こんにちは、インディです。
オリジナルジーンズ、Cherokee、引き続き特典付き予約受付中です。どうぞ宜しくお願いいたします。
さて、
「グレーディング」という言葉は、アパレルのメーカーさんやデザイナー、縫製の現場の間では当たり前の様に使われる言葉ですが、一般の方は通常、知ることのない言葉だと思います。
本日はこの「グレーディング」に関してお話ししたいと思います。
グレーディングとは?
グレーディングをお話しする前に、まずはアパレルの企画(ここではジーンズの例)の順番に関してお話ししましょう。
まず、洋服を企画する際に、絵を描いたりして「指示書」を作り、サンプルの制作に入ります。
サンプルの制作ではパターン(設計図のようなもの)をパタンナーさんが起こし、型紙を作り、それを元に生地を裁断して縫製し、サンプルが作られます。
サンプルを作る際には、ベースとなるサイズ一つを決めて作成します。
これを「マスターサイズ」と呼びます。
Cherokeeの場合では32inchをマスターにしました。
そのマスターサイズの細部のディテールやバランスを、サンプルを作り、モノを見ながら修正・調整して研ぎ澄まし、パターンを最終確定させます。
これで、32inchのパターンが完成しました、ということになるわけです。
では、他のサイズはどうするのか??
例えば6サイズ展開のジーンズ全てにおいて、マスターサイズと同じように全てサンプルを作って、細部のバランスを見ていく、というのは非常に手間がかかる作業になります。
ここで「グレーディング」という作業が出てきます。
グレーディングとは、衣服のパターンを効率よくサイズ展開すること。
マスターサイズで決めたパターンをベースに、全体をコンピューターを使うなどで拡大・縮小し、大小各サイズごとのパターンを作ることを言うのです。
拡大・縮小とはこの言葉の通りで、
例えばマスターがウエスト80cmの場合、ウエスト88cmのパンツのパターンへグレーディングする場合、10%各部を拡大する形になります。
ジーンズを企画する際に「グレーディング」という言葉の使い方は、以下の形になります。
「この最終サンプルで製品化OKです。サイズは28~34インチまで、ウエストを3cm刻みでグレーディングしてパターンを起こしてください」
このように、グレーディングするためのある程度の基準を伝えて作業をしていただく形になるのです。
グレーディングで、全てのパターンを拡大縮小しているわけではない
シャツのようにS/M/L という3サイズ展開とは違い、
ジーンズなどのパンツの場合1インチ刻みという形でサイズ展開が多いのはご存知の通り。
そうすると、縫製作業の効率化の中で、一つ面白い事象がおきます。
グレーディング=全てのパーツが拡大・縮小されるか、というと、実はそうではなく、
いくつかのパーツは複数サイズで使い回すのです。
例えば・・・
ベルトループの長さはどれだけサイズが小さくても、大きくても「7cm」固定ですし、
ジーンズの場合、同じ大きさの前ポケット、後ろポケットは、だいたい3サイズで使います(Cherokeeもそうです)。
例えば、28, 29, 30インチで使い回す場合、ポケットの大きさが全て同じであれば28インチのジーンズの方が30インチのジーンズよりもポケットが大きく見える、
というわけです。
非常に微妙な違いですが、同じモデルのジーンズでも、サイズによって微妙にそのルックスが変わることが往々にしてあります。
よく、雑誌で見かけた「モデルが履いてるジーンズ」を自分が履いても、なんか違う・・・となる場合ってあるでしょう?
それは、あなたの体型の問題かもしれませんし(笑)、ちょっとは上記のような原因もあるかもしれませんね。
逆に言えば、
「このブランドの、このモデルの、このサイズは、言葉で説明できない究極のバランス」というのもあるかもしれませんね。
そんな感じで、オリジナルジーンズ:Cherokee(CRK-018)もグレーディングし、サイズを作っていきました。
そうやって作ったサイズ表がこちらでした。
↓↓↓↓
<AiiRO DENIM WORKS online store>
Cherokeeのマスターサイズは32インチです。
アパレルの作業の流れ上、おそらく、このマスターサイズ(32インチ)が「企画者が意図した形そのもの」になるのでしょうが、
グレーディング後、他のサイズの中で、企画者が意図している以上に素晴らしいシルエットのものが出る可能性を考えると、ちょっと興味深いです。
私も、全てのCherokeeのサンプルが届いた時に、一度手元で全サイズ、見比べて見たいと思いました。
本日もご一読、ありがとうございました。
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