シルバーのボタンを実現するためには、構造と強度が問題
「鉄ボタンと同じような型を作って、素材だけシルバーにすれば良いのでは?」
と安直に考えつつ、アリモノの鉄ボタンのサンプルを手にして見ました。
ぱっと見、出来そうに思うのですが、
このパーツをジーンズにセットするには特殊な機械を使い、
この裏の鉄部分を、針が出ているパーツで貫通させて押さえなければなりません。
シルバーをプレスして貫通させるなんて、聞いたことがない。
サンプルを見て初めてこの構造を知った時、シルバーでは出来ないと思いました。
(…普段、ボタンの取り付け方法とか気にしないですからね。)
裏のパーツは鉄のままで、表面にシルバーのプレートをロウ付けする、という手も考えましたが、鉄は溶接するものであり、銀細工に用いるロウ付けでは保持強度が出ません。
ジーンズのボタンのように負荷を日常的にかけるパーツへは不向きだと判断。
そこで、別のボタンで参考になるパーツを探して見ました。
このドーナツボタンの構造は、一つの候補になり得ます。
ドーナツボタンの取り付けの仕組みは、底部に穴が空いていて、
その穴に特殊な機械で針の出たパーツを挟み、デニム生地と押さえるもの。
これであれば、メインのドーナツボタン部分を銀で鋳造すれば、理論上は出来るはずです。
しかし、このドーナツボタンの底の部分に開けられている穴と穴の隙間が狭いため、
鉄よりも耐久性が劣る銀の場合、使用を繰り返すと破損する懸念が頭をよぎります。
実際に着用テストして見ないと分かりませんけど。。。
色々考えを巡らし、行き着いたのがこちら。
私が前回のブログでもご紹介した、鉄と真鍮のコンビのアリモノのボタン。
このボタンの場合、
鉄のボタン部分を、上下の真鍮パーツで挟んで押させるという、シンプルな構造になっています。
使用に伴う耐久性は上下の押さえのパーツ(真鍮)に依存している構造のため、
これであれば、鉄の部分を銀で鋳造し、上下で押さえるパーツはアリモノを使うことで、
強度面が確保できるのでは、と考えました(私の想像で…)。
いかんせん、このような構造で作られたシルバーボタンのサンプルが無いため、最終的には作った上でテストして判断する必要がありますけど。
ここまで決まれば、これを製造してくれる工場を直ぐに探したい、、、ところですが、
アリモノのボタンの素材をただシルバーにするだけでは面白く無い!
AiiRI DENIM WORKSのデザインコンセプトを落とし込んで、一本のジーンズの世界観をより深く作りこみたいと思います。
↓デザインコンセプトのお話はこちら↓
シルバーボタンのデザインを製作依頼する
ネイティブアメリカン(インディアン)へのリスペクトというデザインコンセプトですが、
ネイティブアメリカンと銀細工の関係性は深く、ジーンズが世に広がった1800年代末から1900年代は、彼らのシルバージュエリー文化が花開いた時代でもあります。
そこで、シルバー素材をボタンに使うのであれば、「ネイティブ系コンチョのデザイン」を踏襲したいと思いました。
そのイメージをデザイナーさんに伝え、デザイン作業に入ってもらいます。
デザイナーさんはここ↓を使って、依頼します。
海外のクラウドワーキングのサイト。
多くの国の人が参加しており、早くて、安い。
膨大なデザイナーの中から、過去の作例を見つつ依頼したいデザイナーを選んで、コミュニケーションを取るだけ。
デザインの指示は基本、英語になります。
今回のボタンのデザインの依頼=指示書はエクセルにて、こんな感じで作りました。
このボタンをシルバーで作ろうとしてるんだ。
そこで、この表面のデザインを依頼したいんだよ。
真ん中の部分はデザインをしなくていいんだけど、真鍮のパーツをつける形になるから、こんな太陽っぽいイメージではどうかな?
あと、周りにブランドネームも入れて欲しいな。
僕はネイティブ(インディアン)の文化が好きなので、できればこんなコンチョのイメージを落とし込んでもらいたいんだ。でも複雑なのは生産できないからダメよ。
って感じで依頼しました。
3日ほどで、こんなデザイン、作ってくれました。
ネイティブ(インディアン)カルチャーで重要な意味を持つサンマーク(太陽)をあしらい、シルバーコンチョらしい雰囲気がありながら、ブランド名も落とし込んでくれました。
シンプルで、いい。
この後、文字の大きさ、センターの穴の大きさなど、実際の製造を想定したデザイン微調整の指示を出し、完了。
ちなみに、このデザインの依頼料は5USドル。
お昼のランチ代くらいですね。
次回は、シルバーでボタンを作ってくれる工場を探すのと、
このデザインを落とし込んで実際のボタンにするまでの工程をお話します。
本日もご一読、ありがとうございました。
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