こんにちは、インディ(@aiirodenim)です。
私が今のように、色落ちの楽しめる日本製ジーンズの魅力にどっぷりハマるきっかけとなったのはウエアハウスの1001XXです。
あれは1996年。
関西圏中心に発行されていたファッション誌『カジカジ』でその存在を知り、
毎週遊びに通っていた心斎橋のお隣、南船場の小さな雑居ビルの中にあった、本当に狭い、しかしセンス抜群だったセレクトショップ『TimTim(ティムティム)』で買った、ウエアハウス1001XX。
あれから四半世紀が経った今も大切にしている、一本。
そんな思い入れのあるウエアハウスが今年25周年を迎えるということで、そのアニバーサリーモデル的なものがリリースされるのを楽しみに待っていました。
そして、本日、その25周年記念限定モデルが公式HPにてお披露目!
…あれ??? 特別感が薄い!?
本日はそんなウエアハウス25周年 記念モデルの詳細をカタログスペックで見てみましょう。
今回の記念モデルは1950年モデルと1946年モデルの2種類のジーンズがリリースされるようですよ。
目次
ウエアハウス25周年モデル Lot 1001XX-25(25TH ANNIVERSARY 1950 MODEL)
ディテール
ウエアハウス25周年、記念モデルその1がこちら。
1001XX-25 (1950Model)です。
その名の通り、50年代を意識したモデル。
モデル名だけ見ると特別感がありますが、おそらくこのモデルは多少の縫製スペックの違いはあれど、以前ウエアハウスからリリースされていた【Lot DD-1001(1951 MODEL)】に非常に近いものになります。
シルエットは膝下から裾にかけて緩やかなテーパードで非常にベーシックなスタイル。
ヒップポケットに上下アーキュエイトステッチが入り、縫い付け赤タブあり。
デニム生地はウエアハウスの長年の研究・開発の結果たどり着いたフラッグシップ生地「バナーデニム」を使用。
色落ちに関してはお墨付き。
コインポケットの生地の目は縦使いのため、ポケット口の耳のセルビッチは無し出そうです。
このあたりまでは、ほぼ【Lot DD-1001(1951 MODEL)】です。
バックポケットにはウエアハウスのアーキュエイトステッチ入り。
イエローとオレンジの2色の綿糸を使ったレインボーステッチの特別仕様になっています。
そもそもアーキュエイトは、今の定番1001XXでは入っていないものになり、DD(DUCK DIGGER)シリーズに良く見かける仕様です(とはいえ、通常品番でも入っていることもある)。
もう1本の記念モデルの1946モデルにも言えることなのですが、今回の25周年記念の2本のジーンズは、ウエアハウスの通常品番モデルとDDシリーズの良いとこ取りをした特別モデル、という言い方をして良いのかもしれません。
ベルトループにはライトオンスが使われています。
これはDDの1001にはなかったスペックかと思います。
明確に既存モデルとの違いを伝えるとする、この部分くらい…かもしれません。
フロントVステッチ。
環縫いの先は出しっぱなし。
ボタン裏はDDの1951と多分一緒。
隠しリベット。
25とセンターに刻印されていることから、25周年記念パーツかと思いきや、これまで【Lot DD-1001(1951 MODEL)】や、他のモデルにも使われている、現行パーツらしい。
革パッチ。
これが…私個人的には「ええー〜?」って感じでした。
25周年を記念した「25」の布タグ?ペーパータグ?が縫い付けられているとしても…
革パッチが、「通常営業」。
カタログスペックを見る限り、このモデルのディテールにいつもと比べての特別感は無く、むしろ限りなく「DD-1001」に近い印象なので、【25周年記念限定】とするのであれば、ここくらいはそのアニバーサリーを祝う表現を加えてもよかったのでは?と思います。
ジーンズとしては非常に完成度の高いモデルであることは間違いありませんが。
ウエアハウス25周年モデル Lot S1001XX-25(25TH ANNIVERSARY 1946 MODEL)
それでは、もう1本の特別モデルも見ていきましょう。
ディテール
25周年記念の限定としてリリースされる、もう1本がこちら。
1001XXをベースにした、1946年モデル。
世界大戦が終わり、物資統制も解除され、各製造業のラインが通常に戻っている最中、
リーバイスのジーンズの完成形と呼ばれる1947年モデルに至るまでの、大戦モデルと47モデルの仕様が混在していた時代の、いわゆる「過渡期モデル」と呼ばれるもの。
とはいえ、こちらも先ほどの1950モデルと同じく。
ウエアハウスで2019年の春夏にDDシリーズの「Lot DD-1003XX」というモデル名で、1946年モデルをリリースしています。
今回はほぼ、そのディテールを踏襲した一本になっていると思われます。
シルエットは大戦に近いストレート。
デニム生地は、ここ数年ウエアハウスが新たに開発した、デットストックの大戦モデルのジーンズの糸を分析して織り上げた生地【WW2デニム】を使用。
隠しリベット裏のメッキ。
コインポケット口はセルヴィッチ耳仕様。
比翼(ボタンホール部分)は切りっぱなし。
ボタン裏は、鉄製のドーム型。
フロントVステッチ。
この辺りまで、ほぼ【Lot DD-1003XX】のディテールといったところ。
いびつなアーキュエイトステッチは、今作では「Lot DD-1003XX」よりも更にいびつに変形されています。
フロントの小ボタンは3つボタン。
この部分は大戦期の流れを組んだ、今回の特別仕様かな、と思います。
リベットは刻印あり&刻印なしの2種類が混在したディテールが再現されており、これも特別仕様っぽい。
革パッチが、やはり「通常営業」。
縫製がベルト付近からの一筆&ラフな縫製になっているのが特徴ではあります。
また「25」のタグがこちらも付属。
【まとめ】最高のジーンズではあるが、25周年の記念感は薄い。
以上、ウエアハウスの25周年記念ジーンズの2本のご紹介でした。
もともと妥協なく、完成度が非常に高いプロダクトをリリースしているウエアハウス。
今作は、同社が25年の歳月を経てたどり着いた「今表現できる最高のリプロダクト・ヴィンテージ」の2作と言えるでしょうし、それ故に完成度は高いのは言うまでもありません。
しかし、ウエアハウスの研究熱心さは今に始まったわけでは無く、定番すら年々アップデートしていくのが「いつものウエアハウス」でしたから、
この25周年記念モデルのディテールも「いつもの素晴らしいウエアハウスのジーンズ」と言えるわけで。
言い換えれば、記念イヤーでは無く、26年目にリリースされても全く違和感の無いモデル。
小手先だけの変化球は投げない、と言うブランド哲学が見て取れるとも言えますが、せめて革パッチくらいは華やかに変えて欲しかったというのが、いちファンとしての感想。
皆さんのご意見はいかに?
「ちょうどウエアハウスのジーンズを買い換えようと思っていた」とか、「まだウエアハウスのジーンズを持っていない」という方は、せっかくですからこの2本からチョイスしてみてはいかがでしょうか?
特に後者の、「まだウエアハウスのジーンズを持っていない」という方には、初めての一本として激しくお勧めいたします。(←その場合、ベーシックな1950モデルがお勧めです)
いずれにせよ。
栄枯盛衰激しいアパレルの世界で、一つのブランドが四半世紀も人々に強く指示されるって、凄いことだと思います。
ウエアハウス25周年、おめでとうございます。
本日もご一読、ありがとうございました。
またまたコメント失礼します。確かに特別感は薄いですね。今まで幾度となく特別なプロダクトをリリースし続けてきてもはやネタが無いのかも。たった4年の違いしかないモデルを2つ出す意図は果たして…どちらか一方はLeeのヘアオンハイドのバックルバックモデルとか出してくれたらもっと盛り上がったかも知れないと思いました。
>ひでさん
確かに、Leeコラボの復活とかしてくれると、特別感でて嬉しいです!
25周年モデルを秋冬にもう一発出してくれないかな、と期待したいと思います。
ウェアハウスに問い合わせたところ、秋冬カタログに25週年の対戦モデルが出るらしいので、今回は見送ります。ポケットがカーキかネル生地だったら、2本買っちゃいます。
秋冬に大戦モデルが出るんですね!
情報ありがとうございます。
私が問い合わせした時は、秋冬に25周年モデルの発売予定はあるが展示会前なので情報公開出来ないといわれてらしまいました。
貴重なご情報、ありがとうございます。
スタッフさんごとに返答内容が違うようですが
その返答の内容を聞く限り、ほぼアタリっぽいですね!
楽しみに待たせて頂きたいと思います。
ご情報、ありがとうございます!
なんと、そうなのですね〜!
この春夏カタログの25thだと、かなり弱いですものね。ファンとしても肩透かしで…
本命は秋冬の大戦ということで、随分納得です。貴重なご情報、ありがとうございました。