こんにちは、インディ(@aiirodenim)です。
リーバイスが1942〜1945年(一部1946年)にかけて製造していた501は、第二次世界大戦という時代背景の元、物資の制限に伴う仕様の簡略化が政府より指示されたことで、簡略化バージョンとして【S501XX】という名前で世に出ていました(S=Simplified)。
これがみなさんご存知の「大戦モデル」と呼ばれるモノ。
この【S501XX】は単なる「簡略化」バージョンではなく、戦時中の混乱した生産背景を想像させるように、使われているボタンやスレーキの素材、縫製仕様にかなりバラつきがあり、珍品と呼ばれるほどのイレギュラー品がいくつも発見されています。
そういう「お宝探し」に似た別の楽しみ方がある年代のジーンズとしてヴィンテージ市場では大変な高値で取引されていますし、レプリカデニムでも人気の高いシリーズです。
(なお、この大戦モデルを初めてレプリカ出したのはフルカウントと言われています。)
そんな大戦モデルなので、レプリカする方もある程度自由度高く仕様を設定できます。既製品のドーナツボタンを使ってもいいし、飾りステッチも省いて良い。スレーキの素材やデザインだって、自由。
逆に大戦モデルを見れば、そのブランドのセンスが垣間見えたりする。
そんな訳ですから、私はどのブランドの大戦モデルでも手に取るのをいつも楽しみにしているのです。
・・・という前置きは以上。
先日ウエアハウスから発表された限定の大戦モデル、これがかなり良さそうで。
目次
ウエアハウス大戦モデル【Lot.DD-1003SXX LTD (1943 Model) 】
概要
ウエアハウスの中でも、ヴィンテージジーンズの持つ個体ごとの作り方の歪み・揺らぎも完全再現していくことをコンセプトとする『DDシリーズ』にてリリースされます。
これまでも大戦モデルのラインナップはありましたが、今回は限定版としてペンキステッチを入れたアップデートバージョン。さらに限定のバッグも付いてくるお得仕様です。
ディテール
大戦モデルらしい、左右非対称のバックポケットがまず目を引きます。
オリジナルのペンキを使いプリントでステッチを表現したバックポケット。実際にヴィンテージのデッドストックでもカスれてしまっているものが殆どですが、そんなところも上手に再現。
今回は限定で入れているそうですが、これがあると無いとでは雰囲気が大きく変わりますよね。
スレーキはオリーブカラーのヘリンボーンを採用。ネル生地を使うパターンもありますが、このオリーブのヘリンボーンがより「大戦モデル」らしさを感じます。
ポケットの雑な縫い方・・・これを再現するのは逆にすごく難しいことでしょう。
赤タブは“大人の事情”によりガッツリ縫い付けられた、いつものヤツ。
オーバーロック処理されていない切りっぱなしの小股部分(洗うとデニム生地が解けて糸がビョンビョン抜けてくるやつね)、リベット裏パーツなども雰囲気が抜群。
太めのベルトループは中高仕様。若干オフセットになっている当時の雑な縫製が再現。
トップボタンのみドーナツボタンが使われ、小ボタンはウエアハウスのものが使用されています。大戦モデル=全てドーナツボタンだけではなく、実際にこのような仕様のヴィンテージが発見されています。この逆で、トップだけ通常ボタンで、小ボタンがドーナツのものもあったりしますし。
歪んだステッチを再現したコインポケット。味があります。
エイジング加工が施された革パッチ。実際のヴィンテージの大戦モデルで革パッチが完璧な形で残っているものは殆ど現存しません。「ビーフジャーキー」と呼ばれるくらい、縮み、硬くなり、黒ずんでいる。
そこまでとは言いませんが、そういう世界観で加工が施されています。
スレーキと同じ、ヘリンボーンツイルの袋が付属します。ステンシルの味わいも良く、これだけでも欲しいレベル。
まとめ
久しぶりに良い大戦モデルを見たなぁ、という感想です。全体の雰囲気が非常に良い。それは当時の雑な縫製を可能な限り再現していることも含め、ディテールの積み上げがしっかりされている証拠でしょう。
私もこれまで色々な大戦モデルを見てきましたが、レプリカ的なプレミアムジーンズの中ではトップクラス、さすがウエアハウスだと感じましたよ。
大戦モデルの作り=そのブランドのセンス、という目で皆さんも色々なブランドさんのモデルを眺めて見てください。面白いですよー(^^)
今日ご紹介の【Lot.DD-1003SXX LTD】、現在はウエアハウスのオンラインショップにて予約受付中(※現在は終了)のようです。
価格は27,000円+税。
本日の一枚
信仰
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本日もご一読、ありがとうございました。
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