こんにちは、インディ(@aiirodenim)です。
私はかねてから、アメカジ関連の雑誌やムック本の多くに目を通します。
最近では電子書籍で買うことも増えましたが、保管しておきたいと思うものは紙媒体で購入して本棚に並べます。
ずらっと本棚に並ぶ、数あるアメカジ関連書籍。
今でも良く手にとって読みまくっているものもあれば、まったく読まなくなったものもありますが、
そこに並ぶお気に入り書籍の中でも、「お気に入り」「超お気に入り」「できれば2冊買って、1冊は保管用にしたい」と思うものがいくつかあります。
今日ご紹介する本は、私の中でお気に入りの頂点に君臨するうちの1冊。
『ZIPPER GEAR』(青田 充弘 著)です。
本日はこちらを簡単にご紹介したいと思います。
目次
『ZIPPER GEAR』(青田 充弘 著)
レビュー
今日ご紹介するのは、2013年に発行された、青田 充弘氏による『ZIPPER GEAR』です。
とにかく、私史上、最高にお気に入りの本。
すっごいですよ、これ。
この著者であられる青田 充弘氏は、最高のヴィンテージデニムの考察本として名高いあの『501XXは誰が作ったのか?』の著者でもあります。
そして、この書籍はZIPPER(ジッパー )だけにフォーカスした歴史本。
しかも、こんなニッチでマニアックな内容を、青田氏自身が自費出版で発行したという、まさに魂の書な訳です。
アメカジ系の本や雑誌で、ジッパーの歴史や種類が掲載されるとしても、せいぜい2〜3ページ程度ですよね。
私たちのジッパー に関する知識も、そんな2〜3ページ程度の量でしょう。
しかし、この『ZIPPER GEAR』は約250ページ、全編ジッパーのことばかり!!
1800年代からのジッパーの歴史を、その時々の時代背景と共に、ジッパーの構造の進化の過程やブランド、採用されたプロダクトについて、数々の文献や実際のサンプルを元に非常に細かく執筆されています。
この情報量が、ちょっと異常。
とにかく、1ページごとの情報がめちゃくちゃ濃い。
読んでも読んでもなかなか前に進まない、っていうレベルです。
ただアカデミックに文章で説明がされるのではなく、どうやって集めたのか?と思うほど大量の当時の図解資料や、パテントの内容、たくさんの写真を元にしているので、とにかく見て分かりやすく、楽しく、ページをめくるたびに昔の空気そのものを感じます。
古き良き時代を妄想出来るほど。
えっぐい。
そして、数ページめくるだけで実感することが出来るのです。
我々はいかに、ジッパーのことを知らなかったのか、と。
そして、引き込まれていくのです。
ジッパーという小さいパーツの中に込められた創意工夫と、GEAR(ギア)としての魅力に。
全く見たことも無い古いジッパー から、我々もミリタリー系の古着で馴染みのあるメジャーなジッパーに至るまで、その開発プロセスや構造に深く切り込んだその内容。
著者による必死の資料収集と調査・研究の痕跡が伺えます。
もう、尊敬という言葉以外出てきません。
ジッパー の資料もそうですが、そのジッパー の研究対象として集めたヴィンテージアイテムの数々が凄すぎて…言葉がでません。
そういう意味でも、この1冊はとても楽しめる内容になっています。
尚、ジッパー の研究対象は服だけでなく、バディリーなどの小物なども含まれています。
ここまでマニアックにジッパーを深堀りした本は、我々が生きている間は出てこないことでしょう。
また、我々の中でも身近なジッパーメーカーごとのプロダクトのヒストリーも充実。
これはCONMAR。
こちらはWALDES。
そしてCROWN。
この本を読みすすめれば、古着(のジッパー)を見るのがとても楽しくなります。
言い換えれば、服の楽しみ方を一歩広げてくれる書籍と言えるでしょう。
価格と購入方法
さて、この素晴らしい書籍。
できれば多くの方に是非一度、手にとってもらいたいのですが、それがなかなか難しく。
その理由は、価格と販路です。
その販売価格は20,000円です。
…桁は間違ってませんよ…、2万円です。
出版社による出版ではなく、自費出版故に、仕方なし…。
本当は2冊買いして、一冊は保管したいのですが、この価格故に1冊を大切に読みんこんでいます。
また、この『ZIPPER GEAR』は、非常に限られた店舗と、オンラインショップでのみ購入可能です。
以下、HPに掲載されていた販売店舗を記載します。
・スタンダードブックストア (大阪心斎橋)
・THE ARMY GYM – Nigel Cabourn (東京・中目黒)
・フェイクアルファ (東京・原宿)
・オンラインショップ → ZIPPER GEAR WEB SHOP
【まとめ】ジッパーに興味が無い人でも、一度目を通していただきたい良著
という訳で、『ZIPPER GEAR』(青田 充弘 著)のレビューでした。
まだ見たことが無い方へ。
「ただのジッパーの本でしょ?」と侮るなかれ。
男だったら、ページをめくる度にワクワク・ドキドキが止まらない内容ですよ!
このレベルの情報を集めること、まとめること、執筆すること、その全てにおいて尊敬という言葉以外見つかりません。
数々の書籍に目を通してきた私が強く推薦する、こちらの書籍。
ハードルは高いですが、そんな私に騙されたと思って、是非一度手にとってみてください。
あなたの知らないアメカジの新しい魅力が詰まった、宝箱のような存在になることでしょう。
本日もご一読、ありがとうございました。
コメントを残す