こんにちは、インディ(@aiirodenim)です。
歴史的に山岳民族が多い地域というのは、多様なテキスタイル文化を持っていることが多いです。
例えばタイ〜ラオスの山岳の国境にかけて点在する様々な民族は、山に囲まれた環境の中で羊毛やヘンプなどの自然素材を使った織り技術の発展、さらに草木染などの自然素材での染色手法が発展。
何より、下界と隔離された山岳で、独自の様式美が生まれた結果・・・
それぞれの山岳民族の織りなすテキスタイル=生地は、我々日本人では発想できないようなデザインと表情を生み出していて、実に興味深い。
そんな魅力に改めて感化され、最近はアンティークの生地を見に、骨董屋を回ることも多くなりました。
そこで手に入れた一冊の洋書が、これ凄かった。
Lao-Tai Textiles: The Textiles of Xam Nuea and Muang Phuan
この『Lao-Tai Textiles(ラオ・タイ・テキスタイル)』。
タイ・チェンマイの生地屋さんに置いてあった洋書。
非常に分厚く重い一冊。美術本といったほうが良いでしょう。
Amazonでは今でも2万円くらいで販売されていますが、現地では2,000円くらいで買えました。
この中にはラオス〜タイの民族とテキスタイルの歴史が、もうビッシリ。
さらに、部族ごとに作るテキスタイルの特徴に加え、多くの作品が掲載されていて、眺めているだけでも楽しくなる。
配色やデザインの参考になるものも沢山ありました。
それこそ、アパレルのデザイナーさんには激しくお勧めできる内容です。
実際に彼らはどうやってこれらの生地を作っているのか?
筆者はかなり踏み込んで、作り方まで細かく調査しレポートされています。とにかく、とんでも無い情報量です。
織りに使う道具にも一つ一つ説明が入っています。
こんなすごい情報量、よく集めてきたな…と感心しきり。
ここに掲載されている作品の数々を見ると、日本人ではとても思いつかないような配色、柄を多く見かけることができます。
逆に彼らから見ると、日本の歴史あるデザインの配色やデザインを見ると驚くだろうなぁと想像しながら読んでいました。
ラオス〜タイの北部では藍の栽培も良く見られ、藍染=インディゴ染めは古くからポピュラーな染めです。
百年前のアンティークの生地にもよく藍染が使われていますし、今でもタイの北に行けば、インディゴ染めの手工芸品を多く見かけることができます。
民族によっては、なんとなく中国の影響を受けていたり、なんとなく中東の雰囲気を感じたり、それぞれが近いエリアに暮らす民族でも多種多様なデザイン様式があることが面白い。
タイの人から見ると、こういうデザインや配色は見慣れたものなのかも知れませんが…私のような日本人にとってはどれも新鮮で、ページを送るたびに「目を奪われ」て見入ってしまうほど。
全て自然素材を使い、天然染めで作られたテキスタイル。
今の時代と比べると限りなく制限がある生産背景の中で、無限とも思えるデザインの数々を生み出す、人間の想像力の尊さと、「手」という道具の素晴らしさ。
モノづくりの究極を、この本の中で見せてもらった気がします。
そんなタイの北部で、最近織られたシンプルなブランケットを購入。
リネンと綿を組み合わせて手織りされた生地からは、ざっくりした風合いがなんとも言えない温かみを感じます。
一部天然の藍染めが施されたブランケット。
引越し先の新居で使おうかな、と。
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本日もご一読、ありがとうございました。
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