こんにちは、インディ(@aiirodenim)です。
間も無くリリースさせて頂く、サードウェーブな半袖デニムシャツ『Billy(ビリー)』。

このBilly(ビリー)という名前をつけた理由について、今日はお話しさせて頂こうと思います。
この名前はあのアメリカ西部開拓時代の実在のアウトロー、Billy the Kid(ビリー・ザ・キッド)から取っています。
彼を題材にした映画『YOUNG GUNS』は、私の最も好きな映画の一つです。

しかし、今回のプロダクトが彼自身をイメージしたデザインか…というと、そうではありません。

今回のシャツの企画にあたり、私自身、これまで様々な半袖のデニムシャツを着てきましたが、どれにも満足が出来ず、
「暑い夏でもデニムの経年変化が楽しめる最高のシャツが欲しい」という想いで2017年から企画を進めてきたのが、このサードウェーブなオリジナルの半袖デニムシャツでした。

そのコンセプトを貫くためには、アメカジブランドがこれまで背負ってきた盲目的な「アーカイブ衣料の再現の必要性」から離れ、
ゼロベースでディテールを考察し、トライ&エラーを繰り返し作り上げていく必要がある、と考えました。
それくらい、どのブランドの半袖デニムシャツも夏場に着用すると不快感が強く、
またシルエットやデザインに関しても夏場のライトなアイテムと相性が悪く、とても夏の定番として着まわせるものではありませんでしたので。

ゼロベースで企画をスタートするということは、イチからシャツを作るということになります。
しかし、私はアパレル業界の人間でもないし、アパレルの学校で学んだこともない。
パターンの知識や、それこそシャツの歴史に関しても詳しく無い。
シャツ作りを専門に仕事にしているブランドの方々とは、到底知識と経験で及ばない訳です。

特にシャツを作り上げるには、テーラードの最低限の知識が必要と言われます。
直線のパターンの多いジーンズとは、モノづくりのプロセスが違うという訳です。

冒頭の理由で、私がオリジナルのシャツを作りたいと言い出した時に、
一部のプロの方から「知識も経験も無い素人が、シャツを作るのは無理・無謀」と言われたりしました。
その方々からすれば、私が大きな失敗をしないために、良かれと思って忠告してくれたのでしょう。

しかし、私は常々考えるのです。
アパレルに限らず、知識や先入観が無いからこそ、生み出せるものがある、と。
そもそも、その性質上、毎年代わり映えの無いアメカジブランドの商品群に業界の停滞感を感じて作ったのが、オリジナルジーンズ【Cherokee(チェロキー)】でしたし、
素人だからこそ出来る固定観念に捉われないモノづくり=サードウェーブなモノづくりの魅力は、
アパレル業界自体を面白くする可能性があると今でも信じています。

それに私自身、このアイイロデニムワークスをブランドとは思っていません。
私自身が好き&満足出来るものを作ることが最優先で、
売れる・売れないも関係ないし、利益率も二の次で、
トレンドや売れ筋を意識することもありません。
だからこそ、経験も資金力もあるブランドには作れないけれど、個人の私には作れる…そんなプロダクトがあると思っています。

私がこのオリジナルの半袖シャツを作り上げる4年間の道のりは、アパレルの企画セオリーとはズレた、プロが見ると腹を抱えて笑ってしまうくらい、素人丸出しのプロセスだったかもしれません。
しかし、それで新しいものが作れるのであれば、良いでは無いか?と。
常識から見たら「ならずもの」「アウトロー」なプロセスの作り方で、良いでは無いか?と。
ならずもので、
アウトロー。
…すなわち。

それが、このシャツの名前を『Billy(ビリー)』にした理由です。
アウトローなプロセスのモノづくりも、悪く無いでしょう?

そんな訳で、サードウェーブな半袖デニムシャツ『Billy(ビリー)』、間も無くリリースです。
是非、この『ならずもの』に、皆さん袖を通して見てください。
今の予定調和なアメカジの世界で、
ほんの少し、アウトローな風を感じ取って頂くことが出来るはずですから。
本日もご一読、ありがとうございました。
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