こんにちは、インディ(@aiirodenim)です。
固定概念に捉われていると、本質を見失ってしまう・・・。
今日はそんなことを改めて考えさせられたブランドのお話をします。
目次
中国でハイクオリティなデニムを作りだす「RED CLOUD」
「RED CLOUD」について
さて。
RED CLOUDという、中国発のデニムブランドがあります。ご存じでしょうか?
以前から、ここの作るデニムの色落ちが素晴らしいことは海外の一部で評判になっていました。尚、日本では買える場所は今のところありません。
このブランドが他と比べて珍しいところは、「made in CHINA」を打ち出したブランドであることです。
そう、日本でも、アメリカでもなく、CHINAです。
これを聞いて、みなさん、どう思いますか? 粗悪な品質?
私が住むタイ・バンコクでもPRONTO DENIMが取り扱っているため、モノを実際に見たことがありますが、そのクオリティは日本のアメカジブランドの作るデニムと全く遜色の無いモノでした。いや、むしろ作りは良い方で、私のイメージとしては「リアルマッコイズ」のデニムに近いものを感じました。
前情報なしで、モノを見て中国製と言える人は一人もいないでしょう。
使われている副資材、デニム生地、どれをとっても素晴らしいの一言でした。
副資材の一部はYKK製っぽいですね。尚、現在YKKさんは積極的に中国の工場と直接取引を増やしているそうですが、彼らRED CLOUDの成功は営業する方としては心強いことでしょう。
オリジナリティのある革パッチなど、全て抜かりなし。私たちが固定概念で考える「中国で作られた」ということが全く想像できないクオリティ。糸や織りネームなど、どこまでが中国製かは把握できませんが。
販売価格は決して安くなく、1本のジーンズ2〜3万円のレンジのラインナップながら中華圏を中心に取扱量を増やしており、下手な日本のデニムブランドよりも流通量は多いと思います。
made in CHINAについて考える。
さて、ここからはmade in CHINAに関して、その定義とは何かを考えて見たいと思います。
このRED CLOUDの中国の工房の様子。これを見て、どう思うでしょうか?
彼らが所有するのは、ヴィンテージミシンの数々。これらを使って一部縫製をしているようです。
made in CHINAと聞いて考える固定概念とは、安い生地を使い、安い労働力を使って、流れ作業で大量生産される粗悪なモノでしょうが、それも確かにmade in CHINAですし、
アメリカから探してきたヴィンテージミシンを使って、こだわりのある副資材を作り、それらを中国で縫製をしても「made in CHINA」なのです。
彼らは敢えて「made in CHINA」という言葉を打ち出し、物作りに対しての提起をしています。
made in 〜なんて、言われてみれば商品そのものの品質に関係は無いですよね。ただの生産地表示ですから。日本のアメカジ界としては、今までライバルは国内ブランドでしたが、これからは海外ブランドもライバルになってくるのかも知れません。
RED CLOUDの品質は高く、今以上に世界での評価をあげてくることでしょう。
こういう新しいブランドが出てくるということは、私たち物を選ぶ側も、本質を見る目を養わなければならないということです。
決して広告や先入観にとらわれず、良いものを良い、と呼べる目を養うこと。魂の無い商品に対しては疑問を呈する勇気を持つこと。
made in JAPANではあるが、企画からデザインまで外注に丸投げの日本のブランドさんもありますから。
RED CLOUD 10th Anniversary model
そのRED CLOUDがこのほど10周年を迎え、その記念モデルをリリースするそうです。
USAコットンを使ったオリジナルの13.5ozのデニムを使い、50’s のリーバイスXXを再現したモデル。
なかなか・・・衝撃的なルックスをしています。
これを見て、リーバイスの丸パクリだ!・・・と言えばそうですが、決して非難することはできません。日本のアメカジ業界も十年前までは「古き良きリーバイスにインスパイアを受けた」という形でこれをやってきましたから。
私は逆に感心しました。10年前の・・・(リーバイスから各社訴えられる前の)最も勢いがあった日本のアメカジに、中国が追いついた、と捉えることも出来るからです。
今、このクオリティで、堂々と「このアーキュエイトと赤タブ」を付けれるブランドなんて存在しません。正直、記念に買っておきたいくらい。
ひょっとすると、この記念モデルはリーバイスから怒られることも想定し、世界から注目を集めるための戦略かもと思ったりしてます。(普段の彼らの物作りは違うテイストなので)
まとめ
あれから10年。今の日本のアメカジ業界、物作りはどう変わったでしょう。
世界に視野を広げると、面白いブランドは沢山あります。「made in CHINA」に対してネガティブな固定概念を持ち、「made in JAPAN」という名の下で胡座をかいていては、本質を見失います。
物作りのクオリティで他国に抜かれるとか…「うさぎと亀」の童話のようにならないことを、ただ祈るのみ。
我々ができることは、日本の中でも本当に良いブランド=魂を込めて物作りするブランドを見極め、そこを応援することだと思うのですよね。
今日の一枚
木のトンネル
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本日もご一読、ありがとうございました。
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