こんにちは、インディ(@aiirodenim)です。
先日お伝えした、新しい織りネームの制作作業。
本日はその出来上がりの品に関してお話しします。
織りネームって、我々の着る洋服のほとんどに付いていて非常に身近な存在なのに、どうやって作られているか、その製法や種類などに関してあまり知られてませんよね。
その一部でも皆さんに伝わればと思います。
目次
レーヨン製の新しい織りネームを作りました。
外観
出来上がったものが、こちらです。
シャツの首元につけることを想定して作った、横に細長いタイプのレーヨン織りネーム。
詳細を見てみましょう。
ディテール
サイズは幅15mm×長さ85mm。
ベースは生成り色のレーヨンを使わせて頂いています。
このタイプのレーヨンネームの製作にあたり、長さ方向はどんなものでも対応可能ですが、幅に関してはレーヨンリボンの規格があり、その規格以外だと高くなってしまうので、規格15mmに合わせてデザインを落としました。
サンマークは、このタイプの織りネームの刺繍で表現できるギリギリのサイズです。
織り方を変えればもっと細かい刺繍をすることも出来たりしますが、その分、ネームの厚みが出てネーム自体の通気性が損なわれたりするので、いわゆる普通の織りネームの作り方を採用しています。
シャツ以外の使い道も想定して作ったので、フォントも含めて、アメカジのアーカイブ衣料にありがちなデザインではなく、無機質なテイストにして、その分このレーヨン織りネームの素材感や特徴が伝わりやすいものを心がけました。
「倍越し」で刺繍は立体的に
文字の刺繍が盛り上がって立体的に見えます。
これは「倍越し」と呼ばれる、ロゴやマークなどの特に強調したい部分に、ふた越しの紋糸を打つ技法です。
これによりデザインはシンプルながら、立体感の面白さが伝わる様なものになっていると思います。
端は処理されているので、両端だけ縫製すればシャツなどに取り付けられます。
裏側はこんな感じ。
文字に使用した紋糸がちょこちょこ見えています。
この文字に使用した紋糸をネームの裏全体に走らせるフルバックという手法もあり、そっちの方がネーム全体の色調が均一に見え、仕上がりとしては美しい(面から見たときに、裏糸が透けない)のですが、
糸が増えることでネーム自体に厚みが出てしまいますし、それが夏場のシャツの着心地を少し損なう可能性があったので、採用せずです。
【まとめ】織りネーム作りはとても楽しい。とても。
ということで、新しい織りネームのお話でした。
自分で作ったデザインが、実際に織りネームになるってすごく楽しいのです。
発注をさせて頂いてから、実物が届くまでの間のこのワクワク感は、異常。
制作の工程で言えば、最後はお渡ししたデザインを刺繍する糸の配置に落とし込む職人の技術があってのもの。
変なデザインだったとしても、職人さんたちがそれをしっかり作品の形にしてくださる。
職人さんたちに感謝!
今回も素晴らしい作品を制作頂いた株式会社協同さん、どうもありがとうございました。
本日もご一読、ありがとうございました。
コメントを残す