こんにちは、インディ(@aiirodenim)です。
私が20年間抱いている、疑問。
1990年中頃、ナイキのエアマックス95のブームを皮切りに「ハイテクスニーカー」と呼ばれたムーブメントが巻き起こりました。
ブームのきっかけ自体はこのエアマックス95でしたが、もっと大局の話をすれば、それまでスニーカーは平面上でデザインされたものを立体にして製品化するという手法から、PCの中で3Dでデザインしたものをそのまま製品化することが可能となり、今までの作り方では不可能であった自由で斬新なルックスと新しい履き心地を両立した、未来感のあるスニーカーが各メーカーから続々と登場したことが背景にあります。
ナイキのエアなどのように軽くてクッション性のあるソールであったり、リーボックのポンプフューリーやプーマのディスクシステムのように、テクノロジーを使って履き心地そのものを向上させるものもありました。
そのブームの頃、スニーカーの雑誌か何かで、スニーカーの面白さについて「その時の最新の技術が反映されたギアであること」と語っておられる方がいました。
その言葉、当時の私にとって随分と納得感がある言葉でした。
ただ、その時私は「先々洋服でも、スニーカーのように新しい技術・テクノロジーが使われ、ますます快適な時代が来る」と想像していたものです。
時を経て、あれから20年。
…状況、変わらず。
スニーカーは、ニット編みのアッパーを搭載する技術革新やアディダスのブーストフォームのようにクッション性と安定性を備えたソールが開発されるなど、この20年の間にも歩行やランニングを快適にするための進化を着実にしてきました。
では、洋服ではどうでしょう??
例えばユニクロがヒートテックやエアリズムなどのちょっとした「ハイテク感」を出してますが、あれはあくまでも東レが開発したテキスタイル=生地であって、スニーカーのように形状や素材、パーツ構成をゼロベースで再構築するような、エポックメイキングなものは皆無と言っていいでしょう。
…これ、なんでなんですかね?
同じ「ファッション」にカテゴライズされるのに…。
洋服でも、レーザーでデニムを古着加工するとか、全自動でニットが編める、といったような「生産効率を上げる方法や設備」の開発はされてきました。
ただ、それはあくまでも生産側・メーカー側の都合であって、スニーカーの進化と比べれば着用者が快適になるテクノロジーには結びついて無いように思います。
我々が好きなアメカジは古き良き物作りにロマンを感じているので、私自身も新しいテクノロジーが搭載された洋服に興味が湧くとは思えませんが、これ、昔から抱いていた大きな疑問だったのです。
もっと洋服を工学的な視点から、新しい家電を開発するかのように、洋服を開発するところは無いのでしょうかね。
『ダイソン』が掃除機を再開発し、市場の常識を覆したように、『Apple』が電話を再開発し人々の生活を一変させたように、デザインだけでなく「開発力」を武器にした新しいファッションブランドがいつ出てきてもおかしくは無いだろうな、と思うのですけど。
<2018/7/18 追記>
読者さんから、以下のコメントを頂きました。
私は趣味で登山をするのですが、その重要な装備に当たる衣類は凄まじい最新テクノロジーが施されていますよ。
〜中略〜
ゴアテックス等の完全防水で内側の湿気を逃がしたりする素材、風を通さない素材、ミズノの汗などの水分を熱に変える素材、モンベルの汗をかいても全く臭わず1週着続けても大丈夫なウール編みインナー等々があり、スニーカーと同様に進化してますよ。
テキスタイルの進化によってデザインはよりシンプルになったが為にドラスティックな変化を感じにくいのかもしれません。
昔→64クロスマウンテンパーカー・ネルシャツ・ウールセーター・ニッカボッカー・ハイソックス・レザーの登山靴・帆布のリュック
今→完全防水ハードシェル、発熱インナー、ストレッチが効いた細身のパンツ、ナイロン製の登山靴(見た目スニーカー)
デザインは豚骨ラーメンからそうめんに変わった位薄味になってますね(笑)
洋服の進化は意匠と言える物を削ぎ落とすことが意匠なのかもしれません。
これに私、すごく納得いたしましたので、こちらに掲載させて頂きました。
洋服が進化して目指す先は「快適性」であり、それを突き詰めて行くと切り返しや縫製箇所など少なければ少ないほど良い訳で、どんどん見た目がシンプルになっていく、と。
スニーカーは足に履いてるので目立つけど、進化した衣料はインナーなどに使われていて目立たないってことなのでしょう。
非常に貴重なご意見・ご情報、ありがとうございました。
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本日もご一読、ありがとうございました。
お久しぶりです。またまたコメント失礼します。
洋服はスニーカーの様な進化はしていないとのことですが、意見させて頂きます(笑)
私は趣味で登山をするのですが、その重要な装備に当たる衣類は凄まじい最新テクノロジーが施されていますよ。
アメカジ好きのアウトドアウェアと言えば64クロスやバブアーのオイルドクロスが有名ですが、本格的な登山となるとそれらは全く使えません。
ゴアテックス等の完全防水で内側の湿気を逃がしたりする素材、風を通さない素材、ミズノの汗などの水分を熱に変える素材、
モンベルの汗をかいても全く臭わず1週着続けても大丈夫なウール編みインナー等々があり、スニーカーと同様に進化してますよ。
テキスタイルの進化によってデザインはよりシンプルになったが為にドラスティックな変化を感じにくいのかもしれません。
昔→64クロスマウンテンパーカー・ネルシャツ・ウールセーター・ニッカボッカー・ハイソックス・レザーの登山靴・帆布のリュック
今→完全防水ハードシェル、発熱インナー、ストレッチが効いた細身のパンツ、ナイロン製の登山靴(見た目スニーカー)
デザインは豚骨ラーメンからそうめんに変わった位薄味になってますね(笑)
洋服の進化は意匠と言える物を削ぎ落とすことが意匠なのかもしれません。
>ひでゆきさん
コメント、ありがとうございます。
登山用品…そうなんですね!
別の方からもスポーツ系衣料は同じように進歩している、というコメントもいただき、確かに私の生活範囲ではそれらのに接することが無かったので存じ上げない情報でした。
スポーツはコンマ1秒を競う世界であり、登山に関して言えば生死に関わることもある為、最新のテクノロジーが採用されていっているのですね。
中でも、頂いたコメントで「テキスタイルの進化によってデザインはよりシンプルになったが為にドラスティックな変化を感じにくいのかもしれません。」というのは、非常に納得感がありました。着心地を重視すれば、切り返しや縫製箇所など少なければ少ないほど良い訳で、結果、洋服の進化はスニーカーほど「見た目の変化」を感じない、ということなのでしょう。それらプロユースのディテールが、私も知らないうちに身近な衣料にも採用されていることも少なくないかも知れません。もっと調べて見ます!
この度は貴重なコメント、ありがとうございました。