こんにちは、インディです。
スタジオダルチザンが昨今、吊り編みTシャツを皮切りに『スヴィンゴールド』という綿花を使用したアイテムを展開しています。
ダルチザンのHPの説明では、「スヴィンゴールド」とは繊維長が長く、稀少価値の高い最高級綿であるとのこと。
そして、その「スヴィンゴールド」を使ったジーンズがこの夏から発売されるようで、現在は公式HPで先行予約を開始中。
フラッシャーにも大きく『SUVIN GOLD』の文字があります。
この他にもスヴィンゴールド使用のアイテムとして、デニムシャツとデニムジャケットもダルチザンの公式サイトで予約受付中。
ダルチザンはこれからもこの「スヴィンゴールド」を継続的に展開していくのか? は不明ですが、
今日はそのスヴィンゴールド=スビン綿に関して調べてみました。
目次
スビン綿とは?
インドで栽培される交配種
スビン綿とは、インド南部の限られた農家で栽培されている綿花で、インドに自生する在来種であるスジャータ綿と、有名なシーアイランドコットンを掛け合わせて生まれたもの。
繊維が長く、細く、さらに強度もあり、これを用いた製品はシルクのような光沢とカシミアのような肌触りになります。
同じような性質を持つものとしては、デニムファンがよく知る「ジンバブエコットン」がありますが、ジンバブエコットンよりも綿花の繊維が長く、細いため、
ジンバブエコットンのセールスポイントである「肌触りの良さ」に関してだけ言えば、
理論的にはそれを超えるものとなります。
ここ10年ほどは日本の商社と紡績メーカーさんが積極的にスビン綿を使用した糸や記事の開発に携わり、国内では主に女性向けブランドの肌着などに使われてきました。
「スヴィン(スビン)ゴールド」とは。
そのスビン綿の中でも、ブランド名がつけられ、分類されているのが「スヴィンゴールド」。
スビン綿=スジャータ綿とシーアイランドコットンの掛け合わせですが、
その掛け合わせの第一世代で生まれた綿花を「スヴィンゴールド」と言います。
農業的にはF1品種と言い、安定した品質・量が収穫できますが、
毎回交配させる必要があるので、
育成に手間がかかる、という点は否めず、故に希少性が高くなります。
掛け合わせて生まれたF1品種を使って、また栽培して生まれたものを第二世代と呼びますが、
品質が安定しなくなる特徴があります。(野菜の場合だと、形が不揃いになるなど不具合がでます。)
要約すると、
「スヴィンゴールド」は、スビン綿の中でも更に希少性た高く、品質も高いもの。
という理解で間違いありません。
この綿花を使った生地を始めているのが、ダルチザンというわけです。
綿花の価値について
綿花というのは世界中で歴史のある農作物ですが、
現在は主に後進国の地域が産地になっていることが多いのです。
調べれば調べるほど不思議なのが、
いろんな種類の綿花で「最高級の綿花〜」「貴重な〜」というキャッチコピーが使われています。
生産量から見る希少性というのはあるでしょうが、
結局、どれが一番高級なのか? というのは、
ぶっちゃけて言えば、商社のセールストークや営業方針、利益の取り方次第と言えます。
でなければ、こんなにあちこちで「最高級の〜」なんていう言葉、使われない(笑)
肌に触れるものですし、使用用途も幅広いため、
人の好みや製品とのマッチングもあるでしょうから
希少性や価格や商社が用意したセールストークよりも、
それが使われた商品の「良し悪し」で、私達消費者が判断する他ないでしょうね。
特に、今は繊維の長い「超長綿」こそ価値がある、という風潮になっています。
肌触りが「シルクのように滑らか」だからです。
この超長綿とは全く対極にあるのが、我らが日本の「和綿」。
生産量が非常に少なく、手にする機会はほとんどありませんが、
繊維が短い綿花であるため、これで紡績された糸を使った布製品は「ざっくりとした風合い」になります。
ほら、これはこれで、良さそうでしょ?
希少性では圧倒的に和綿の方が高いし、要するにセールストーク=言い方次第ですね。
スヴィン綿を使用したダルチザンのジーンズ
今回、スタジオダルチザンがスヴィンゴールドを使用したジーンズを発表していますが、
その冒頭にご紹介したスタジオダルチザン「D1755」は
インディゴ染めの経糸にはアリゾナ州で栽培されたスーピマ綿を使用し、
肌に触れる方の白い緯糸に肌触りの良いスヴィンゴールドを使っています。
なので、色落ちが「スーピマコットン」の色落ちであり、
履き心地が「スヴィンゴールド」になるモデル、と言えます。
スビン綿のジーンズ・・・このような新しいチャレンジは大歓迎。
一体どんなものになるのか、、、楽しみですよね。
スヴィンゴールドは「ジンバブエコットン」の対抗馬になるのでしょうか???
綿花とジーンズの関係
とは言え、ここからが一番重要。
デニム生地の元は「綿花」であることから、綿花とジーンズには密接な関係がありますが、
良いジーンズの条件と、「希少性の高い高級な綿花」が関係しているかというと、
そうではありません。
ジーンズには、ジーンズに合う綿花があるので。
フルカウントが使い始めた「ジンバブエコットン」は、
今では高い評価を得て多くのブランドも使うようになりましたが、
この「スヴィン綿」が真に評価がされるか否かは、ダルチザンの今後の商品展開次第かと思います。
人の好みは人それぞれ
AiiRO DENIM WORKSのオリジナルジーンズプロジェクトでも、
ファーストサンプルまではジンバブエコットンのデニム生地を使いましたが、
「履き心地」が滑らかな点=ジーンズを履いている「満足感」が少なく、
現在のセカンドサンプルでは生地を変更した経緯があります。
履き心地の滑らかさをネガティブに感じた、という一例です。
デニム生地に関する記事はこちら↓
何事もトレンドがありますし、
今、このダルチザンのスヴィンゴールド使用のジーンズがどのように評価されるのか、
楽しみです。
本日もご一読、ありがとうございました。
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