こんにちは、インディです。

オリジナルジーンズのプロジェクトで進めている、
【シルバー925】素材での、ネオバボタン(ボタンフライ)制作。

左はトップボタン、右はボタンフライ。
デザイン、型、全てオリジナルで制作しました。
実物を手に取ると、ずっしり、ヘビーです。

このボタンは現在、ファーストサンプルで着用テスト中。
タイのシルバージュエリーの工場と何度も打ち合わせを重ねてきて、ここまでに至ります。
(経緯は過去の記事をご参照ください。)
その結果、半年を超える着用テストにおいても、強度的にも風合い的にも問題ありません。

これで完成・・・としておいてもいいのですが、
人間、欲が出るもの。
「もっと良いものを。」と思うと、居ても立ってもいられなくなり、
再び工場とアポを取り、頭に浮かんだ改善点を要望すべく、打ち合わせを行いました。
修正の様子と合わせて、せっかくなので工場のこともご紹介したいと思います。
目次
シルバーボタン制作に協力頂いている工場【Y&J GEMS】
場所はバンコクの郊外

場所は、タイ・バンコクの中心部から電車で20分ほど行った郊外の「Bearing」という地域にあります。
超大都会のバンコクから少し離れただけで、戦後の日本のような片田舎の風景が広がります。
駅からバイクタクシーに乗り15分ほどかけて来るのですが、30タイバーツ=90円くらい。
常夏の国の風を切って走って来るので、とても気持ちが良い時間。

そして、Y&G GEMSに到着。
地元のタクシー運転手でも分かりにくい場所にあります。

厳重なセキリティの奥にある敷地内は広く、地域でも目立つ大きな建物、これが今お世話になっているY&G GEMS。
オフィス兼 工場になっていて、ここで企画・デザイン・生産の全ての作業が行われます。
オーナーのMr. Kirkさんと、彼らの仕事

会社のオーナーは台湾人のMr.Kirkさん。
この方が自ら、今回のシルバー925のボタンの制作に携わってもらっています。

同工場は、主に流線型を多用する女性向けのジュエリー(シルバー、ゴールド、プラチナの指輪やネックレス)、また部屋に飾る貴金属の装飾品の企画・開発を主に行っています。
で、こういうネイティブテイストのものづくりはあまり経験なく、
さらに言えば、シルバーでジーンズのボタンを作るなんてことは初めて。
そんなこともあり、実際にジーンズに取り付けられたサンプルのボタンを見て、彼らも嬉しそう。
シルバー925ボタンを更に良いものに。
手触りと重量にこだわる。

今回依頼したい改善点というのは、
・もっとヘビーに、シルバーの厚み増し。
・ボタンの背面のエッジに、ほんの少しR(カーブ)をつけること。
実に微妙な修正なのですが、
ボタンはジーンズを履いていると毎日何回も手で触れるパーツ。
なので、その手で触る触感や、感じる重量に関して納得出来るまでこだわってみようと思います。
もう、微々たる差のところですし、いわゆる「感覚」的な部分ですが、デニム生地と同様に大切なところなので。
“個人”だからこそ出来るジーンズを目指す
今回の微妙な改善のためにも当然、時間とコストがかかってきます。
しかし、個人による企画のため、納期やコスト問題も関係なく、こういう修正・改善がトコトンが出来る。
もちろん、生産現場のご協力があってのことなので、感謝以外の言葉が見つかりませんが。
メーカーさんには出来ないジーンズが作り出せる可能性、
これがサードウェーブジーンズのメリットだと思います。
denimbaさんのbridgeが、その良い例ですよね。

このシルバーのボタンを彼らとゼロから打ち合わせを始めてから今日まで、
すでに1年近く経つかもしれません。
初めのうちはお互い慣れないモノづくりのため、
私がやりたいことと、工場で出来る・出来ないの意見で衝突もありましたが、
そのハードルを乗り越え試行錯誤した結果、すでに技術的な問題は解決済。
今回の細かい改善依頼に関しての難易度はそれほど高くなさそうです。
サンプル製作まで1週間

エンジニアを交えて、さらに細かく詰めていきます。

打ち合わせは20分ほどで終了。
このあと、エンジニアはすぐさまCADに向かって作業を始めてくれました。
質感・触感まで改善させたこの新しいシルバーボタンは、1週間ほどでサンプルが出来る見込み。
このボタンを次のジーンズサンプルに装着し、着用テストを再び行います。
かなり自信のある改善なので、仕上がりが楽しみです。
シルバー925ボタンと鉄ボタンの違い

ちなみに、このシルバー925のボタン、ジーンズに着用して使ってみると面白いことに気がつきます。
見た目はギラついた輝きですが、触れると鉄ボタンよりも柔らかみを感じる点。
使えば使うほど、磨かれて輝きが増すという点。
使わなければどんどん酸化して、黒ずむという点。
鉄ボタンの経年変化とは「逆」なんです。
使わなければ、スネて黒くなっちゃう。自動巻の時計と、一緒。
本日もご一読、ありがとうございました。
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