岡山・児島のコレクトのショールームでデニム生地を選ぶ。

コレクトのデニム生地 オリジナルジーンズ
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こんにちは、インディ(@aiirodenim)です。

先日、仕事で日本入りした際に、用事の合間を縫って弾丸で岡山・児島入りしました。

目的はオリジナルジーンズで使うデニム生地の再考のために、

デニム生地のメーカーであり、商社でもあるコレクトさんのショールームに選びに行こう、と思いまして。

事前に来館のお電話をさせて頂き、児島へ向かいました。

その時の様子を本日はお伝えします。

目次

オリジナルジーンズのデニム生地を選ぶ

コレクトさんは生地のメーカーであり、生地の商社。

コレクトのデニム生地 オリジナルジーンズ

岡山、児島駅から徒歩10分くらい。

コレクトのデニム生地 オリジナルジーンズ

JAPAN BLUE CO.,LTDの看板。

コレクトさんは「桃太郎ジーンズ」や「JAPAN BLUE JEANS」を企画販売もしているJAPAN BLUE CO., LTDの事業部の一つになります。

コレクトのデニム生地 オリジナルジーンズ

倉庫や民家が多い界隈に、一際目立つおしゃれビルがJAPAN BLUEさん。

コレクトのデニム生地 オリジナルジーンズ

若干、カオスな玄関。

ここからコレクトさんの生地のショールームのある3Fに向かいます。

コレクトさんのショールーム

コレクトのデニム生地 オリジナルジーンズ

部屋に入ると、すごい種類の生地に圧倒されました

こんな現場・光景が初めての私は、立ち尽くすのみ。

デニムはもちろん、それ以外のテキスタイルも沢山あります。

コレクトさん自身が企画し製造している生地もあれば、他の生地屋さんの生地も卸で取り扱っているため、とにかく展示サンプルの種類が多い!!

コレクトさんの特徴は、卸兼、製造メーカーさんなのですよね。

どの業界でもそうですが、

卸や販売を行う会社が自社でオリジナル商品(生地)を作るのはメリットが大きくて。

なぜなら、卸で取り扱う様々な商品の中で、今何が売れているか、売れているポイントはどこか、欠点はどこかということを、より消費者に近いところで把握できる訳で、

それらを自社商品にフィードバックして企画生産できるのですから

コレクトの担当者さんにお話を伺う

 

コレクトのデニム生地 オリジナルジーンズ

大好きなデニム生地に囲まれて、興奮を抑え切れません。

しかし、この生地の大海原の中から、私が好きな生地をどうやって選ぼうか。。。

事前に来館したい旨のお電話を受けていただいたコレクトの安信(ヤスノブ)さんに今回のお礼がてら面会させて頂いたら、

ご丁寧に、様々なデニム生地にまつわる話をしていただけました。

コレクトのデニム生地 オリジナルジーンズ

こちらがコレクトの安信(ヤスノブ)さん。好青年を絵に描いたような方でした(^^)

普段は海外向けの業務に携わっているそうです。

コレクトのデニム生地 オリジナルジーンズ

来館予約をする際に自分が探している生地をちょっとお話ししただけなのですが、

「こんなの好きでしょう?」的なサンプル集を、安信さんが予めピックアップしてまとめてくれていました

なんと親切な!! なんと丁寧な仕事!!!

現場で立ちすくみながら、

このショールームのデニム生地を「全部見るのは無理や・・・」と思っていたので、

おかげさまで大幅に時間が短縮できました。

(ちなみに、撮影及び掲載許可は頂きましたが、生地の品番だけはNGとのことで、そこは伏せさせて頂きます。)

とはいえ、ピックアップされたサンプルだけでもこんなにある。。。

セルヴィッチで、だいたい13~15oz前後の生地をピックアップ頂いてました。

驚くことに、これでも、コレクトさんのオリジナルデニム生地の中でも一部です。

W幅(力織機ではなく、革新織機耳の無いデニム生地)のオリジナル生地も沢山ありましたよ。

キバタのデニム生地とは整理加工をされる前に出荷した生地

キバタのデニム生地ってよく聞きますよね。

キバタのデニム生地とは、整理加工をしていない生地です。

整理加工とは、デニム生地を織った後に毛焼き、スキュー加工、サンフォライズ加工を行い、

毛羽立ちを抑え、ねじれを防止し、縮みを抑える加工を施します。

通常、デニム生地は洗濯したり履き込むうちに、どんどん生地が捻れ、縮んでいきます。

それでは生産の都合が悪かったり、また消費者のクレームに繋がるので、ほとんどのジーンズは整理加工してあるのが一般的

しかし、セルヴィッチジーンズファンの中では、捻れ、縮むキバタのデニム生地の風合いを好む人も多いです。

キバタのデニムが高級品、と言うイメージがあるかと思いますが、

希少品ではあるが、高級品とはちょっと違います。

と言うのも、キバタのデニム=整理加工をする前のデニム、ですから、その加工コストが全くかかりませんから。

ただ、需要がないので、作っているところが少ない=希少性があり、値段を高くしているところもあるかもしれませんね。

今回コレクトさんで、いくつかキバタのデニムを見させていただきました。

コレクトのデニム生地 オリジナルジーンズ

例えば右の生地と、左の生地。

色味や雰囲気が違うように感じると思いますが、

どちらも同じ糸、同じ織り方、同じ染めのデニム生地です。

違いは、右は「整理加工された生地(防縮加工済み生地)」で、

左は「キバタの生地(防縮加工されてない生地)」なのです。

デニム生地の世間一般の需要としては整理加工済みのものの方が高く、

生地の工場は、整理加工済みの生地を作るついでに、同じ生地でキバタも作ろうか、という感じで一緒に仕込むことも多いそうです。

で、そのキバタの生地、やはり雰囲気が良い。

コレクトのデニム生地 オリジナルジーンズ

ザラザラ、うねうね、ゴワゴワ

同じ染め、同じ糸、同じ織り方とは思えないくらい、表情が違います。

しかし、

生地の工場は、整理加工済みの生地を作るついでに、同じ生地でキバタも作ろうか、という感じで一緒に仕込むことも多いそうです。

このお話を聞いたことで、キバタだから良い、という考えは改めることにしました。

私がキバタの生地を選ばないその理由

 

<理由①>

今回、コレクトさんで生地のサンプルを見させていただいたのですが、「キバタの生地」は選択肢が少なかったのです。

キバタのデニム生地とは、先に記載した通り、整理加工前に出荷する生地のことを指します。

と言うことは、

極端な話・・・

悪い糸、悪い染め、悪い織りをしたデニムでも整理加工前に出荷すれば「キバタのデニム生地」と言えます。

デニムの色落ちの良し悪しは、結局のところ、糸・染め・織りが重要な訳で、

「キバタ」と言う言葉を盲信してしまうと、本当に良い生地を見逃してしまうと感じました。

キバタデニムは選択肢が少ないので、良い生地に出会える可能性を閉じてしまうことになりますから。

私が「ジンバブエコットン」で得た反省が、ここで生きています。

<理由②>

それに私自身、折り目が前に来るほどのジーンズのねじれは見た目が好きではありません

キバタのデニムを選ぶ理由は色落ちの風合いであって、ねじれがあるからカッコいいと思ったことはありません・・・。

よって、キバタだろうが、整理加工済みだろうが、「色落ちの良さ」を追求して選ぶべし、と思いました。

<理由③>

また、コレクトの安信さんによると、思っている以上にキバタのデニム生地を使うのは、ジーンズを生産する上で扱いがかなり難しいとのこと。

整理加工をされていないため、縮率が安定しない=製品として安定しないためです。

ノウハウや工場との信頼出来てない中、初めてジーンズを企画しているのであればオススメしない、ときっぱりアドバイスを頂いたのも影響しました。

このブログを通じて企画しているAiiRO DENIM WORKSのオリジナルジーンズは、

よくあるリーバイスの501タイプのジーンズとは違います。

シルバー925のオリジナルボタンだったり、バックポケットの形状だったり。

イレギュラーの要素をいくつか導入しているため、安定しないキバタの生地を使うのはリスクが高いと判断。

よって、今回コレクトさんで選べるデニムの中で、キバタは選択肢から外しました

EVISUも整理加工済みジーンズ

それに、整理加工された生地だからといって縮まないという訳では無く、色落ちが悪いという訳でもありません

分かりやすいところで言うと、

EVISUのNo.1デニムはキバタのデニム、No.2デニムは整理加工済み(サンフォライズ)のデニム。

No.2デニムの色落ちも素晴らしいですよね。

もしシンプルな501タイプのオリジナルジーンズを企画したいと考えている方は、

初めての生産でもキバタのデニムに挑戦しても良いと思いますが、

何より重要なのは、糸であり、染めであり、織りである、ということ。

悪いデニム生地でも、整理加工前はみんなキバタ! これを肝に命じておきましょう。

あとは、キバタでは無いデニムから選んだ後で、「このキバタはありますか?」って生地屋さんに聞くのも良いかもしれませんね。

悩んだ末、11種類のサンプルをピックアップ

コレクトのデニム生地 オリジナルジーンズ

今回、コレクトさんのオリジナル生地から、検討したい生地サンプルを11種類、選ばせて頂きました。

前回、素人の頭でっかちで進めてしまった反省を生かし、「ジンバブエコットンだから」「弱テンションだから」というような文字ベースでの先入観を頭に入れることなく、

オンス(生地の重さ)の情報と、五感(手触りと織り・染めの目視)を頼りに。

これに、これまで私がサンプルで使用しているデニム生地を併せた12種類。

このサンプルを元に、自分が納得いくまで検討したいと思います。

生地サンプルは無料

この生地サンプル(だいたい20cm四方)は、コレクトさんでは無料で頂くことが可能です。

(後で沢山生地を発注してくださいね、と笑いながらお話して頂きましたけど・・・)

ただし、このサンプルは倉庫の方と準備いただくのに多少時間がかかるようです。

私の場合は翌日発送頂く形になりました。

デニム生地の購入もその場で可能

展示してあるサンプルのうち、在庫のある生地であれば、メーター単位で購入が可能です。

生地によって単価が違いますが、

セルヴィッジデニムの場合、だいたいメーター単価が1,000円〜という値段になっています。

中には本藍染の生地は5,000円ってものもあり、まさにピンキリですけど。

この生地の金額にカット単価が加わります。

これは生地を切る手間賃みたいなもので

10mまでなら1,500円、20mなら3,000円、っていう感じになっていました。

コレクトのデニム生地 オリジナルジーンズ

コレクトさんのオフィスから見えるのは、地元ののどかな風景。

コレクトさんのショールームの利用方法

事前に電話で来館する時間を予約すれば、誰でも入館が可能とのこと。

コレクトさんのお電話と住所はこちらです。

住所:岡山県倉敷市児島味野4047-8 ジャパンブルービル 3F

TEL:086-473-4760(COLLECT事業部直通)

 

今、オリジナルのジーンズを作ろうと考えている方、

また、将来的に作りたいと考えている方は

「誰でも入館可能」なので、事前予約の上で一度現地を訪れてみて損はないかと思いましたよ。

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本日もご一読、ありがとうございました。

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2 件のコメント

  • 福岡より ご連絡 致します。児島のデニム生地購入いたしました!
    頑張って 形にしてみます。

    • >福本さん
      メッセージ、ありがとうございます。
      きっと素敵なデニム生地に出会えたことでしょう(^^)
      何を作られるんでしょうか〜? 楽しみですね。ぜひまたご報告頂けると嬉しいです。
      いつでもコメント、お待ちしております。

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    ABOUTこの記事をかいた人

    ジャパンデニムの魅力・アメカジの魅力にハマって20年。 ジーンズへの好奇心が日々増大し続ける40代、インディです。 このブログのおかげで、自分の長年の夢であった「最高のジーンズを作る」ことが実現できました。 今は、さらにモノづくりの魅力に変態的にのめりこんでしまい、 メーカーさんも企画しないような、マニアックなディテールのアイテムをマイペースにリリースしています。 このブログを通じて、日本の物づくりの素晴らしさ、そしてプロダクトのディテールの魅力を伝えていくと共に、 自分のオリジナルプロダクトを企画したいという同じような夢を持つ仲間たちに向けて、様々なノウハウをシェアしたいと思います。