こんにちは、インディ(@aiirodenim)です。
今日は、あれから10年・・・というお話です。
10年前の「2007年」はジャパンデニムのシーンを語るときに重要な年で、
これ以前と後では、随分とアメカジ業界の様子が様変わりしました。
目次
2007年に何があったのか?
この2007年、アメリカのリーバイスが日本のレプリカ系ブランドを対象に商標権侵害で提訴したのです。
もう少し詳細に記載すると、
アメリカ・サンフランシスコのリーバイ・ストラウス社が、カリフォルニア州の連邦地方裁判所に日本のジーンズメーカー数社を「バックポケットのステッチとピスネームデザインがリーバイスのものと類似しており、それがアメリカで販売された事により商標権が侵害された」ということで訴えたのです。
果たしてジャパンブランドのレプリカジーンズは、模倣(コピー)なのか?
大変な論争に発展。
しぶしぶ和解に応じるブランドもありましたし、超敏腕弁護士をつけてバチバチに対決して勝利したブランドもあるなど、様々な結末をもたらしたと聞いています。
日本のジーンズはコピーではないっしょ
振り返ってみれば、日本でのジーンズのレプリカ戦争が加熱し始めたのは1997年くらい。
どこが一番ヴィンテージのリーバイスに近づけるかを競争していましたし、雑誌もそれを煽るような記事が読者の人気でした。
当時は(後々問題とされる)赤タブなんてどのジャパンブランドも当たり前のようにつけてましたし、
ポケットのアーキュエイトステッチも、完パクまで行かないまでも、どこまで類似させているかというのも各社行なっていました。
革パッチもリーバイスのツーホースマークをパロって、「違う何か」がジーパンを引っ張りあうデザインなんかたくさん見られました。
それを「面白い」と言って買うファンもたくさんいました。
なんだか、当時が懐かしいですね。
そもそも、シルエットパターンも各社がリーバイスのビンテージを完全にトレースして作っているわけですから…
まぁリーバイス社の訴えたい気持ちは分かりますが、あれらはコピーじゃないでしょう。
赤タブに関しては、実際に登録されてる物でしたから仕方ないと思うけど・・・
アメカジの歴史が変わった
これに関しては各ブランドさんにも言い分はたくさんあると思いますし、煮え湯を飲まされた方もいるでしょう。
いずれにせよ、この年の事件をきっかけに、
アメカジ界で加熱の一途をたどっていた「ヴィンテージジーンズの再現レース」が、勝者不在のまま終焉を迎えたのでした。
リーバイスのアーカイブの再現性という点で頭一つ飛び出ていたウエアハウスもこれを受け、彼らの看板モデルの廃盤を発表したことが何より象徴的な出来事でしたね。
雑誌に至っても「このブランドの、この縫製やディテールが、ヴィンテージと一緒」と言うような、再現比較した記事の構成をしなくなりました。
赤タブすら誌面に映らないように撮影したりと、当時はかなり気を使っていたそうです。
こうやって、2007年を境に、ジャパンデニムを取り巻く環境が大きく変わりました。
あれから10年たった今
今でも、雑誌でヴィンテージの再現性を前面に打ち出すブランドやモデルを殆ど見ません。
その影響で我々消費者も過去のヴィンテージの再現に興味がなくなってきたように思います。
その背景もあり、日本製のクオリティの高さを武器にしながらも、再現性ではなく独自性を高めたジャパンブランドが台頭し、世界で人気を博しています。
桃太郎ジーンズとフラットヘッドがその筆頭格と言えるでしょう。
それはそれで素晴らしいこと。
日本人の物作りやアイデアは、リーバイスのレプリカなどに頼らずとも、世界のファンを魅了するのです。
どの結末がジーンズにとって良かったのか?
ですが、私はたまに、妄想するのです。
リーバイスが訴えることなく、むしろ協力関係を築き、
あのまま日本のブランドが、さらにヴィンテージの再現を極めていったら、今頃どうなってたかな?って。
ひょっとしたら、リーバイスが自ら作ったレプリカが究極のクオリティに到達してたかも知れませんし。
今の独自の進化をしたジャパンデニムの状況も面白いと思ってはいるんですけどね。
ぜひ皆さんの意見も聞かせてくださいね。
本日もご一読、ありがとうございました。
コメントを残す