こんにちは、インディ(@aiirodenim)です。
以前、あるレビュー雑誌にて、『ユニクロ VS 無印良品のジーンズ対決』なる企画がありました。
両社が出しているジーンズを、素材やシルエットなどいくつかの採点ポイントを設け、ジーンズに詳しい数名の識者がどちらの製品が良いのか、勝ち負けを判定するというもの。
その結果が興味深く、…なんと全員一致で「無印良品」の勝利となりました。
その記事を見て、どうも釈然としないものが残った私。
私はアメカジ店だけでなくユニクロや無印良品にも行くし、そこでも全てのジーンズのラインナップを観察しています(これが私の趣味なので…)。
モノの好みは人それぞれ違うので、最終的に「無印良品がよかった」という判定がされるのは仕方ない…でも、識者がそろって全員一致って、そりゃないだろうと。
あの記事だけ見たら、ユニクロのジーンズが悪いように見えるでしょうさ。いやいや…ユニクロにも良いジーンズ、ありますから。
そこで、今回。
…真剣に「ユニクロで今買える、一番おすすめのジーンズ」を選んでみました。
本当にユニクロや無印良品の品質は悪いものなのか?
当然、2万円を超えるJAPAN MADEのジーンズとは素材の質や縫製への「職人的なこだわり」において比べ物になりません。しかし「日常着る洋服としての品質」とそれは別物ですし、あの低価格で良い商品を開発するための努力と技術、それもある意味「職人の技」である訳ですから。
本日はそんな、「ユニクロで買うならこんなジーンズ」。
目次
ユニクロのおすすめメンズジーンズ「スリムフィットダメージジーンズ」レビュー
概要
今回、数あるユニクロのジーンズの中から選び出した「今買えるユニクロ最高の一着」は、この『スリムフィットダメージジーンズ』です。
私がこれまで多くのジーンズに触れてきた経験を元に、
- 素材の良さ
- シルエットの良さ
- ルックス(加工)の良さ
- 価格のバリュー感
という基準で、ユニクロの店頭で今買えるものの中から選びました。
ユニクロの品番では【スリムフィットダメージジーンズ407406(64 BLUE)】というものになります。バングラディッシュ製です。
商品のリンク先→ https://www.uniqlo.com/jp/store/goods/407406/
ユニクロのHP掲載の写真と実物は色味が随分と違います。実物の方が断然良い。
シルエットは股上浅めのスリム。膝から下のラインも秀逸で、綺麗めアイテムを中心に様々なスタイルにマッチする万能選手となります。
カイハラ製のデニムの生地感の良さ
まず、このジーンズをユニクロの一番とした理由はこのデニム生地です。ポリウレタンが混合している生地(ストレッチ素材のデニム生地)って、表面に独特の毛羽立ちが生まれがち。ふわっとして白っぽくなる、安い感じの毛羽立ちというのか…
ユニクロに並ぶ多くのジーンズもそれ…なのです。
一方この『スリムフィットダメージジーンズ』は、日本のデニム生地メーカー=カイハラのものを使っています。やはりポリウレタンが混合されて若干ストレッチ性がある素材ながら、生地表面はストレッチに見えないほど自然なデニム生地の表情を持っています。
これが一番、大きなポイント。着心地も良く、また素材感も損なってない、そんな生地。
もちろん、我々が好きなジャパンデニムのセルビッチ生地とこの生地の「デニムの素材感」を比べることは出来ません。長く穿いて色落ちさせたいなら、2万円オーバーのジーンズを買うべき。
でも、とにかくユニクロで安く、良いジーンズを買いたい場合はこれでOK。生地裏側を見ても、ストレッチ素材に多く見られる安っぽさはそこまでありません。
自然な古着加工
このプライス(3,000円〜5,000円)前後で販売されている、この手の古着加工モデルって、その加工がもうワザとらしいものばかり。
ヒゲを目立つようにガンガン入れて見たり、太ももから膝まで真っ白にしてみたり。メリハリがつけばかっこいいだろ?みたいな「おもちゃ」のようなジーンズ。
でも、見た目かっこいいジーンズって、自然な色落ちのジーンズです。
その点、この『スリムフィットダメージジーンズ』は古着の加工がとても自然でかっこいい。同価格帯のジーンズの中では他社含めてもトップクラスだと思います。
特に特筆すべきは腰のヒゲ部分。色の濃淡さといい、ヒゲの太さや角度といい、かなり自然な経年変化の再現になっています。
青みの出し方もうまい。とにかく、バランスが良い加工。
ダメージ+リペア後の加工もナイスバランス。
同価格帯のジーンズの場合、無駄にリペアの糸補強をガチャガチャとして目立たせるような…実にわざとらしいものが多い中、この加工は「リペア跡を目立たなくするリペア屋さんのリペア」という、実にリアルな加工をしています。
このジーンズを企画した人、相当ジーンズ好きな人でしょうね…。良くわかっていらっしゃる。
ポケット入り口にもダメージをさりげなく入れてます。普通、もうちょっと大げさにやりがちなんですが。
サイドの耳のアタリ(セルビッチではないけど)も自然。
インシームは、ちょっと不自然な加工に見えるけど、許容出来る範囲。
その他のディテール
ユニクロのトップボタン。
ジッパーフライ。
ユニクロ刻印のリベット。
織りネーム。
ポケット位置は高め&小さめ。
ポケットのアタリの出方。流石にセルビッチデニムと比べることは難しいですが、それでも良い線行ってる。ここがストレッチデニムの限界値ではあるかと。
ヨークの巻き縫いと、ポケット上部のおり伏せ縫いのアタリは、これは流石に古着の再現は難しかったのでしょう。ここはかなり不自然。仕方ない。
ストレッチデニムの加工って、このような「生地に対して横方向の縫製に対する加工」が不自然になる傾向があるっぽい。綿100%のデニム生地とはこの点が異なってきます。
だから、このヒップ部分のアタリ(生地に対して縦方向の縫製に対する加工)はマシ。
ベルトループなノーマル。
でも、厚みのあるタイプが採用されていて、立体感があります。
ベルト帯付近のアタリ加工。
裏を見ると、カンヌキリベットが謎のフワフワ生地で補強されてます。
腰横のクインチの縫製。まぁ普通。
裾のさりげないダメージ加工。
とは言え、この裾のアタリもやっぱり残念な感じで、のっぺり。
やはり「生地に対して横方向の縫製に対する加工」が不自然になることを、ここで確信。
一応チェーンステッチなのですが、あまり意味がないのですね。
尚、このデニム生地はセルビッチではなく、ロック処理されたものになっています。
販売価格は3,990円(税別)。
この価格を考えると、加工と生地のクオリティが素晴らしい一着でした。
【まとめ】ユニクロの中では2018年秋時点で最高のジーンズ
いかがでしたか?
今回、ユニクロの店頭に並んでいる全てのジーンズから、私の観点でこの1枚を選び出してみました。私自身は綿100%のデニムが好きなのですが、ユニクロではその選択肢が少なすぎて…結果、総合的な判断で今作を選びました。皆様の参考になりましたら幸いです。
今回選んだ一着もそうですが、今ユニクロでリリースされているジーンズの殆どが「ストレッチ素材(綿にポリウレタンが混合されているもの)」のデニム生地を使っているものです。無印良品のジーンズは全てストレッチ素材だったりします。
今度、無印良品に行って「今買えるMUJI最高の一着」を選んで、レビューしてみたいと思います。
その上で、一度両社で選んだ最高のジーンズを、本気で比較してみたいですね。
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本日もご一読、ありがとうございました。
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