こんにちは、インディ(@aiirodenim)です。
今日は、現在企画を進めているオリジナルの「半袖デニムシャツ」。
そのディテール考察の中でも、最も重要な「採用するデニム生地」のお話です。
オリジナルデニムシャツの制作過程
デニム生地をまた、考える

デニム製品において、その良し悪しを左右するのは「デニム生地」。
オリジナルジーンズのCherokeeの開発においても、採用を決めていたデニム生地を途中でリセットし、更に半年ほど時間をかけてデニム生地の選定をやり直した経緯があります。
テストを繰り返した結果、私が理想としたものと違う経年変化の姿になった為です。
デニム生地というのは実に奥が深く…
インディゴの色味、染めの回数、糸や綿花の種類、織り機の設定、生地の手触りなどから色落ちの姿を想像してみても、それらの要素が複雑に絡みあい、結果はその想像と同じにはなりません。
某大手のデニム生地の専門のメーカーさんですら、「いろいろ考えて作るが、結局、長く穿き込んでみないと結果がわからない」というほど。
そんな訳ですから私が出来ることは、理想のデニム生地を見つけるために様々な機屋さんが作られたデニムを集め、「経年変化テスト」を徹底的に行う作業です。
それは、この半袖デニムシャツでも徹底してきました。
この結果、見つけたデニム生地を採用したのが、これまで着用テストを続けてきたファーストサンプルだった訳です。
反省点
ファーストサンプルでは、色落ちの特徴の違う、選び抜いた8ozのデニム生地を2種類使い、経年変化が進むと切り返しパターンのスタイルに変化していくギミックを搭載しました。
実際に経年変化テストを繰り返し、選んだ生地を採用しただけあって、2ヶ月の着用テストの結果、想定通り細部まで良いアタリが出てきました。
いやー、これはこれで、良いんですよ。
2種類のデニム生地の経年変化のコントラストも面白いですよね。
経年変化だけでいうと、これで良さそう。
ですが。
・・・・・・
夏場のシャツに、8oz。
・・・・・・
結論、暑かった。
シャツとしては通気性、悪いわ、8oz。
我慢すれば、着れなくはないのですよ。(他の某ブランドさんでも8oz以上の半袖シャツ出してたりしますし。)
でも、美しい経年変化を求めるには「愛情を持った穿き込み」が大切であり、そのためには「普段、何気なく手に取る」存在でないと、着用回数は増えません。
そのためには、快適さが損なわれるディテールは極力排除したい。
常夏のタイで着用テストしてたというのもありますが、夏場の湿度でいうと日本の方がジメジメで不快。
ここまでで選んだ8ozのデニム生地のセレクトは棚上げし、よりライトオンスで、もちろん色落ちに妥協しない生地を探すべく、新たにテストを繰り返したのでした。
こんなことやってるから、いつまでたっても出来上がらない(爆)

先の反省から、8oz未満(5.5~7oz)の条件で、コレクトさんの膨大な生地コレクションの中から、色味、質感が好みのものを数点ピックアップ。

そして、経年変化テストを3ヶ月繰り返し、選んだのが。

6.5ozのデニム、ジンバブエコットン。
私もたくさんの生地を今回見てきましたが、10oz以下になると良い色落ちをするデニム生地って、本当に少なくなります。
それが8oz未満となると尚更で、テストしても理想とする色落ちになるものは、ほぼ皆無。セルビッチだろうが、有名な産地の綿花を使っていようが・・・基本的には「のっぺりした色落ち」になっちゃうんですよ。
・・・その中で、テストの結果素晴らしい縦落ちを見せたのがこの6.5ozのデニム、ジンバブエコットンでした。

この生地、裏から見たら、そのムラ感が実感できます。
染めの濃さ、中芯の残り方、ムラ糸と、6.5ozとは思えない作り込みに加え、その色落ちも私の理想にフィット。
しかも、ジンバブエコットンは通気性と肌触りが他の綿花のデニム生地よりも良い特徴があるため…
特有の柔らかさのおかげで、夏場のシャツに最適な生地がピックアップできました。
ただ一つ。
ファーストサンプルのように、2種類選んで経年変化の違いを楽しめる仕様には出来ませんでした。
新たに設定した8oz未満のデニム生地という条件で、私が思う理想の色落ちを見せるデニム生地は、この生地以外に見当たらなかったためです。
それもあり、このセカンドサンプルでは、この生地の経年変化を楽しめるように、各ディテールを詰め直しました。
いずれ、長袖のデニムシャツをやる機会があれば、8ozで2種類のデニム生地搭載仕様をやってみたいなぁ、と思うんですけどね。
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本日もご一読、ありがとうございました。
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