こんにちは、インディ(@aiirodenim)です。
昨今、雑誌への登場頻度が増えてきた「ONE PIECE OF ROCK」。
今日はじっくりご紹介したいと思います。
誰も歩んだことの無い道を進み続ける、挑戦的なジーンズブランドで、
他の小売業・製造業もお手本になるところもあるかと思います。
目次
一人で全て縫製。ジーンズブランド「ONE PIECE OF ROCK」
Lightning(ライトニング)が掲載することが多いこのブランド。
特徴は、裁断から縫製、アイロンがけ、自社で有するミシンのメンテに至るまで、
全ての工程を一人の職人が行うというジーンズブランドです。
その職人というのが、CONNERS SEWING FACTORY代表の小中儀明さん。
もともとのご実家が服飾の仕事だということで、
小学生の頃からミシンを踏んでいたという、ある意味「エリート」な?職人。
滋賀に「FORTYNINERS」と言うアメカジショップも持たれており、すでに20年。
その後岡山でジーンズ縫製の修行後、地元の滋賀に戻って工房を構え、始めたオリジナルラインが、
この「ONE PIECE OF ROCK」になります。
このブランド、いろんな意味で凄い。
沖縄・ダブルボランチと違うところ
一人で全てのジーンズの製造工程を請け負う業者さんはいくつかありますが、
ブランドとして有名なのは、沖縄の【ダブルボランチ】。
ダブルボランチさんの主な制作はオーダーメイドジーンズで、
オーダー主が生地から縫製に至るまで細かく仕様を指定し、
それをダブルボランチの國吉代表が技を振るって、
そのひとのための1本を作り上げるスタイルです。
一方、「ONE PIECE OF ROCK」はオーダーメイドではなく、
決められたモデル(型番)を一人で縫う、というスタイルです。
揃えているモデルがトガっている。
今やレプリカ系を含むどのジーンズブランドでも、
「スリムストレート」とか、「テーパード」のように
トレンドのシルエットのモデルは必ず出しています。
あの4アイテムしかないリゾルトですら、スリム・テーパードはある。
しかし、この「ONE PIECE OF ROCK」は違います。
出しているジーンズのモデルは計6アイテム。
・・・が、その全てが1940年代(太めのストレート)がモチーフ!
・1942-1945 大戦モデル 兵士向け
・1942-1945 大戦モデル ワーカー向け
・1942-1945 大戦モデル 一般人向け
・1946 前期モデル
・1946 後期モデル
・1947モデル
どうでしょう。
業界の常識的には、トチ狂っているとしか思えない商品展開だろうと思います。
しかし、このヴィンテージデニムが好きなファンなら、刺さりまくるラインナップであることは間違いありません。
上記に加え、デニムジャケットが2型。それぞれ大戦モデルと46モデル。
売れる、売れないは関係なく、
自分達が好きなもの・自信があるものを作っている、という意思が明確なラインナップ。
そして、それぞれのモデルの縫製のこだわりが、また半端ではありません。
再現・縫製へのこだわりが異常
この「ONE PIECE OF ROCK」は、「ヴィンテージのディテールの再現」を掲げるブランドです。
ただ、そのこだわりが半端ない。
「大戦モデル」一つをとっても、サンフランシスコ工場、サンタクルーズ工場、などの
工場ごとの仕様も熟知し、それをモデルごとに再現しています。
詳しくは、ONE PIECE OF ROCKのHPを見てみてくださいね。
美しい写真に加え、動画などのコンテンツも充実していますので。
雑誌の記事なども拝見すると、縫製のこだわりが非常に細かく、
「他の職人に依頼するより、自分でやった方が確実」
→今の「一人で縫製するスタイル」に行き着いたのも頷けます。
何よりも、当時と同じ生産背景を再現するために用意された多くのヴィンテージミシン。
小中代表の、そのミシンへのこだわりがHPからもわかります。
だって、使っているそれぞれのミシンの説明があるんですから・・・
こんなの、他で見たことないですよ。(※2017年11月現在、HPからは閲覧できなくなっています。)
そもそも日本国内の縫製工場で、全ての工程にヴィンテージミシンを使っているなんてこと、
あまり聞いたことありません。
世界中探しても、他にどこかあるのかな・・・?
リベットや鉄ボタンなどの副資材もかっこいい
オリジナルの副資材のパーツは、どれもかなりカッコいい。
日本のレプリカブランドが使用するパーツを踏襲して作った、という感じではなく、
ヴィンテージジーンズへの独自の解釈の中でゼロからシッカリ作り込んでいる印象。
作り込んでいるというか、センスありますよね。 そう、センス。
良い意味で「インディーズ感」漂っています。
価格は高いが、金に変えられない体験を「買う」
「ONE PIECE OF ROCK」のジーンズの価格は4万円代からと、レプリカ系ジーンズの価格としては高価です。
しかし私は十分その価値があると思います。
ヴィンテージミシンを全て揃える工房なんて、そもそも聞いたことないですし、
ヴィンテージジーンズに対する確かな知識と、再現のための縫製のこだわり、
それを人に任せず自分一人で全て制作するという小中さん。
この小中さんから作品を買った体験は、購入者にとっては思い出となり、
結果、一生手放せない「相棒」になるはずです。
製造業に夢を与えるブランド
今まで、ジーンズで「特定の職人が縫ったジーンズ」と言うのがブランドになり、価値になることって、ありませんでした。
この「ONE PIECE OF ROCK」の小中さんには、ぜひ世界で認められるその第一人者となって頂きたい。
現場で頑張っているどんな縫い子さんでも、
努力し、卓越した技術を身につけ、こだわりとセンスを研ぎ澄ませば、
いつか自分自身のブランドを世界に発信できると言う夢を与えてくれることになるので。
これは、他の製造業で頑張っている方にも刺激になるお話だと思います。
だから、孤高の存在だと思う。
私はこの小中さん、そして「ONE PIECE OF ROCK」に、
ジーンズブランドというよりも、「彫金職人」と同じ匂いを感じました。
シルバーアイテムが欲しいから買う、というのではなく、
「この人が作った」シルバーアイテムだから、買って身に付けたいのだ、という感じ。
原宿のショップでシルバーを叩いていた、昔のゴローズがそうだったように。
アパレル不況と言われる昨今ですが、
このブランドにしてみれば、それは関係のない話でしょう。
先々、伝説化する可能性のある、素晴らしいコンセプトのブランドだと思います。
このAiiRO DENIM WORKSも、先日コラボレーションプロジェクトを行いました。
新たなデニムの聖地となれ!滋賀県
このブランドが東京でも大阪でも岡山でもなく、
滋賀県から発信されていると言うのが、また驚きです。
小中さんは、CONNERS SEWING FACTORYを通じて人材の育成を行い、ヴィンテージ縫製の聖地として地元の滋賀の街を盛り上げることを目標にされています。
近いうちに世界のジーンズの聖地になるであろう、CONNERS SEWING FACTORY。
関西方面の方は近いでしょうから、ぜひ。
CONNERS SEWING FACTORY 小中代表インタビュー動画
滋賀県の地元の商店街の紹介VTRで小中さんがインタビューに応じている様子が
Youtubeにありましたよ。
【滋賀経済NOW】
コメンテーター席に座る、商店街のお母さんがシュールです。
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